優良なモーダル解析/アレイ用加速度計の条件とは?

加速度計の選定手順を明らかにします

加速度計には、文字通り何千もの異なるモデルがあります。これは、各測定用途によって微小に異なる目的と条件があり、どのセンサ仕様について許容できるかが異なるためです。センサ仕様としては、周波数範囲、振幅(g)範囲、分解能、サイズ感/コネクタ構成、重量、測定環境への対応などがあります。すべての組合せを踏まえて、ユーザはどうすれば技術的にも経済的にも合理的な選択をできるでしょうか?もっとも重要なのは、アプリケーション支援を受けられるかどうかです。あなたの選んだベンダが、電話、電子メールまたはその他要望に迅速に対応できて、十分なサポートが提供されることを確認してください。

モーダル解析用途では、一般的な動作条件は、低加速度信号レベル、低周波数、多チャンネル数、および長いケーブル配線です。モーダル解析用加速度計の選択についての主な考慮事項は、分解能、低周波振幅および位相、小型、特殊または柔軟な取付け、TEDSおよびチャンネルあたりのコスト等です。

まず、低い信号レベルと長いケーブル配線のため、モーダル解析用途にはICP®加速度計が理想的です。低インピーダンス、定電流動作のため、低い信号レベルでも環境ノイズの影響を受けません。したがって、選択されたモーダル解析用加速度計の指定された分解能は、測定チャンネルのノイズフロアを正確に定義します。電荷出力型加速度計のように、長いケーブルによる高インピーダンス信号の問題(ケーブル振動/むち打ち、絶縁抵抗など)によって劣化してしまうケースの推定値ではありません。加速度計の質量と感度は基本的に反比例するため(感度を上げて分解能を向上させるには、加速度計の内部により大きな慣性マスが必要です)、一般的なガイドラインとしては、適度に小さいサイズ(通常5グラム以下)で、最善の分解能(ミリgの数分の1の分解能で100 mV/gの感度)を選択して下さい。これはセンサの質量負荷の影響を最小限に抑えながら、合理的な解像度を実現し、非専門的製造技術の使用/低コストでの製造/1チャンネルあたりの低価格を可能にします。

モーダル解析用加速度計では、位相に特別な注意が必要です。測定システム全体にわたるチャンネル間の位相整合は、測定された周波数応答データベースからの汎用パラメータ推定生成における、モーダル試験にとって非常に重要です。汎用パラメータ推定では、共振周波数に関する周波数応答関数(FRF)データベースの一貫性も重要です。このため、全ての測定点を同時に計測し、それによって試験構造上のセンサの一貫した質量分布を実現することも推奨されます。構造体のあちこちに少数の加速度計を設置するという以前のやり方では、「あちこちに設置」された一連の加速度計の可変質量分布で特定のコンポーネントを取付けたり取り外したりするときに、それらの共振をシフトさせるリスクがあります。これは矛盾するFRFデータベースをもたらし、共振が一貫した汎用の特性であることを必要とするパラメータ推定器にとって問題となります。すべての測定点を測定することのもう一つの利点は、測定設定時間を短縮できることです。基本的に、測定プロセスではデータの「スナップショット」を適時に取得して、他の変化(例えば、温度によって変化する可能性のある粘弾性等)が測定データベース内で一貫していることを確認します。

モーダル試験が多チャンネルアレイ用センサに移行した多くの理由は、すぐに理解できるでしょう。したがって、「モーダル解析/アレイ用」加速度計は、特定の技術的ニーズだけでなく、便利な取付け、多チャンネルケーブル管理、および大量生産による低価格化などの関連ニーズにも対処するために開発されました。直感的には理解しづらいですが、最も重要なのはケーブル管理です。何百ものセンサチャンネルを扱うとき、体系的なモジュラーケーブルシステムと自動チャンネル管理を使うことが非常に重要になります。これに注意しないと、真の付加価値が生み出される実際の測定/解析よりも、計測プロセスのセットアップ、トラブルシューティング、および管理に多くの時間を費やすことになります。IEEE1451.4規格のトランスデューサ電子データシート(TEDS)機能は、自動チャンネル管理の代表的なものです。TEDS機能により、デジタルデータ(センサモデル番号、校正値等)をアナログ加速度計の内部に実際に保存し、試験セットアッププロセスでデータは自動的に読出されます。通常の2線式ICP®信号線に簡単な逆バイアス方式を適用すると、センサがデジタルモードに切替わり、TEDS対応のシグナルコンディショナまたはFFTアナライザとの校正情報の自動通信が可能になります。TEDSとチャンネル管理技術を備えた最新のモーダルアレイを使えば、非常に複雑なモーダル試験(数百チャンネル)のセットアップでさえも1~2日で済みます。貴社の試験構造が何百万ドルものコストまたは設計時間を要する場合(衛星、航空機、自動車など)、これは重要です。

多チャンネルの試験エリアで働いている、または最近加速度計を検討したことがない場合は、モーダル解析/アレイ用加速度計の詳細について、弊社のフィールドアプリケーションエンジニアにお問い合わせください。