imc μ-CANSAS
imc μ-CANSASは、小型で耐環境性に優れたモデルです。-40~125℃の動作温度とIP65防水、そしてMIL-STD-810に対応した耐振・衝撃性は、過酷な環境での利用を可能にします。
例えば自動車のエンジンルームなどに設置し、車室内へ引き込む配線量を大幅に軽減することができます。
特長
imc μ-CANSASは小型・堅牢・幅広い動作温度のため、例えば下図のようにエンジンルーム内に設置することができます。

ラインアップ
imc μ-CANSASシリーズ
小型・軽量・IP65対応パッケージであるimc μ-CANSASは、電圧、熱電対、ひずみゲージのそれぞれのセンサ入力に対応した3種類を販売しております。各モデルの仕様は以下の通りです。
モデル | UCAN/V1(-AS) | UCAN/T1(-AS) | UCAN/B1(-AS) |
---|---|---|---|
入力チャンネル数 | 1 | 1 | 1 |
測定モード | 電圧 | 熱電対(B,E,J,K,N,R,S,T) | DCブリッジ(フル/ハーフ) |
最高サンプリング レート |
2kHz | 100Hz | 2kHz |
周波数帯域 | 840Hz | 20Hz | 840Hz |
AD分解能 | 24bits | 24bits | 24bits |
入力レンジ | ±1V,±500mV,±200mV,±100mV (通常レンジ) ±60V,±20V,±10V,±5V,±2V (デバイダレンジ) |
熱電対に依存 | ±0.5mV/V~±200mV/V |
センサ駆動電源 | 5V/10V | - | 5V |
絶縁性能 | 60V(長時間)、500V(10秒間) | ||
過電圧保護 | 40V(長時間)/100V(1秒間)(通常レンジ) 100V(デバイダレンジ) |
40V(長時間)/100V(1秒間) | |
入力タイプ | DC、差動 | フルブリッジ/ハーフブリッジ | |
入力インピーダンス | 5MΩ(通常レンジ) 900kΩ(デバイダレンジ) |
5MΩ | 5MΩ |
ゲイン誤差 | レンジの<0.05% | <±0.6K | 読み値の<0.1% |
冷接点補償誤差 | - | <±0.3K | - |
オフセット誤差 | レンジの<0.01% | - | レンジの<0.002% |
動作電源 | 9~50V DC | ||
消費電力 | 1W(通常時)/1.5W(最大) | ||
動作温度範囲 | -40~+120℃ | ||
寸法 | 40×20×60mm | ||
重量 | 80g |
アプリケーション
imc CANSAS による計測アプリケーション
imc CANSAS モジュールを使った試験計測アプリケーションは、自動車開発現場、各種監視計測分野などで設備投資上の様々なコスト削減/試 験時間短縮などの効果を実現するために役立ちます。
配線量および配線工数の削減
近年、各産業における計測要求は日増しに高まっており、計測チャンネル数という観点においても、より多くのチャンネルを計測する要求が発生しています。 しかし、数十から数百チャンネルのアナログ配線を行う場合、そ の配線量や配線工数は膨大になります。
ノイズ軽減
アナログ式センサの出力は数mV、あるいはそれ以下の場合もあ ります。このように非常に小さな電気信号をアンプまで配線する場合、ノイズの影響を受け、センサ信号がノイズに埋もれてしまうことがあります。
そのため、センサアンプはできる限りセンサの近くに設置することが望ましいと考えられます。
しかし、センサアンプから出力される数V 程度の信号も、決してノイズに強いわけではありません。また、センサアンプをセンサ近傍に設置することが困難な場合や、近年主流となっているアンプ内蔵型(一体型)データロガーを使用することで、センサアンプのみをセンサ近傍に設置することができない場合もあります。
小型・軽量でセンサアンプを内蔵したimc CANSAS は、センサで近傍AD 変換することが可能です。AD 変換後の信号はデジタル信号「CAN」としてデータ収録システムまで配線されるため、ノイズの影響を受けにくい計測環境を実現することが可能です。
分散型計測システムの構築
多くの計測点が広域に渡って分散されている場合、アナログ信号配線では、前述のように配線量およびその工数、そしてノイズの問題が生じます。このような環境では、imc CANSAS を計測点の近くに分散設置し、 imc CANSAS 間をCAN バスで接続することで、スマートな計測システムを構築することができます。
CAN バス付き各種収録器/解析装置/コントローラーへの入力
近年、CAN バスインターフェース付きのデータ収録システムは 数多く存在し、あらゆる産業で広く使われています。これらの収録システムにimc CANSAS を接続して、計測チャンネル数を追加することが可能です。また、CAN バスアナライザや、自動車用統合制御開発などで利用されるラピッドプロトタイピングコントローラなどへの信号入力の追加にimc CANSAS をご利用いただけます。
自動車の実車両試験
実車両試験において、計測信号配線の取り回しは工数を削減した項目の1 つです。例えば、エンジンルーム内の温度を数十点計測する場合、車室内に設置された収録装置まで数十本の熱電対を配線しなければならず、その作業には多くの時間を費やします。120℃での動作を保証しているimc μCANSAS シリーズならば、エンジンルーム内に設置することができるため、エンジンルームから数十点、あるいは数百点のデータを1本のCAN バスラインで車 室内の収録装置に配線することができます。
エンジンルームに限らず、車両の各点を測定する際、imc CANSAS を測定点の近くに分散設置することで配線量と配線工数を削減することができます。
また、試験車両は複数の部門で共有されることがありますが、 予め各部門が必要とするセンサをimc CANSAS に接続し、計測用の CAN バスラインを車両に敷設しておくことで、各部門でのセットアップ工数を削減することができます。上述のように車両内にimc CANSAS を設置した状態で、環境試験ベ ンチや風洞試験ベンチに投入することで、ベンチ内でのセットアップ時間を削減し、走行試験からベンチ試験への移行が短時間で行えます。


自動車のベンチ試験
近年、テストベ ンチ試験設備の高度化により、効率的に試験が行 えるようになってきています。しかし、センサの配線を含む計測部のセットアップ作業は、人の手による作業が大半を占めており、多大な工数がかかっています。従来、このような作業はベンチ内で行われていましたが、これはベンチの稼働率を低下させる要因 となります。
imc CANSAS を試験設備の計測フロントエンドとして利用した場合、ベンチの外でセットアップ作業を行うことができるため、ベンチ 内での作業を大幅に軽減し、ベンチの稼働率を向上させることができます。
また、計測チャンネルをモジュール単位で構成できるimc CANSAS は自由度が高く、且つ複数のベンチ間で共有することでモジュールを有効活用することができます。
境試験ベンチでimc CANSAS をご利用いただく場合、μCANSAS シリーズが有効になります。
imc μ-CANSAS シリーズは温度-40 ~120℃、高度20,000m
相当の環境で動作するため、高温/低温環境試験や、高地(低気圧)環境 試験を行う際、ベンチ内にimc CANSAS を設置することができます。
モジュール単位で共有できるimc CANSAS は、ベンチ間での共有だけでなく、実車試験との共有もできます。
実車試験とベンチ試験で同じフロントエンドを使用することで、 同じ精度で計測することができます。