技術資料
作用極(WE)–対極(CE)の電位制御とその応用方法
1. はじめに
電気化学測定では、作用極の電位を正確に制御・測定するために参照極が用いられます。BioLogic社製ポテンショ/ガルバノスタットには、標準機能として5端子測定機能が搭載されており、作用極-参照極間の電位(以下、Ewe)と、作用極-対極間の電位(以下、Ewe-Ece)を同時に測定できます(図1)。
図1. BioLogic社製ポテンショ/ガルバノスタットの接続方法と測定点のイメージ図
本稿では、Ewe制御とEwe-Ece制御の選択方法、およびそれらを切り替えながら試験を行う方法について解説します。
2. Ewe制御とEwe-Ece制御の選択方法
通常、ポテンショ/ガルバノスタットの電位制御はEweを対象として行われます。この場合、Eweが制御対象となり、Ewe-Eceは測定値として保存されます。一方、実験系によってはEwe-Eceを制御対象とし、Eweを測定する場合があります。このような場合、従来は配線の変更や別の測定器の使用が必要となり、実験や解析の工数増加につながっていました。こうした課題を解決するため、BioLogic社製ポテンショ/ガルバノスタットの制御ソフトウェアEC-Labには、Potential Control機能が搭載されています。
図2. Potential Control機能による電位制御点の選択
デフォルトでは「Ewe」が選択されており、作用極と参照極の電位差を制御します。一方、プルダウンメニューから「Ewe-Ece」を選択すると、作用極と対極間の電位を設定値に制御できます(図2)。Ewe制御とEwe-Ece制御における制御電位の違いを図3に示します。
※Potential Controlの設定を変更する際は、意図しない電位が印加されることのないよう、十分注意してください。
図3. Ewe制御とEwe-Ece制御の比較
3. Ewe制御とEwe-Ece制御を切り替えながら試験を行う方法
Potential Controlの設定変更は、同一Experiment内のすべてのテクニックに共通して適用されます。そのため、同一Experiment内に2つの電圧制御テクニックを設定した場合でも、1つ目と2つ目のテクニックで異なる電位制御点を指定することはできません(図4)。
図4. Experimentの設定例
電位制御点を切り替えながら自動試験を行う場合は、Batchモードを使用することで実現できます。
Batchモードとは、複数の設定ファイル(.mps)を順次実行する試験モードです。
図5. Batchモードによる設定ファイルの連続実行
図5のように試験を構成することで、設定ファイル(.mps)ごとに異なる電位制御点を適用した試験を実行できます。
4. まとめ
本稿では、BioLogic社製ポテンショ/ガルバノスタットにおける電位制御点の変更方法と、その応用方法について説明しました。
本機能を活用することで、手動による配線切り替えを減らし、より効率的に実験を進めることが可能になります。
- Bio-Logic社電気化学測定システム
- ・ハードウェア
- ・EC-Lab
- ・トラブルシューティング
- ソフトウェア
- ・Zviewおよび東陽テクニカ製ソフトウェア
- 電気化学測定
- ・基礎電気化学
- ・インピーダンス
- ・バッテリー
- ・腐食
- ・その他
- 燃料電池
- ・燃料電池評価





