半導体製造の安定供給を実現する状態監視ソリューション

製品情報

 

この数年、世界は未曽有の半導体不足という問題に直面し、大混乱に陥っています。半導体製造における歩留まりの改善や、半導体の安定供給は国を挙げて取り組んでいる最重要項目の一つです。

半導体の製造工場には、実際に製造するクリーンルームとは別に、サブファブが存在します。このサブファブには、真空ポンプやチラーなど、半導体の製造を支えるさまざまな設備があります。設備にある機械装置は、一般的に可動部があるため定期的な点検が必要で、特に真空ポンプやチラーなどは回転機構を有しているので、その軸受けやファンブレードといった部品を定期的に分解して点検をしなければなりません。
このような点検には時間とコストがかかるため、管理の観点では定期点検の周期に頭を抱えることもあると思います。また、定期点検では異常がなくても、点検周期の間に突発的な異常が発生すると、半導体の生産に大きな影響を与えてしまいます。例えば、真空ポンプに異常が発生すると、製造装置側の真空度に作用し、結果的に製造する半導体の品質に影響します。
 

このような課題を解決するために、設備のダウンタイムを減少させることや、製造品質を維持・向上させるための手段として、設備の状態監視が挙げられます。設備内の機械部品の状態を監視する手段として多く採用されているのが振動計測です。

振動は機械部品の初期異常のシグナルを検知することに優れており、また、振動計測を行う加速度センサを取り付けるのも容易であるという点から、設備の状態監視を行う上で、バランスの取れた手段と言えます。また、その加速度センサの信号を周波数帯ごとにモニターすることで、おおよその損傷部位を特定することも可能です。
例えば、一般的に、回転軸のアンバランスや歯車の損傷などは数十Hz~数百Hz帯に、軸受けの損傷は1kHz以降の周波数帯に表れてきます。振動を計測する際に使われる物理量として、変位、速度、加速度がありますが、数十Hz~1kHz帯は速度が適しており、1kHzを超える周波数帯では加速度が適しています。
 

当社取扱いのPCB Piezotronics社製のベアリング故障検出用トランスミッタ「682C05」は、1kHz以下の振動と1kHzを超える振動を分離してモニターすることができるため、異常振動が軸受起因なのかそうでないのかを切り分けることが可能です。

ベアリング故障検出用トランスミッタ682C05

また、フロントパネルには振動の生信号が出力する端子が備わっているため、当社取扱いのThe Modal Shop社製 ICP-USB変換モジュール「485B39」(要オプション)を使用して信号を収録すれば、より詳細な解析が可能となります。

ICP-USB変換モジュールV485B39

このように、半導体製造における歩留まりを改善し、安定供給を実現していくには、製造設備の状態監視は非常に重要な役割を果たすと考えられます。

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