【RFCの読み方】RFCのヘッダには何が書かれているか

標準化関連

 

【RFCの読み方】RFC文書を読むときの前提知識を公開したあと、思った以上に「RFC 読み方」というキーワードで記事がヒットしていました。RFCは、なにかとっかかりがないと読みづらいですよね。
今回は、RFCのヘッダに含まれる情報ついて詳しく解説したいと思います。

RFCヘッダとは

RFCのヘッダについては、RFC7841に詳しく記載があります。RFCのページの右上に表示されています。

RFCヘッダ

RFCヘッダの構成要素

ヘッダは、上から順にドキュメントソース、RFC番号、(サブシリーズID)、関連するRFC番号、カテゴリ、ISSN番号により構成されています。

フィールド名 記述
ドキュメントソース 作業が発生した団体です。
ちなみにこのRFCの「Internet Architecture Board (IAB)」は、IETFの上位組織でICANN(IANA)などもこの組織に含まれています。
現在可能なエントリは、IETF、IAB、IRTF、Independent Submissionです。
RFC番号 発行されたRFC番号です。
サブシリーズID このRFCでは記載されていませんが、一部ドキュメントカテゴリではRFCサブシリーズとしてもラベル付けされています。
関連するRFC番号 このRFCとの関連性があるRFCの情報です。この情報は非常に重要です。
カテゴリ RFCのカテゴリです。【RFCの読み方】RFC文書を読むときの前提知識で解説しました。
ISSN番号 ISSN(Interbational Standard Serial Number)です。この「2070-1721」は、IEFTのRFCとして登録されています。ISSNに関しては、国立国会図書館のサイトがわかりやすいです。
国立国会図書館-ISSN日本センター(別ウィンドウ・外部リンク)

この中でRFCを読む際に必ず確認すべき情報は、「カテゴリ」「関連するRFCの情報」です。
カテゴリについては、前回の記事で解説しましたので、今回は「関連するRFCの情報」について解説します。

関連するRFC番号

RFC7841の例では、「Obsoletes:5741」と記載があります。これは、RFC5741に置き換えて発行された、という意味です。
また、RFC5741には、「Updates:2223,4844」と記載があります。これは、RFC2223と4844に情報を追加、または更新した、という意味です。
これらのキーワードの具体的な意味は、以下のとおりです。

キーワード 意味
Obsoletes RFCxx RFCxxを無効にしてこのRFCを発行した状態
Obsoleted by RFCxx このRFCがRFCxxよって無効とされてた状態
Updates RFCxx RFCxxに追加、更新してこのRFCを発行した状態
Updated by RFCxx RFCxxの追加、更新としてこのRFCを発行した状態

重要なことは、どのRFCが最新であり、どのRFCが無効であるか、さらにRFCのどの部分の情報の更新があるかを把握することです。
「Obsolete」と「Update」では使い方が違い、「Obsoluted by RFCxx」は、このRFCは無効になっている状態ですので、RFCxxのみを参照すればよいです。
しかしながら「Updated by RFCxx」となっている場合、このRFCの内容の一部がRFCxxによって更新されているため、両方のRFCを参照する必要があります。
古いプロトコルは、ObsoluteとUpdateでかなり多くのRFCが関連してくる場合がありますので注意が必要です。

RFCのヘッダとボイラーテンプレート

このRFC7841は、RFCのヘッダとボイラーテンプレートについての情報的な内容となっています。
前回も記載しましたが、RFCは「インターネット標準を決めるもの」だけではなく、標準化に関連する様々な決め事についても記載されています。以下のURLは、RFC内に記述がありますが、RFCのヘッダ情報がよくまとまっています。興味がある方は、RFCとともに読んでみてはいかがでしょうか。

RFC7841 Streams, Headers, and Boilerplates(別ウィンドウ・外部リンク)

IAB RFC Headers and Boilerplate(別ウィンドウ・外部リンク)

あとがき

2回にわたりRFCの「読み方」について解説しました。今後も実際に読んだRFCのご紹介など、RFC関連記事を掲載していきますのでお楽しみに。

とりあげてほしいRFCがありましたら、SYNESIS エンジニアノート お問い合わせページよりご連絡をください。