技術資料
BioLogic社測定装置におけるデータレコード設定
1. はじめに
多くの測定装置では、データの記録間隔(データレコード)をユーザー自身で設定することができます。 記録間隔は、単に時間の間隔だけでなく、測定値の変化量や平均化の条件なども含めて柔軟に設定することが可能です。 本稿では、BioLogic社電気化学測定装置におけるデータレコード設定の概要と、各設定の利点や注意点について解説します。
2. データレコード間隔
一般的なデータレコード設定は、時間間隔に基づいて行います。たとえば、10ミリ秒ごとや1分ごとなど、任意の時間間隔でデータを記録することができます。
■時間間隔を短くする場合:例)1ミリ秒間隔
急峻な変化を高精度で追従できますが、データファイルが大きくなり、処理が煩雑になるほか、長時間の測定には不向きです。
■時間間隔を長くする場合:例)1分や10分間隔
データ量を抑え、長時間の測定に対応できますが、急峻な変化を捉えることができません。
このように、時間間隔のみでデータレコードを設定する場合、急峻な変化を十分に捉えることは困難です。BioLogic社電気化学測定装置では、時間に加えて測定データの変化量をトリガーとして設定できます。これにより、変化の少ない区間では記録間隔を広げ、変化の大きい区間では細かくデータを取得できます。
データレコードの設定に利用可能なパラメータ例:
• 時間(sec / min / h)
• 電流(mA)
• 電圧(mV)
• 容量(C / mAh)
• 電力(W)
• エネルギー(Wh)
※上記パラメータの変化量を条件として設定でき、時間間隔とのOR条件でデータレコードを設定することができます。

図1.BioLogic 社EC-Labソフトウェア データレコード 時間(sec)と電流(mA)によるOR条件設定画面
3. 平均値と瞬時値
BioLogic社電気化学測定装置に付属のEC-Labソフトウェアでは、測定テクニックに応じて、データの記録方法を「平均値」または「瞬時値」から選択することができます。 データレコード設定画面において、データ項目に<>が付いている場合は平均値が記録されます。
■平均値
設定した時間間隔内のデータを積算し、平均値として記録します。ノイズが低減され、安定したデータが得られる一方で、記録時刻における真の値(瞬時値)とは乖離する可能性があります。特に平均化の時間が長い場合、その傾向が顕著になります。
■瞬時値
記録時点の瞬間的な値を取得します。変化を正確に捉えることができますが、ノイズの影響を受けやすく、ばらつきが大きくなる場合があります。

図2. 左:平均値の設定画面 右:瞬時値の設定画面
4. まとめ
データの記録間隔の設定は、記録される波形の精度やデータ量に大きな影響を与えます。 実験の目的や対象とする現象に応じて、適切な記録間隔を設定することが重要です。 BioLogic社装置では、時間・変化量・平均化方式などを柔軟に組み合わせることで、高精度かつ効率的なデータ取得が可能です。
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