FAQ

OROS社 OR3x

グラフ

ID.x164

Q. デシベル(dB)表示した場合に値がおかしい


加速度信号を入力し、FFTで解析を行いました。そのときに出力された値を確認すると期待した値と大きく異なります。

尚、リニアで表示すると正しい値を表示します。

A.


デシベルとは絶対値でなく、ある基準に対して対数演算した相対値です。

dB値 = 20log10(測定値/基準振動加速度)
リニアでは正しく表示され、デシベルで期待した値と異なることから考えると、この基準値が異なっていることが考えられます。

参考
振動の場合,dBの基準は共通としては使用されていません。

日本では基準振動加速度を 1x10-5[m/s^2] としていますが、国際規格(ISO)では,この基準振動加速度を 1x10-6[m/s^2] としています。

このため、同じ加速度を測定しても,日本の計測器とISOでは20dB異なる数値となります。

1966年にISOで振動評価が提案されたときの基準振動加速度値は当初 1x10-5[m/s^2] でした。1974年の国際規格では、基準振動加速度として 1x10-5[m/s^2] を推奨していました。この提案を日本は振動レベル計に取り入れました。

しかし、1985年発行の国際規格では、基準振動加速度として 1x10-6[m/s^2] を推奨しています。

現在、デシベルはあまり使用されず、m/s^2が主に利用されています。
尚、dBを使用する場合には基準振動加速度として 1x10-6[m/s^2] を使用しています。

NVGateはISO規格に準じて、基準振動加速度として 1x10-6[m/s^2] を使用しています。従来の計測器が基準振動加速度として 1x10-5[m/s^2] を使用していた場合、20dBの差が生じます。

また、人が感じる最小の振動の振動加速度は 1x10-2[m/s2]であることと従来の基準振動加速度 1x10-5[m/s^2] を使用して、60dBを振動の基準にしているユーザ様をいらっしゃるようです。
この場合、60dBの差が生じます。

ISO規格を使用せずに従来の基準値を利用したい場合には以下の手順に従ってください。

  • ユーザ設定ダイアログを表示します。
    (V7以降) ホームタブ>ユーザ設定>一般を選択してください。
    (V6以前) メニュー"ユーザ/ユーザ設定"を選択してください。
  • 物理量タブを選択してください。
  • 左側のリストから"加速度"を選択します。

  • 基準値を変更するためには、右の単位グループで"m/sec^2"がチェックされていることを確認して、"新規"ボタンをクリックしてください。ダイアログが表示されます。
  • デフォルトと区別するために"名前"を変更してください。そして、"0dBリファレンス"を従来の単位に変更します。

  • OKボタンを押してダイアログを閉じてください。以下のように新しい基準値を持った単位が生成されます。

  • "OK"ボタンを押して、ダイアログを閉じてください。以上で従来の単位で表示されます。

結果の確認
正しく変更されたかどうか確認してみましょう!
解析結果をdBで表示させてください。

下図は1Vの正弦波を入力した結果です。トレースウィンドウを開くとカーソル値が表示されますが、デシベル表示した場合には基準振動加速度が一緒に表示されます。

下図では10ums^2と表示されているので従来の単位に変更できたことが確認できます。

参考にデフォルトのISO規格値で表示した場合には以下となります。


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