Toshiya Kohno

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Toshiya Kohno

東陽テクニカとSDGs

“はかる”技術の追求が
持続可能な未来を創る

代表取締役社長 高野 俊也

企業理念<“はかる”技術で未来を創る>に込めた思いとは

高野

東陽テクニカは、“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、豊かな社会、人と地球に優しい環境づくりに貢献するため、最先端の計測ソリューションを産業界に提供し続けてきました。その事業分野は情報通信、自動車、環境エネルギー、EMC、海洋調査、ソフトウエア開発、ライフサイエンス、情報セキュリティなど多岐にわたります。
“はかる”ことは、新しいモノ・コトを創り出すために必要不可欠な技術です。
例えば、電気自動車(EV)を普及させるために求められている充電インフラ拡充に向けたEV充電シミュレーションや、二次電池の開発で必要な性能評価において、当社のソリューションが使われています。5G 高速通信とそれを利用したサービスの実現においては、通信の品質評価や無線基地局の性能評価にソリューションを提供しています。自動運転車が安全に走行するためには他の車両や人を検知・認識する必要がありますが、検知のための最新センサーやアルゴリズムの評価にも当社の技術が使われています。他にも、海洋調査のための先端機器、医療における画像診断技術、宇宙探査機の追跡・管制に使用する機器など、さまざまな分野で最先端の研究開発や実用化に当社の計測ソリューションが使われています。
こうした産業界の発展を支え続けるため、最先端の計測技術を世界に求めると同時に、自社製品・ソリューションの開発やカスタマイズにも力を注ぎ、多様な業界や研究機関との共同研究にも数多く取り組んでいます。私たちが提供する技術が、誰もが安心して暮らすことができる未来を拓く技術革新につながっている。その誇りを胸に、“はかる”技術のプロフェッショナルとして価値を提供し続けていこう、企業理念にはそんな思いを込めています。

東陽テクニカの“はかる”技術は、持続可能な未来にどのように貢献していくのでしょう

高野

東陽テクニカの事業そのものが持続可能な未来創りに貢献していくと確信しています。 今、持続可能な社会の実現に向けて、あらゆる産業が技術革新に取り組んでいます。その技術革新を最先端の“はかる”技術で支える当社の事業は、持続可能な未来を実現する科学技術の発展と直結しているのです。多様な産業分野にソリューションを提供してきたことも大きな強みとなっています。単体の技術提供にとどまるのではなく、さまざまな産業分野で培ってきた技術やノウハウを組み合わせて、当社ならではのトータルソリューションとして提供することで、既存の概念にとらわれない新たな技術革新の実現に貢献できると自負しています。

さらには、SDGs(持続可能な開発目標)に基づいた分野に積極的に事業投資をしていこうと考えており、よりダイレクトに環境保全に結びつく新事業なども検討しています。近年、電気自動車の本格実用化に向けて、現在主力のリチウムイオン電池に代わる全固体電池の実用化に期待が高まっています。これら各種二次電池の性能評価には当社のソリューションが使われており、例えばこの先、性能評価にとどまらず、開発・製造・再利用まで一貫して当社で事業化できれば、SDGsにより貢献できる事業になるのではないかと思っています。

SDGsへの取り組みでは、ビジョンや考え方を検討し推進するチームができたと伺いました

高野

方針策定のために全事業部から部門長を集めた推進チームをつくり、ワークショップを半年にわたり何度も実施しました。ワークショップでは、まず自分たちの事業を紐解くことから始め、社会課題やニーズとの紐付けを行って持続可能な未来に向けて私たちが何をすべきなのかを議論してきました。前述したように、私たちの事業そのものが持続可能な未来創りに直結していると確信していますが、SDGs経営目標の策定は、社員一人ひとりが自分たちの使命を改めて認識し、さらなる挑戦意欲を掻き立てる良い機会になったと思います。

また、私たちの企業理念「“はかる”技術で未来を創る」「テクノロジーインターフェース」「企業価値の向上」を改めて見つめ直したとき、この企業理念そのものがSDGs達成を支える技術革新であるとの気づきを得ました。この企業理念を社員一丸となって実践することでサステナブルな未来創りに貢献し、企業価値の持続的な向上に取り組んでまいります。
当社としてのSDGsに対するビジョンや考え方は、改めて11月にお知らせする予定で進行しています。

社長が描く東陽テクニカの未来像は

高野

持続可能な社会の実現に向けて、引き続きあらゆる産業分野に最先端の計測ソリューションを提供してまいりますが、より多様な社会課題の解決に貢献できるよう大学や専門研究機関との連携をさらに進め、さまざまなパートナーとともに技術革新に取り組んでまいります。
当社の最大の財産は人財です。社員の優れた技術力と発想で新たな価値を創造し続けることが、当社の企業価値そのものです。社員の挑戦を後押しする環境づくりとして、研究開発費の増額や海外市場の拡大など、社員教育や働き方改革にも一層注力していきます。
当社の企業価値を、より多くの方に知っていただくことも重要なテーマの一つです。私たちが提供するソリューションは、実は皆さまのすぐそばで、安心で快適な暮らしを支えていますが、いわば縁の下の力持ちという存在であり一般消費者の方の目に触れることはほとんどありません。私たちが提供する価値をより多くの方に知っていただき、さらなる成長ステージを目指します。

これからも、持続可能な未来を創る“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、社会課題の解決につながる新たな価値創造を目指し、社員一丸となって挑戦を続けてまいります。

※本インタビューは2021年8月6日に実施したものです。