放電時定数のまとめ

電荷出力型(PE)加速度計の新規ユーザの多くは、ゼロバイアス応答の概念に強い関心を示します。一般的に低速、静的タイプの測定を行っているのか、それとも振動試験/測定の分野で「機械指向」の人々が多いのかははっきりとしませんが、AC結合動作は常に関心を引きます。AC結合、放電時定数(DTC)およびシステム動作の議論を以下に続けます。

マイクロ電界効果トランジスタ(FET)は、PE結晶からの高インピーダンス信号が一般的なデータ収録装置への入力のために低インピーダンス(通常100Ω未満)の信号に変換される、基本的なメカニズムです。FETは定電流ダイオードを介して、DC励起電圧を供給されます。この励起電圧が電子回路に電力を供給し、正および負の両方に振幅するように、加速度計のAC信号が乗るDCバイアス電圧を供給します。

Input Measurand (signal):入力測定量(信号)
Output Signal:出力信号
Output signal:出力信号
Voltage:電圧
Time:時間
Linear Range:線形範囲
Nonlinear Portion:非線形範囲


信号調整をする前に、ブロッキングコンデンサを使ってバイアス電圧を取り除きます。ブロッキングコンデンサとアースに接続された抵抗は、ハイパスフィルタとして機能するRCネットワークを形成します。この単2極フィルタのロールオフ特性は、放電時定数(DTC)で表すことができます。 DTCは、振幅が3 dB減衰する周波数を計算するために使用できます。加速度計は通常、基準周波数振幅の5%または10%以内で平坦な振幅応答を提供する低周波数点を定義するなど、低周波数用に指定されています。周波数がDTC周波数に近づくにつれて、周波数応答振幅は急速にロールオフし、基準校正値から外れるため、多くのユーザは低周波校正オプションを使用して加速度計の低周波性能を検証します。校正システムに低周波オプションを追加すると、非常に低い周波数での変位の増加と分解能の向上/基準センサのノイズ低減に関する特別な処理を行うためのハードウェアとソフトウェアが追加されます。定電流信号コンディショナにもDTCがあり、加速度計のDTCよりも十分に長くないと、低周波応答に影響を与える可能性があります。

DTCの変化は、センサ溶接部またはコネクタガラスインサートシールの密閉性が失われた、などの問題を示している可能性があります。単純なフリップテストによるDTCのチェックは、加速度計の健全性を確認する方法としては比較的容易です。フリップテストではセンサを素早く反転させ、2 gのステップ入力(+ 1 gの静的入力から-1 gの静的入力)を加えて、バイアスレベルがゼロに戻る(減衰する)際のセンサ出力をキャプチャします。データへの単純な指数関数的適合により、放電時定数(DTC)の推定値が得られます。これは、通常は数秒以上(一般的に数秒の範囲内)と指定されている、メーカによる当初の校正データまたは前回の校正データと比較できます。