東陽テクニカ、岐阜大学と共同研究を開始 | AGMを活用した歯髄細胞の3次元培養によってエクソソームの大量培養へ

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2025年3月31日
株式会社東陽テクニカ

東陽テクニカ、岐阜大学と共同研究を開始
AGMTMを活用した歯髄細胞の3次元培養によってエクソソームの大量培養へ

株式会社東陽テクニカ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:高野 俊也(こうの としや)、以下 東陽テクニカ)は、このたび、国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学(本部:岐阜市、学長:吉田 和弘、以下 岐阜大学) 大学院医学系研究科 手塚 建一准教授と、歯髄細胞と細胞カプセル化試薬「AGMTM」を用いたカプセル化培養法の研究※1において、共同研究を開始しました。

概要

歯髄細胞※2を培養する際、培養液(培養上清)中にはエクソソームが放出されます。このエクソソームは、高い再生能力や低い免疫原性などにより、骨再生や歯周病予防などへの応用が期待されています。例えば、歯周病モデル動物においては炎症を抑え、病的な骨吸収を抑制する効果が確認されています。また、エクソソームは組織修復や再生を促進する働きを持ち、安全性も高いため、口腔内以外でも再生医療や抗炎症治療などにおいて有効な治療手段と考えられています。一方で、歯髄細胞からのエクソソームの効率的な抽出と純度の向上、応用に向けた大量培養や品質管理といった課題も残されています。

岐阜大学では、再生機能医学分野と口腔病態学分野が協力して発足した「岐阜大学しずい細胞プロジェクト」を通じて歯髄細胞の研究を進めています。本研究はその一環で、東陽テクニカと共同で研究します。

東陽テクニカは、自社製の細胞カプセル化試薬「AGMTM」を岐阜大学に提供し、大量培養の実現に向けた技術支援を行います。「AGMTM」は生体内に近い状態である3次元での細胞培養を可能にします。カプセル化によって細胞を浮遊状態で培養できる可能性と、これにより、体積あたりの培養量が増加し、培養液中に放出されるエクソソームの純度と濃度の向上が期待されています。本研究を通し大量培養条件の最適化を目指します※3

※1 正式研究名称は「HLAハプロタイプホモ歯髄細胞とAGMを用いたカプセル化培養法の研究」。
※2 歯の内部にある柔らかい組織(歯髄)に存在する細胞。
※3 顕微鏡観察を用いた細胞生存率や遺伝子発現プロファイルの評価によって、「AGMTM」内部での歯髄細胞の3次元培養および大量培養の可能性について検討する。大量培養条件の最適化においてはブロックチェーンを使った製造工程管理を使用する。

AGMTM概要と特長

国立研究開発法人理化学研究所(以下 理研)の特許技術(特許第7018685号)を基に、東陽テクニカが動物細胞の3次元培養向けに開発、2024年4月から販売しています。通常の2次元培養装置(CO2インキュベータ)のディッシュ内において、3次元培養を実現します。本製品で、カプセル作製から細胞封入まで実施可能です。

AGMTMイメージ

  • ディッシュ培養(2次元細胞培養)環境下で課題となってきた細胞変性を抑制
  • 生体内を模倣した3次元環境を維持できる
  • 多孔性膜から成るカプセルなので培地交換・ガス交換を迅速に行える
  • スフェロイド※4、オルガノイド※5の形成やスフェロイドの生存率の向上
  • バイオリアクター内での攪拌(かくはん)で起こるせん断力からの保護機構
  • 複数細胞の共培養※6カプセルとして利用可能

各写真右下が実際のAGMTMカプセル内の映像

右図は、実際にヒト乳がん細胞由来のMCF-7をAGMTMのカプセル内で培養してスフェロイド化した様子で、12日間で順調に培養ができています。このカプセルには多孔性のアガロースゲルのシェルで数十~数百nm(ナノメートル)の細孔が開いており、封入後もガスや培地成分の交換が容易に行えます。

製品紹介ページ:https://www.toyo.co.jp/agm/

※4 単一細胞同士が集合・凝集した細胞塊で球状(立体構造)形成されたもの。生体内に近い細胞本来の特性・機能を示すとされる。
※5 幹細胞や生体由来の微細な組織片を用い、自己複製能(分化能)を利用し、3次元培養により臓器の一部を再現した3次元構造体の総称で臓器・組織を模倣できるミニ臓器とも呼ばれている。疾患研究で有用な前臨床モデルとして確立されつつある。
※6 複数種類の細胞を同一環境で培養すること。

★ 本件に関するお問い合わせ先 ★

株式会社東陽テクニカ 経営企画部 広報・マーケティンググループ
TEL:03-3279-0771(代表)
E-mail:marketing_pr@toyo.co.jp

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