周波数解析の状態監視への活用方法

お役立ち情報

 

工場の機械設備は稼働中に必ず振動が発生しており、その振動には設備の状態を示す情報が含まれています。
その振動の解析手法の代表的なものが周波数解析です。
本記事では周波数解析の基礎と、予兆保全への活用について、実験を通してご紹介します。

周波数解析とは

周波数分析を行う代表的な手法として、高速フーリエ変換(FFT)があります。
FFTは、「複雑な波形も複数の正弦波の組み合わせで表現できる」という理論に基づき、複雑な信号を周波数ごとの成分に分解することができます。
これにより、工場設備の振動を周波数ごとに分けて、それぞれの大きさ(振幅)を把握できます。

 

FFT解析

図1:周波数解析

周波数解析を活用した設備の異常検知と予兆保全

設備の振動は機械設備の構造によって決まるため、設備が同様の状態で稼働し続けていれば、周波数解析の結果もほぼ一定となります。
一方で、設備に故障などの異常が発生すると、周波数解析の結果は通常とは異なるものになります。

また、それぞれの周波数の振動には、対応する部品(構造)や現象があるため、周波数成分から原因を推定することも可能です。
傾向監視としてよく用いられるRMS値やPeak値のみでは、異常の「中身」まではわかりません。

しかし、周波数解析による結果を活用することで、兆候段階で異常を検出するだけでなく、故障モードの推定が可能となり、メンテナンスの効率化や予兆保全にも役立てることができます。

実証実験

実証実験の内容

故障再現シミュレーターを用いて、設備の異常内容として回転機のアンバランスを再現しました。
取得したデータをFFTアナライザを用いて、FFTグラフ(横軸:周波数、縦軸:振幅)として、正常時と異常時のデータを比較しています。

 

以下は、故障時に変化する周波数を示しています。
frは回転周波数を表します。
設備に表にあるアンバランスなどの異常が起きると、対応する周波数成分に変化が現れます。
今回はアンバランスを再現しているため、回転周波数に着目します。

FFT解析

BPFO:Ball Pass Frequency Outer-race(外輪通過周波数)

BPFI:Ball Pass Frequency Inner-race(内輪通過周波数)

 

FFT解析

表1:周波数成分

実証実験の結果

●アンバランス再現時

正常時は緑、アンバランス再現時はオレンジの波形で表示されています。
今回は、故障再現シミュレーターの回転数を2400rpm(回転周波数40Hz)に設定しています。

アンバランスを再現しているため、上記の表よりfrである40Hzに着目します。
正常時(緑)と比較して、アンバランス時(オレンジ)は振幅が大きく増加していることが分かります。

 

周波数解析

アンバランス再現時のグラフ

 

●まとめ

本実証実験の結果、アンバランス再現時には回転周波数のPeakの値が大きく変化することを確認できました。
これは表に記載されている他の故障についても同じように考えることができます。
実際の現場において、周波数解析は、点検時に用いることで設備の故障モードの推定が可能となります。また、 日々の設備振動を監視し、周波数ごとの振幅の値を適切に管理することで、故障の予兆を捉えることなどにも役立てられています。

●今回使用した計測器

最後に

周波数解析した結果を正しく運用することで、設備で発生する振動の故障モードを推定することができます。 この技術は日々の保全業務に役立てられています。
弊社では、センサの選定やデモ機のお貸出し、設備の振動状態監視に関するお悩みのご相談なども承っております。 お気軽にご相談ください。


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