技術資料

BCS-800シリーズ付属ソフトウェア BT-Lab®で負電圧から試験を実施する方法

1. はじめに

二次電池は、開発プロセスの各段階で試験・評価が必要となり、特にセルを組んだ初期状態では電圧が-200mV付近になることがあります。このような場合、BioLogic社製充放電測定システムBCS-800シリーズで試験を実施する場合には、装置資料の電圧レンジが0~9Vまたは10Vであるため、BT-Lab®ソフトウェアの設定変更が必要になります。
※本機能は、BT-Lab®ソフトウェアのバージョン1.73以上で使用できます。

2. BT-Lab®で負電圧から試験を実施する方法

負電圧値で測定を開始すると、BT-Lab®は電圧異常のエラーメッセージを表示してステータスバーが赤くなり、実験が停止となります(図1)。ステータスバーに表示される電圧の下限値は-161mVのため、実際の電圧値はそれより低い場合もあります。

図1. エラーメッセージの表示例

その際、「deactivation E range check」という機能を有効にすると、負電圧であっても試験が継続される可能性があります。この機能を有効にするためには、BT-Lab®ソフトウェアを終了した状態で以下の手順に沿って 「BT-Lab.ini」 ファイルを修正する必要があります。

  • ・「BT-Lab.ini」 ファイル(C:\Users\Documents\BT-Lab\BT-Lab.ini)ファイルを開く
  • ・その中の[Factory Tests] セクションに、「EnabledOvfCheckOff = 1」 を追加する

図2. 「deactivation E range check」機能を有効にした 「BT-Lab.ini」 ファイル

上記の手順でファイルを修正後にBT-Lab®ソフトウェアを起動すると、[Config/Options] メニューの [Warnings] タブで本機能を有効化できます。有効化すると、[Safety/Adv. Settings] タブにチェックボックスが表示されます。「Deactivated E range check at experiment start」 チェックボックスが有効になっている場合、電圧が負の値であっても試験を開始できます。この場合、該当チャンネルに電圧異常のメッセージが表示されステータスバーが赤くなりますが、試験は継続されます。ステータスバーに表示される電圧値は約-161 mVであり、実際の電圧値が-161mVより低い場合でもこの値が維持されます。また、試験中に電圧値が-161mVより高くなると、ステータスバーと測定画面に実際の電圧値が表示されます。

図3. 「deactivation E range check」 機能が追加された [Warnings] 画面

図4. 「deactivation E range check」 機能が追加された [Safety/Adv. Settings] 画面

3. 「deactivation E range check」 機能を使用する際に注意点

本機能を使用する場合には、[Safety Limits] にある 「Ecell min」 のチェックボックスを無効にする必要があります。そのため、下限電圧でセーフティリミットを検知することができないため、設定条件に誤りがないか十分に確認して試験を行う必要があります。

4. まとめ

本稿では、BT-Lab®バージョン1.73のソフトウェアにおいて、サンプルの電圧が負の値である場合でも、試験を開始する方法について紹介しました。前述の通りエラーメッセージは表示されますが、試験は継続して実施します。本機能について興味のある方や有効化したい方は、「記事に関するお問い合わせ」ボタンよりお気軽にお問い合わせください。

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