ワイヤレス温度センサの事例紹介~設備の温度と状態監視の関係とは?~

製品情報

 

突発的な故障や品質トラブルを防ぎ、設備の安定稼働を維持するためには、設備の状態を監視し、異常の兆候を把握することが重要です。こうした背景から、状態監視の必要性は年々高まっています。
状態監視を行う手法の中でも、「温度」は測定が容易で、状態の変化を直感的に捉えやすい監視パラメータとされています。

 

本記事では、状態監視における「温度の重要な役割」と、Broadsens社製品の「ワイヤレス温度センサ(SVT200-T)の使用事例」をご紹介します。

 

温度の役割

温度は設備の「体温」のようなもので、人が体温で体調を確認するように、直感的に設備の状態を理解しやすいため、非常にわかりやすい指標です。
多くの機械部品には正常な運転温度の範囲がありますが、摩擦や過負荷などが生じると温度が上昇したり、変動が大きくなったりします。
こうした温度の上昇や急激な変化は、設備に異常が発生している兆候である可能性が高く、異常発見の手助けとなります。
このように、温度は「見えない状態」を可視化する手段として、設備の異常や劣化を発見するための重要な役割を果たしています。
そのため、温度による状態監視は導入効果を実感しやすく、現場でも取り入れやすい手法と言えます。

使用事例

 

システム構成

ワイヤレスセンサ

ワイヤレス温度センサシステムは、センサ、ゲートウェイおよびソフトウェアから構成されています。
ゲートウェイには専用ソフトウェアBroadVibra™を搭載しており、Webブラウザーからアクセス可能でインストール不要です。
すぐに使用でき、MQTTプロトコルでクラウドやサーバーへデータ転送が可能です。

 
  • 事例:
「製本機のベアリングへの給脂タイミングの把握と重大事故予防」を目的に、ワイヤレス温度センサを使用しました。
従来、設備の運転員が温度変化や異音を確認したタイミングで給脂を行っていましたが、人の感覚に頼った点検では、給脂タイミングにばらつきが生じやすく、対応の遅れや過剰なメンテナンスにつながるなど、適切なタイミングで給脂ができていないことが課題となっていました。
ワイヤレス温度センサを導入したことで、点検のオンライン化が実現しました。
これにより、対象の軸受けの温度を24時間常時監視し、状態に応じて適切なタイミングでの給脂が可能となりました。
温度による設備の状態監視と適切なタイミングでの給脂によって以下のような効果が得られています。
・機械部品の長寿命化によるコストの削減
・過剰メンテナンス等によるコスト増加の抑制
・製本機における目詰まりによる急停止の予防
・感覚に頼った点検の定量化
・重大事故の予防
常時監視をして安定稼働することでコストの削減やダウンタイムの削減など費用対効果が期待できます。
 

ワイヤレスセンサ

 

ワイヤレスセンサ

ワイヤレス温度センサ SVT200-Tのメリット

  • センサを対象に設置し、ゲートウェイとPCを用意するだけで、すぐにデータの取得と専用ソフトウェアによるモニタリングが可能です。煩雑な設定は不要です。
  • 取得したデータはCSV形式での出力にも対応しています。
  • 小型センサのため、設置スペースをほとんど必要としません。
  • 15秒ごとに温度データを送信するため、急激な温度変化にも対応可能です。
  • サーモカメラによるモニタリングを本システムに置き換えることで、常時監視が可能になります。

 

ワイヤレスセンサは、配線が不要で設置が容易という大きなメリットがあります。しかし、センサの数が増えると、電池交換の手間が課題になります。
Broadsens社の温度センサは、超低消費電力設計により、使用環境にもよりますが約10年の長寿命を実現。これにより、頻繁な電池交換の必要がなくなり、運用負担を大幅に軽減できます。

 

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