KLA Corporation

iMicro 高性能 薄膜機械的特性評価装置

デモ・受託分析対応

iMicro 薄膜機械的特性評価装置は、最大1N(約100gf)の荷重を発生できる、マイクロインデンターとナノインデンターの間の領域をカバーする、新しいレンジのナノインデンターです。InForce1000とInForce50の両ヘッドを付け替え可能で、薄膜の機械特性評価に欠かせない、ダイナミックモードやスクラッチ試験、高速3D/4Dマッピング機能まで幅広い機能を装備可能です。

特長

  • ISO14577に準拠した国際規格の硬度測定法を使用
  • 薄膜の硬度を自動測定! ロックウェルと同様に圧痕観察は不要
  • マイクロビッカースでは不可能な数mNレベルの押込み試験が可能
    (膜厚の5~10分の1の押込み深さで硬度測定が可能)
  • 薄膜のヤング率も測定可能
  • オートX-Y ステージを用いた多点自動測定
  • 無駄を省いたコンパクトで高コストパフォーマンスを実現

テクノロジー

iMicroは、押し込み試験の第一人者Dr.Warren Oliverにより新たに設計されたナノインデンターで、硬質膜からソフトマテリアルまで、硬度・ヤング率・動的粘弾性などの多岐にわたる機械特性を評価するための超低荷重ナノインデンターです。

ダイナミックモード

測定モードには、ISO14577に準拠する準静的モードとダイナミック(CSR)モードの2種類があります。準静的モードでは、最大侵入深さにおける特性を算出し、一つのスチフネスS(剛性)データを出力します。CSRモードでは、侵入深さの連続関数として、荷重及び変位データと共にスチフネスデータSが得られます。CSRモードにより、試料表面から最大深さに対して、「硬度」と「ヤング率」がプロファイルとして得られます。この手法により得られるプロファイルデータから、薄膜、コーティング、その他の表面処理材料の評価に関して常に考察が必要とされる基板の影響を視覚的に捉えられ、薄膜のみの硬度とヤング率を正しく判断できます。
またポリマーなどの動的粘弾性特性では、ダイナミック周波数を変更して、各周波数に対する貯蔵モジュラス・損失モジュラス・損失係数tanδを求められるナノ粘弾性評価装置として利用できます。

多彩なマッピング機能

オプションのInForce50を搭載することで、多彩なマッピング機能を実現します。最速1点辺り1秒の高速押し込みを行い、サンプル表面の硬度・ヤング率を2次元マッピングするNanoBlitz3D機能、更にNanoBliz3Dに深さ方向を加え硬度・ヤング率を3次元マッピングするNanoBlitz4D機能を装備できます。従来のISOに基づく準静的モードで実現される1ポイントのみの硬度・ヤング率データを2次元、3次元へ拡張し、“硬度顕微鏡”として利用いただけます。

100kHzの高速データ収集

iMicroに搭載されるInQuestコントローラは、準静的モードとダイナミックモードを1台のコンパクトなコントローラで実現しています。100kHzという高速データ収集スピードにより、高分解能・高密度なデータ収集と高速なフィードバック制御を実現でき、ナノスケールの極微小な材料の機械特性も高感度に検出できます。

押し込みヘッド

押し込みヘッド模式図

機械的インデンテーション試験の全ての測定は、基本の「荷重(フォース)」と「変位」データより算出されています。 ナノインデンター・システムには、独自の電磁コイルベースの荷重制御機構が使用され、サンプルに対する非常に高精度な「荷重」の印加を実現しています。
コイルに流れる電流によって圧子軸は電磁力で下側に駆動され、同時に容量センサによって「変位」を高精度に計測します。容量センサとは完全に独立した2枚のリーフスプリングの採用によって、圧子の押し込み軸は安定に上下し、横方向の移動は全くありません。独自のセンサ/荷重制御機構の設計により、高精度で再現性の非常に高い、材料の機械的特性データが得られます。

仕様

  InForce1000
(標準ヘッド)搭載時
InForce50
(高分解能ヘッド)搭載時
荷重印加方式 電磁コイル
変位検出 キャパシタンスゲージ
最大変位レンジ 80μm 50μm
最大押しこみ荷重 1000mN 50mN
荷重分解能 6nN 3nN
変位分解能 0.04nm 0.02nm
測定位置確認 CCDカメラ
測定モード
 (一部オプション)
準静的モード(ISO14577準拠)、連続剛性測定法(CSR)
粘弾性スクラッチ粘着力
硬度・ヤング率の3D/4Dマッピング

システム構成

  • 電磁コイルベースの荷重制御機構
  • 振台及び環境の影響を防ぐキャビネット
  • プリマウント型「バーコビッチ」ダイヤモンド圧子
  • マウスコントロールによる自動モーションシステム
  • カラーCCDカメラ
  • 高速InQuestコントローラ
  • InView制御・解析ソフトウェア
  • ディスプレイ一体型PC

機能

連続剛性測定法(CSM/CSR)

連続剛性測定法(Continuous Stiffness Measurement; CSM)は、ひずみ速度や周波数による影響などの動的材料特性を定量化するために使用されます。 CSM手法では、押し込み試験中に圧子を微小振動させて、深さ、荷重、時間、または周波数の関数として材料の特性を測定します。この機能には、硬度とヤング率を深さまたは荷重の関数として測定する一定ひずみ速度(Constan Strain Rate; CSR)も含まれます。CSMは、貯蔵弾性率および損失弾性率を測定するProbeDMA™メソッドや、基板に依存しないヤング率を測定するAccuFilm™など、他の高度な測定オプションにも使用されます。 

2次元機械特性マッピング (NanoBlitz3D)

NanoBlitz3Dは、材料の硬度・ヤング率等の機械特性マップを生成します。 平滑なサンプルであれば押し込み1点あたり1秒未満で最大40,000インデント(200×200アレイ)を実行します。測定時間は多少長くなりますが、粗さのあるサンプルにも対応します。試験点数を多くすることで、統計的な信頼性が向上します。ヒストグラムチャートは、複合材料において各組成や各相の材料をそれぞれ示します。 NanoBlitz3Dパッケージには、視覚化機能とデータ処理機能が含まれています。

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3次元機械特性マッピングNanoBlitz 4D

NanoBlitz4Dは、X-Y-Zの3次元情報に機械特性を加えた4次元のマップを生成します。 NanoBlitz4Dは、1回の押し込みあたり5~10秒で最大900インデント(30×30アレイ)を実行し、アレイの各インデントの深さの関数として、ヤング率(E)、硬度(H)、および剛性(S)の値を提供します。 NanoBlitz 4Dは一定ひずみ速度法(CSM/CSR)を利用しています。パッケージには、視覚化機能とデータ処理機能が含まれています。

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AccuFilm™ 薄膜メソッド

AccuFilm薄膜メソッドは、連続剛性測定(CSM)を使用して基板に依存しない材料特性を測定するためのHay-Crawfordモデルに基づく試験メソッドです。 AccuFilmは、軟質基板上の硬質膜および硬質基板上の軟質膜の膜測定に対する基板の影響を補正します。

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ProbeDMA™ ポリマーメソッド

ポリマーメソッドは、周波数の関数として高分子材料等の複素弾性率を測定します。パックには、フラットパンチ圧子および動作確認用のリファレンスサンプルが付属します。この測定手法は、従来の動的機械分析(DMA)試験装置では測定が困難な微小サンプルや薄膜サンプルの特性評価が可能となります。

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Biomaterialsメソッド

Biomaterialsメソッドは、1kPa程度の剪断弾性率で生体材料の複素弾性率を測定する機能です。試験にはフラットパンチ圧子を用います。この測定手法は、従来のレオメーター機器では十分に機能しない微小な生体材料の機械特性を取得するのに役立ちます。

スクラッチ・摩耗試験メソッド

スクラッチ試験では、ひっかき距離に従って荷重を上昇させ削れた深さを取得します。ひっかき試験により、薄膜、セラミック、高分子などの多くの材料の脆性破壊等の特性評価が可能になります。一定荷重を印加することで摩耗試験を行うことも可能です。

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データ・バースト

DataBurstは、InViewソフトウェアとInQuestコントローラーを搭載したシステムが1kHzを超えるレートで変位データを記録し、高ひずみステップ荷重、ポップイン、およびその他の高速に起こる事象を測定できるようにするオプションです。

I-V電気測定

I-Vオプションは、高精度の電流計と電圧源、チップ先端の電気経路、および導電チップを利用します。この設計により、ユーザーはサンプルに特定の電圧を印加し、チップの電流を測定すると同時に、押し込みヘッドで試験を行うことが可能です。

アプリケーション

メーカーアプリケーションノート(英文)

受託分析

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Geminiオプション

Geminiヘッドの外観

Geminiシステムは2軸での試験を実現し、ナノスケールでのトライボロジー特性評価を実現できる装置として期待されています。これは商業ベースでは世界で初めてとなります。これまで薄膜材料では測定困難とされてきたスティックスリップ現象や潤滑性といった様々な摩擦・磨耗特性およびポアソン比の測定が可能になります。

熱溶融石英のポアソン比算出例

Geminiは押し込みヘッドを直行させる形で取り付けられており、それぞれが微小振動を加えることが可能です。その微小振動から接触剛性(スティフネス)を計算しすることができます。これらの比をとればポアソン比が算出できます。下図は熱溶融石英のポアソン比算出事例で、求まった0.196という値は文献値0.188に非常に近い値です。押し込み深さは600nm程度で、今後薄膜の評価が期待できる深さです。

水晶上でのスティックスリップスライディング

位相の変化を検出することにより、スティックスリップ摩擦の検出も可能です。下図は水晶に対して実験を行ったものです。滑り出しがどのようにして起き始めるか、今までは検出不可能であった事象の解析が可能になります。