技術資料

荷重(kg)を圧力(Pa)に変換する方法

1. はじめに

荷重を圧力に変換する際、計算方法が曖昧になることや単位設定の不備によって、誤った結果を導く可能性があります。本稿では、このような問題を防ぐために必要な基本的な考え方と計算手順を整理し、正確な変換の実施に役立つ情報を解説します。

※荷重が面積全体に均等に分布することを前提としています。荷重の重心が偏るなど、均等に分布しない場合は、応力解析やモーメントの計算などが必要となります。

2. 荷重と圧力の関係式

荷重W(kg)と圧力P(Pa)の関係については、圧力=力÷面積 という基本式で表せます。

ここで、各シンボルの意味は以下の通りです。

●  W:荷重(kg)

●  P:圧力(Pa=N ⁄ m2

●  F:力(N) = 荷重(kg)× 重力加速度(約9.81 m ⁄ s2

●  A:面積(m2

3. 計算手順

以下の計算手順で荷重を圧力に変換することができます。


1. 荷重W(kg)を力F(N)に変換する。

F(N)≌ W(kg)×9.81(m/s2

2. 手順1で得られた力F(N)を面積A(m2)で割り、圧力P(Pa)を求める。

P(Pa)= F(N)/A(m2



例:100kgの荷重Wを10cm×10cm(=0.01m2)の面積Aに印加した場合の圧力P



 -Tips①-
 大まかな値を求めたい場合は、重力加速度を10に丸めると、計算しやすくなります
 (0.1kg=100g約1Nとして扱います)。


 -Tips②-
 面積Aの単位の変換が面倒な場合は、以下の表1のとおり、圧力Pの数値を調整することで、
 m2に変換せずに計算できます。


表1. 面積の単位と圧力Pの数値の関係


4. 関連製品~荷重に関連する製品~

粉体電気抵抗率/加圧密度測定システム PRCDシリーズ
概要:粉体やペレット状のサンプルを封入し、5~200 MPaの圧力を印加しながら、サンプルの
導電率と厚みを評価できます。加圧密閉サンプルホルダとポテンショスタットを組み合わせることで、固体電解質の評価にも活用できます。


Operandoセル膨張解析システム RSSシリーズ
概要:小型の二次電池セル(ラミネートセル:~90×60×5 mm(W×D×H)、コインセル:~φ22 mm)に対し、1~100 kgの荷重を印加しながら、セルの充放電時における膨張・収縮挙動を評価できます。


Operandoセル膨張解析システム SWEシリーズ
概要:大型の角型セルやラミネートセル(~400×300×100 mm(W×D×H))に対し、
20~5000 kgの荷重を印加しながら、セルの充放電時における膨張・収縮挙動を評価できます。

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