技術資料

外部入出力用端子を用いた測定 ~水電解セルにおける4電極測定への応用~

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1. はじめに

ポテンショ/ガルバノスタットは電流及び電圧を制御/測定することができます。酸化還元反応の測定が目的であれば、基本的には電流と電圧の測定だけで十分です。しかし、研究開発の現場では、他の計測機器(外部装置)との連携や特定タイミングでの電圧取得など、より高度な制御が求められるケースがあります。
本稿では上記のような場合において使用するBioLogic社製ポテンショ/ガルバノスタットの外部入出力機能の紹介と実際の活用事例についてご説明します。

2. BioLogic社製ポテンショ/ガルバノスタットの外部入出力端子について

BioLogic社製ポテンショ/ガルバノスタットはチャンネルボード毎に外部と連動するための入出力端子を備えています。図1の赤枠部がその端子となっており、専用のケーブルを接続することで外部装置との連動や電圧信号を取り込んで試験データと同じファイルに記録することが可能です。それぞれの役割を表1に示します。

 BioLogic社製ポテンショ/ガルバノスタットの外部入出力端子

図1. BioLogic社製ポテンショ/ガルバノスタットの外部入出力端子

表1. 各外部入出力端子の仕様

各外部入出力端子の仕様

3. 活用事例のご紹介:水電解セルにおける4電極端子システム

水電解試験においてはアノード/カソードの両方に参照極を用意し、分極測定を行うことがあります。通常、この測定を行う際には外部装置として電圧計及びロガーが必要となり、コストやデータマージのための工数の増加という課題が生じます。しかし、外部入出力機能を活用すれば、この課題を解決し、効率よく測定を実施することが可能です。

水電解セルにおける4極測定システム

図2. 水電解セルにおける4電極測定システム

外部入出力端子を活用する際、試験対象である水電解セルとポテンショスタットを絶縁化(アイソレーション)する必要があります。絶縁化されていない場合、ポテンショスタットの動作回路の仕様上、正しく制御できなくなる現象が起きる可能性があるためご注意ください。 ここでは、BioLogic社製のアイソレーション対応外部入出力オプション IS1(094-081/5)モジュールを使用します。 機器の接続のイメージは以下の通りです。

水電解セルとポテンショ/ガルバノスタットの絶縁化イメージ図

図3. 水電解セルとポテンショ/ガルバノスタットの絶縁化イメージ図

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この接続を行うことで、アノード⇔カソード間に電流を印加し、それぞれの参照電極を基準とするアノード電位とカソード電位を計測することができます。各電位は試験データとして同じファイルに記録されます。そのため、データマージ等の作業は発生しません。


【水電解セルにおける4電極測定の用途】

水電解セルにおいて、上記の4極測定は以下のようなケースで行われます。

■直流法による膜抵抗の算出
・各電流における電位測定
・印加電流、セル電位、アノード電位とかカソード電位から膜抵抗を算出
・交流法では分離の難しい接触抵抗の影響も除去可能

■アノード、カソードそれぞれの分極測定
・各電流のアノード、カソードの参照極基準の電位を取得
・上記より取得した膜抵抗でIR補正することで電極単体の正確な分極曲線をプロット

■物質移動抵抗の把握
・上記より取得した分極曲線からターフェル直線を確認
・直線から外れる過電圧部からPTL(多孔質輸送層)由来の物質移動抵抗成分を見繕うことが可能
⇒本手法を用いた分極や過電圧評価は電極や隔膜,PTLの材料や形状の最適化設計を実行

3.まとめ

今回はBioLogic社製ポテンショ/ガルバノスタットの外部入出力用端子を用いた測定事例をまとめました。アイソレーション対応の外部入出力オプションを用いることで、従来ポテンショスタット単体では困難な4電極の測定も可能となります。

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