Bio-Logic Science Instruments(バイオロジック / フランス)

BCS-8XXシリーズ モジュール式充放電測定システム(8ch/1モジュール)

BCS-8XXシリーズは、150mA(BCS-805)、1.5A(BCS-810)、15A(BCS-815)の3種類のモジュールから選択でき、1台のPCから複数モジュールの制御ができる充放電装置です。各モジュールは充放電試験に加えて、サイクリックボルタンメトリにも対応しており、またFRAオプション搭載モデルの場合は周波数範囲 10mHz~10kHzまでのインピーダンス測定を行うことができます。

株式会社東陽テクニカ 理化学計測部
phone03-3245-1103
Mail:keisoku[at]toyo.co.jp

特長

多機能 充放電試験に加え、インピーダンス、サイクリックボルタンメトリに対応
ポテンショスタット不要、接続変更の手間がかからない
高確度制御 18bit ADCによる高分解能計測、ポテンショスタット以上の高精度制御・測定
使い易いソフトウェア 設定ミスによる実験失敗を防ぐことができる、測定中の設定変更可能
恒温槽制御ソフトウェアを用いてエスペック恒温槽の温度制御を完全自動化
便利機能 測定中の設定変更に対応/測定再開機能搭載
ホットスワップによりシステムの停止なく修理/校正が可能
遠隔化 リモートデスクトップ/異常時のメール送信システム
豊富なホルダー コインセル/ラミネートセル/円筒セル/角セルなど、様々なセル形状に対応
最高150℃耐熱セルホルダーを提案可能

仕様

モジュール仕様

BCS-805 BCS-810 BCS-815(*)
チャンネル数 8 8 8
最小サンプリング間隔 2msec 2msec 2msec
セル接続 4 端子 (+ グラウンド) 4 端子 (+ グラウンド) 4 端子
電圧
電圧レンジ 0 ~10V 0 ~10V 0 ~9V
電圧制御分解能
電圧測定分解能
150μV
40μV( 18bit)
150μV
40μV( 18bit)
150μV
40μV( 18bit)
電圧制御/ 測定確度 0.3mV ±設定・測定値の0.01% 0.3mV ±設定・測定値の0.01% 0.3mV ±設定・測定値の0.01%
入力インピーダンス >50G Ω/6pF >50G Ω/6pF >100M Ω/6pF
スルーレート 150kV/sec 150kV/sec 3kV/sec
電流
出力電流 ±150mA ±1.5A ±15A
電流レンジ 10μA~100mA( 5レンジ) 100μA~1A( 5レンジ) 1mA~10A( 5レンジ)
電流制御分解能
測定分解能
800pA
200pA( 18bit)
8nA
2nA( 18bit)
80nA
20nA( 18bit)
電流制御/
測定確度
FSRの0.015%
±設定・測定値の0.05%
・FSRの0.015%
±設定・測定値の0.05%
(100μA~100mAレンジ)

・FSRの0.015%
±設定・測定値の0.1%
(1Aレンジ)
・FSRの0.015%
(1mA~100mAレンジ)

・FSRの0.015%
±設定・測定値の0.1%
(1Aレンジ)

・FSRの0.04%
±設定・測定値の0.3%
(10Aレンジ)
並列接続 なし なし あり (8 チャンネル並列接続で±120A)
インピーダンス(オプション)
周波数範囲 10mHz ~10kHz 10mHz ~10kHz 10mHz ~10kHz
インピーダンス測定方式 マルチプレクサ マルチプレクサ マルチプレクサ
一般
高さ 1U 2U 4U
重量 5kg 10kg 23kg
電源 60W 220W 1700W

(*)電波法について

10kHz/50Wを超えて製品を利用する場合は、高周波利用設備として総務大臣の許可が必要です。
許可申請は、製品の設置場所を管轄する総合通信局におこなってください。

関連法令

  • 電波法第100条 (高周波利用設備)
  • 電波法施行規則第45条 (通信設備以外の許可を要する設備)
  • 無線局免許手続規則第26条 (高周波利用設備の設置許可の申請)
  • 無線設備規則第65条 (通信設備以外の設備の電界強度の許容値)

装置構成

インピーダンス測定・CV・温度制御の自動化

電気化学測定装置と接続しなおす手間を削減することが出来ます

充放電試験だけでなく、CV(サイクリイクボルタンメトリ)・LSVや電気化学インピーダンス測定(10mHz~10kHz:オプション)も可能です。
二次電池でのCV測定・LSV測定やサイクル試験中にインピーダンス計測を行うお客様はBCSシリーズの使用により時間の短縮ができます。

並列接続:120A試験

システムで様々な電流範囲の試験を実施 大型電池試作や高Cレート試験にも対応可能

BCS-815は測定チャンネルを並列接続することで最大±120Aの試験まで実施可能

使用例①
15A試験×8ch

使用例②
15A試験×2ch
30A試験×1ch
60A試験×1ch

使用例③
120A試験×1ch

高確度制御・測定

高精度な電流・電圧制御 / 測定を提供します

BCSシリーズは18bitのADCを搭載している為、電気化学測定システムより高精度に電流・電圧の制御・計測が行えます。
特に電圧制御・測定能力は高く、”設定値の±0.01% ±0.3mV ”と比類なき精度を有します。

待ち時間・工数 削減

作業の回数を劇的に削減し、評価時間を30%以上短縮

200サイクル(1C)の充放電試験にて5サイクル毎に電気化学インピーダンス測定をした場合

※計算仮定
温調に1時間と レストは1時間 月曜~金曜9:00~17:00で計算

  測定結果を得るまでの時間 現場作業回数
従来の方法 1,296時間(54日) 202回
ソリューション 806時間(34日) 1回

情報量の増加

BCSの導入でより詳細な考察が可能

豊富な測定/解析機能

【4種類の充放電テクニック】

評価したい内容に適した試験を選択できる

BT-LABでは、様々なお客様のご要望に応えるため、充放電テクニックだけでも4種使用可能です。
CC-CV充放電の切り替わりノイズを避けたい方や、充放電サイクル中に内部抵抗を測定したいという方にもご利用いただけます。
また複雑なシーケンスも設定可能であり、GITTやPITT試験も実行できます。

テクニック 機能
GCPL 一般的な充放電試験に対応
GCPL4 CC-CV充放電において、CC-CVの合計時間でターミネーションを設定することが可能
GCPL5 電圧の変化から内部抵抗を自動計算することが可能
GCPL7 CC-CV充放電においてすべて電流制御で行います。CVに切り替わる際にスパイクノイズが入りません。

CC-CV充電において、ほとんどの充放電装置では「電流制御」によるCV充電を行っています。
この方式はスパイクノイズが入らないというメリットがありますが、長時間CV充電を行うとノイズが大きくなるデメリットがあります。
BCSではCV充電の方式を「電圧制御」または「電流制御」のどちらかを選択可能です。

【BCD(Battery Capacity Determination)による充放電容量のCレート設定】

特殊な測定においても電気化学測定装置が不要

BCD : Battery Capacity Determinationとは実際に充電または放電試験を行い、得られた測定容量[Ah]を、それ以降のCレートや容量カットオフに反映させる機能です。実測の容量を設定するシーケンスでも自動設定が可能となります。

パルス試験・GITT/PITTなど 応用試験にも対応

BCSシリーズは最速2m秒のサンプリングに対応しており、高精度な制御・測定が可能であるため、パルス放電試験、GITTやPITT試験に最適なシステムです。
ソフトウェアから簡単に設定できます

パルス放電やGITTの電流波形

PITT測定のイメージ

GITT測定のイメージ

【リアルタイムグラフ表示】

BT-LABは、Bio-logic社製ソフトウェアEC-LABをベースに、電池の試験向けに改良したソフトウェアです。
EC-LABと同様に測定中にデータを確認でき、加えて充電/放電容量の計算を測定中に行うため、容量やクーロン効率もリアルタイム表示することが可能です。
グローバルウィンドウを表示すれば、どのチャンネルを使用しているのか簡単に確認することが可能であり、測定中のチャンネルの状況も把握できます。

【多彩なグラフ描画に対応】

電池分野で使用される数多くのパラメータを表示することが可能です。(下の表を参照してください)
クーロン効率や充放電カーブ、dQ/dVの表示も簡単に行えます。
また表示の際の単位も変更可能です。[ex. A, mA, μA, nA]
加えて、dQ/dVを算出する際の微分量も設定可能です。

表示パラメータ 時間[sec], 電圧[V], 電流[I], 容量[Ah], クーロン効率[%], 電力[W], 電力量[Wh], サイクル数, dQ/dV
複数データ表示 可能
対応データ EC-LAB, BT-LAB

ホットスワップ

  • 他の充放電装置が測定中でも、モジュールの取り出しが可能(ホットスワップ機能)
  • 現地での校正作業(トレーサビリティ付)が可能
  • 校正や修理を行う際も全チャンネルを停止する必要無し

セルホルダ

BA-11-47-1
耐熱性コインセルホルダー(耐熱:150℃)

端子接続側ビュー

サンプル側ビュー

BA1-00-87-0
8ch 18650要セルホルダー(耐熱60℃)

092-P32/8
8ch 4端子接続ラミネートセルホルダー(耐熱:80℃)
最大電流:32A

092-PC32/1
4端子接続 ラミネートセルホルダー(耐熱:80℃)
最大電流:32A

092-PC100/1
4端子接続 角型セルホルダー(耐熱:80℃)
最大電流:32A

遠隔化

リモートデスクトップによる遠隔化

共有ネットワーク・リモートデスクトップを使用することで離れた場所から制御可能
供給サーバーにデータを保存することも

システムに異常が発生した際にメールを送信するオプションもございます。
現場にいなくても異常発生を確認できます。

導入事例

【CASE1】96ch 15A充放電・インピーダンス測定システム

96ch の15Aの充放電システムを19インチラック2台にて提案、恒温槽はESPEC社 BTC-560Hb1 を1台、この中に96ch分のラミネートセルホルダを収納(詳しくはP40 サンプルホルダ参照)
最大10㎝角のラミネートセルに対応。熱電対にてすべてのセルの温度測定にも対応
充放電試験だけでなくインピーダンス測定・AC-IR/DC-IR測定・CV(サイクリックボルタンメトリー)も実施可能

リモートデスクトップによる遠隔化

■10A超のシステム96chを2台のラックに収納
■充放電だけでなくインピーダンス・CV測定に対応
■恒温槽1台に96chのセルホルダを収納
■すべてのセルにおいて温度測定

【CASE2】96ch 15A充放電・インピーダンス測定システム

リモートデスクトップによる遠隔化

■104chの充放電システムを1台のラックに収納
■充放電だけでなくインピーダンス・CV測定に対応
■恒温槽1台(LU-124)に104chのセルホルダを収納