モータートルク測定装置Magtrol
ヒステリシスブレーキダイナモメータHDシリーズに関するFAQ
Q出荷時にどのような書類が添付されますか?
下記の書類・メディアが添付されます。
- 日本語マニュアル(印刷物)
- 英文マニュアル(CD-ROM)
- Certificate of Calibration : アメリカのMagtrol Inc.社で発行された出荷前の校正証明書です。校正に用いた機器について校正機関に紐付けされた番号が記載されています。
※ 日本国内で一般的な校正書類3点セット(証明書・成績書・トレーサビリティ)は添付されません。出荷時に校正書類3点セットが必要な場合は、弊社にて再校正を行います。この場合、費用は追加で¥80,000- です。
Q校正書類3点セット(証明書・成績書・トレーサビリティ)がほしいのですが
国内(東陽テクニカ)での校正が可能です。費用は\80,000- 納期は約2週間です。日本国内で一般的な校正書類3点セット(証明書・成績書・トレーサビリティ)を添付します。
出荷時に校正書類3点セットが必要な場合にも、弊社にて再校正を行います。この場合、費用は追加で¥80,000- です。
Q自社で校正はできますか?
可能です。
ダイナモメータ本体に添付された校正ビームと、別途ご購入いただいたコントローラDSP6001 または DSP7001 をご用意ください。また、錘は別途ご用意頂く必要があります。
校正に使用する錘は、以下の表を参考に選択してください。
モデル | 校正ビーム | フルスケール | ピン位置(cm) | 錘 |
---|---|---|---|---|
HD-106 | CB-106 | 18.00 mNm | 9.18 | 20 g |
HD-100 | CB-100 | 80.0 mNm | 8.16 | 100 g |
HD-400 | CB-400 | 280 mNm | 14.28 | 200 g |
HD-500 | CB-500 | 850 mNm | 17.34 | 500 g |
HD-510 | CB-500 | 850 mNm | 17.34 | 500 g |
HD-505 | CB-500 | 1700 mNm | 17.34 | 1.0 kg |
HD-515 | CB-500 | 1700 mNm | 17.34 | 1.0 kg |
HD-700 | CB-700 | 3.10 Nm | 31.61 | 1.0 kg |
HD-710 | CB-700 | 3.25 Nm | 31.61 | 1.0 kg |
HD-705 | CB-700 | 6.20 Nm | 31.61 | 2.0 kg |
HD-715 | CB-700 | 6.50 Nm | 31.61 | 2.0 kg |
HD-800 | CB-800 | 14.00 Nm | 47.59 | 3.0 kg |
HD-810 | CB-800 | 14.00 Nm | 47.59 | 3.0 kg |
HD-805 | CB-800 | 28.0 Nm | 47.59 | 6.0 kg |
HD-815 | CB-800 | 28.0 Nm | 47.59 | 6.0 kg |
HD-825 | CB-825 | 56.5 Nm | 38.41 | 15.0 kg |
校正手順:
1.コントローラの電源を入れてから20分以上はヒートランをしてください。装置の温度が室温よりも低い場合は、さらに長くヒートランをしてください。
2.回転軸に校正ビームを固定します。
3.校正ビームを水平に保ちながら、コントローラのブレーキ電流値を増加させて100% にします。
4.ダイナモメータの「ZERO」つまみを回して、コントローラのトルク値がゼロになるよう調整します。
5.校正ビームのCW側の cm のピンに錘をぶら下げ、校正ビームを水平にします。
6.ダイナモメータの「CW」つまみを回して、コントローラのトルク値が 、現在ダイナモメータに加わっているトルク値になるように調整してください。トルク値は以下のように計算できます。
例) HD-106、錘が20gで、ピン位置が9.18cmの場合
9.18 (cm) x 20 (g) x 9.81(kg m/s^2) = 18.0 mNm
※ フルスケールの0.5%以内であれば調整の必要はありません。
7.同様に、校正ビームのCCW側の cm のピンに錘をぶら下げ、校正ビームを水平にします。
8.ダイナモメータの「CCW」つまみを回して、コントローラのトルク値が現在ダイナモメータに加わっているトルク値になるように調整します。
9.錘を外します。
10.ヒステリシスブレーキの残留磁化が発生しているため、これを除去します。
校正ビームを上下に動かしながら、徐々にブレーキ電流値を減らしていきます。
以上で校正は完了です。
QCAD図面はありますか?
下記のサイトに図面があります。
https://www.magtrol.com/product/hysteresis-dynamometers-hd-series/
(specifications-and-drawingsのタブ内)
掲載された図面以外のものが必要な場合は弊社へお問い合わせください。
Qロングベースにネジ穴を空けられますか?
Magtrol Inc. 社からの出荷前の追加工が可能です。お見積り金額が変わりますので、ご注文の前に弊社へお問い合わせください。
Q軸がガタガタ回る(コギング)はなぜ起こるのでしょうか?
ヒステリシスブレーキは、軸が回っていない状態のまま印加されている電流を下げると(磁束を減らすと)、ロータに加わっていた磁化状態が残ってしまいます。するとロータに残った磁極がステータのケースとポールの間に留まろうとします。この状態をコギングと呼んでいます。
この状態でブレーキの軸を回転させると、ガタガタと回ってしまい、トルク計測等の試験に影響を及ぼします。
Qコギングの抜き方を教えてください。
除去の手順:
- ブレーキのシャフトにモータが接続されている場合は取り外します。
- ブレーキ電源のスイッチを入れます。
- ブレーキのシャフトを回しながら、徐々にブレーキ電流を上げていき、軸がガタガタせずスムーズに回るところまで電流を上げます。
- 軸がスムーズに回ったら、軸を回し続けながら、電流を徐々に下げて0にします。
- 軸がガタガタせず、スムーズに回っていることを確認して、ブレーキ電源のスイッチを切ります。
Q購入したばかりで動作確認をしてもトルクが出ないのですが。
輸送中にロードセル固定して保護するためのシッピングボルトを外してください。
取り外したシッピングボルトは大切に保管し、ダイナモメータを移動する際には再度シッピングボルトを取り付けてください。
HD-100、HD-400、HD-500シリーズ:
裏面にシッピングボルトがあります。ボルトの頭に赤い印がつけられています。マイナスドライバーをご使用ください。
HD-700シリーズ:
以下の図の位置にシッピングボルトがあります。3/16”の六角レンチをご使用ください。
HD-800シリーズ:
HD-800の場合、シッピングボルトはありません。
Qブロワの騒音レベルはどのくらいですか?
BL-001 は1m距離で約80dB、BL-001は約85dB です。
ブロワを使用するモデル:
・HD-710, 715, 810 : BL-001が1台
・HD-815 : BL-002が1台
・HD-825 : BL-002が2台
Qブレーキに電流を流していなくてもトルクが出るのはなぜですか?
ブレーキの軸受けの摩擦などにより発生するドラッグトルク(オフセットトルク)です。
下記のダイナモメータカタログ3ページ目に、1000rpm時のドラッグトルク値があります。
https://www.toyo.co.jp/files/user/img/product/mecha/pdf/Dynamometer_1.pdf
回転数が高くなるとドラッグトルクは大きくなります。最大回転数でのドラッグトルクは、1000rpm時に比べて3倍から5倍程度の大きさになります。
QCW / CCW / Zero 調整つまみを回しても、振り切れて調整範囲に入りません。
下記の原因が考えられます。
ダイナモメータの調査と調整が必要ですので、弊社へお問い合わせください。
- 調整つまみのポテンショメータの故障
- ロードセルアンプの故障
- ロードセルの物理的な位置のずれ
- コントローラ/表示器の故障や設定のズレ
Qカタログ記載の最大電力(5分以内、連続)とは何ですか?
ヒステリシスブレーキは、下記の式に従って発生したトルクと回転数に比例した発熱をします。
「最大電力[W]」とは、ブレーキが壊れない範囲での使用可能な発熱量のことで、コイルやベアリングの上限温度100℃から算出しています。
「5分以内」とは、ブレーキが内部まで十分に冷めた状態(20℃程度)から5分以内で使用可能な範囲です。
「連続」とは4時間以内で連続使用できる範囲です。
Q製品型番の「-5N」、「-7N」、「-8N」はどのような意味ですか?
ダイナモメータのトルク信号出力の単位を表します。
「-8N」は「N・m単位」の電圧、「-7N」は「kg・cm単位」の電圧出力の意味です。
また、「-5N」はフルスケールが5Vになるよう調整した電圧出力です。
Qもっと高い最高回転数のモデルはありませんか?
特注モデルで対応可能な場合があります。
例:HD-400 (標準 25,000rpm) ⇒ 特注 40,000rpm
HD-715 (標準 25,000rpm) ⇒ 特注 35,000rpm
詳細は弊社へお問い合わせください。
Qレンタルや受託試験を行っていますか?
レンタルや受託試験は行っていません。ご購入の検討のためのデモ機貸出しのみ行っています。
Qシャフト径がインチ系のようですが・・
米国製の為、インチ規格です。カップリングの御発注の際は、ご注意ください。
Qインチ径のカップリングはどのように入手すればよいですか?
日本国内のカップリングメーカにてインチ径の加工が可能です。
Qどのようなカップリングを使ったらよいですか?
偏芯と偏角を許容できるダブルディスクタイプのカップリングを使用してください。
Qカップリング仕様の許容値内で調整すればよいですか?
一般的に、カップリングの仕様はカップリングが壊れない範囲の値のため、装置全体の試験仕様に応じて適切な値かどうかは考慮されていません。
弊社では、軸合わせ治具(https://www.toyo.co.jp/mecha/products/detail/tcpa.html)を用いて、偏芯を測定して調整することを推奨します。
調整の目安は、
・1,000rpm 以下 → 50μm以内
・10,000rpm 以下 → 20μm以内
・10,000rpm 以上 → 10μm以内
となります。
QHDシリーズの製造国はどこですか?
米国 Magtrol Inc.社で製造されております。