INITIAL ENERGY SCIENCE&TECHNOLOGY Co. Ltd.(IEST/ 中国)

電極濡れ性評価システム EWSシリーズ

EWSシリーズでは、浸透速度を測定することで、電極の濡れ性を評価します。浸透速度の測定方式により3 種類のラインアップがあり、電極材料は濡れ性が高い ため、従来の接触角法では測定が難しかった接触角の推定が可能になります。

二次電池製造工程カタログ(別ウィンドウ・外部リンク)

株式会社東陽テクニカ 脱炭素・エネルギー計測部
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特長

高精度なカメラや重量計を採用したシステムで、電極への電解液浸透速度を重さ、ないし距離で定量的に測定します。浸透速度を液面の高さや重量で測定する電池材料の開発と濡れ性メカニズムの研究に活用できるシステムです。

濡れ性評価の意義とこれまでの課題

リチウムイオン電池 (LIB) の製造工程には種々の工程が含まれますが、長時間を要する含侵工程において、工程全体の律速となることがあります。
そのため電極などの濡れ性を評価し最適化することは、生産性の向上に重要な測定です。従来の電解液の濡れ性試験方法には、一般的に接触角測定法、濡れ性時間法が用いられていましたが、電解液は電極表面の合材電極に即座に浸透するため、濡れ性の適正な評価は非常に困難です。

電極濡れ性評価の新手法

従来の試験方法の制限を解決するために、IEST 社は浸透速度法(ルーカス・ウォッシュバーン式)に基づいた3 つの濡れ性評価システムを開発しました。ルーカス・ウォッシュバーン式は、毛細管を通る液体の浸透挙動を記述するモデルで、電解液が電極に浸透する挙動と類似していることから、この方程式を近 似的評価手法として使用することができます。

ルーカス・ウォッシュバーン法

浸透速度法(ルーカス・ウォッシュバーン式)の適用イメージ図

EWS電極濡れ性評価システムラインアップ

EWS1100

キャピラリーに電解液を充填し、電極に接触させ毛細管現象で電解液が染み出した際の液面低下を測定するシステムです。

EWS1100の外装(右)と内装(左)

EWS1100仕様
評価方法 キャピラリーの
液面低下
荷重確度 0~500g
荷重分解能 / 確度 0.01g / ±-0.3%F.S
高さ測定確度 10μm
キャピラリー液量 2μL
電極サイズ 29×29mm

ETS1100

電解液に電極を浸漬させ毛細管現象で電解液面から上昇した際の電解液の重さを計測するシステムです。

ETS1100の外装(右)と内装(左)

ETS1100仕様
評価方法 サンプル重量
測定重量範囲 0~220g
測定重量確度 ±0.1mg
電極サイズ 65×70mm

CHT1000

電解液に直接電極を浸漬させ毛細管現象で電解液面から上昇した 際の電解液の高さを計測するシステムです。

CHT1000の外装(右)と内装(左)

CHT1000仕様
評価方法 サンプル液面
上昇の高さ
測定時間 15min
高さ測定確度 100μm
サンプルサイズ 240×40mm

テクニカルレビュー

異なる電解液・負極による電極濡れ性評価

電解液の含侵速度は電解液の表面張力や粘度や電極のかさ密度などの要因により変化します。電解液含侵速度測定システムEWS1100 は液面高さと時間を 測定する事が可能な装置で、電解液の液面変化速度から簡便に濡れ性を評価可能です。下左図は同一の負極に1M LiPF6 の4 種類の異なる電解液の液面低下 速度を測定した結果です。下右図は同一の電解液を用いた場合の液面低下を経時的に測定した結果です。
両者の場合で材料違いが濡れ性の差であり、簡便な評価ができました。
仮に接触角を求めたい場合は装置のキャピラリー半径は既知なため、液面低下がルーカス・ウォッシュバーン式に従うとすると表面張力と粘度を事前に測定 することで接触角を求めることも可能です。

異なる電解液・負極による電極濡れ性評価

ETS1100 異なる正極を使用した高さ法の浸透曲線

ETS1100 はポールピースを垂直に配置して電解液に浸潤させ、ポールピース内の電解液の浸潤高さを装備された高精度カメラで記録し、電解液の浸透率をリアルタイムで評価することができます。下記の測定結果は、異なる正極を用いた浸透高さ測定の結果を比較しており、さまざまな電極の電解質浸潤の違いも区別できることを示しています。

異なる正極を使用した高さ法の浸透曲線

CHT1000 圧縮密度の異なる電極の重量法の浸透曲線

CHT1000 は対応する天びんの下にサンプルを吊り下げ、電解液に浸潤し電解液の浸透量と浸潤率をリアルタイムで評価することができます。下記の測定結果は、圧縮密度の異なるサンプルA(圧縮密度小)/ サンプルB(圧縮密度大)を比較しており、試料A の液浸K 値は試料B よりも大きく、圧縮密度が大きいほど電解液の液浸が悪くなる傾向を示しています。

圧縮密度の異なる電極の重量法の浸透曲線