技術資料
露点計測について
1. はじめに
燃料電池の発電評価では、セルの加湿条件の管理が極めて重要であり、供給ガスの加湿水分量が発電効率やセルの耐久性に大きな影響を及ぼします。適切な加湿が行われない場合、膜の乾燥や過剰な水分によるフラッディングが発生し、セル性能の低下を招く可能性があります。燃料電池の発電評価においては、セルの加湿状態を定量的に把握・制御することが重要です。その代表的な指標として用いられるのが「露点」です。
2. 露点とは
露点とは、そのガスに含まれる水分が飽和し、結露が始まる温度のことを指します。温度と湿度の関係は、飽和水蒸気曲線によって定義されており、ガスの露点を適切に制御することで、燃料電池内の水管理を最適化できます。特に、高効率な発電を維持するためには、供給ガスの湿度を一定範囲に保つことが不可欠です。
3. 露点計測
露点は専用の「露点計」を用いて測定します。露点計には、以下の2つの測定方式があります。
• 鏡面冷却式
ペルチェ素子で鏡面センサーの温度を調整し、水滴が付着したときの鏡面温度から露点を求めます。
• 静電容量式
センサー表面に吸着した水分量とセンサー温度の関係から露点を算出します。
4. 露点計使用時の注意点
当社の燃料電池評価装置では、配管内ガスの露点をインラインで測定できるオプションを搭載可能です。ただし、露点計の使用には以下の注意点があります。
1. センサーの加温
・結露が発生している状態では、正確な測定ができません。
・加湿ガスを流す前に、センサー温度を目標露点温度(加湿器温度)より高めに設定しておく必要があります。
2. センサー温度の設定
・鏡面冷却式では、ペルチェ素子の冷却能力に適した温度差を確保することが重要です。
・静電容量式では、相対湿度が40~60%となるようにセンサー温度を調整することで、安定した測定が可能です。
3. ガス流路の加温
・センサーまでの配管や継手部でも結露が生じないよう、十分な加温・保温が必要です。
4. センサー保護
・結露したまま放置すると故障の原因となります。
・測定後は乾燥ガスを流し、センサーを十分に乾燥させます。
5. まとめ
露点計測はガスの加湿状態を評価する上で欠かせない要素ですが、安定した測定にはセンサーや流路の温度管理が不可欠です。適切な加温・保温と、使用後の乾燥処理を徹底することで、信頼性の高い露点データを取得できます。
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