低温測定
極低温プローバー全般
ID.
Q. 100mK以下の極低温で実験する際に熱の流入をなるべく避けたいと思いますが、インシュレーターの必要性は冷凍機によって変わるものでしょうか
インシュレーター希釈冷凍機では銅製の熱シールドを巻いていたものを以前使用していましたが、某冷凍機メーカーを使用した際はステンレス製と思われる熱シールドのみでした。100mK以下の極低温で実験する際に熱の流入をなるべく避けたいと思いますが、インシュレーターの必要性は冷あ凍機によって変わるものでしょうか。
A.
(1)ステンレス製の熱シールドについて
極低温でのステンレスの熱伝導率は銅の0.1%しかありません。そういう材料を放射シールドに採用することは稀です。推測ではありますが、某冷凍機メーカーの熱シールドは銅に銀色のメッキをしたものがステンレスのように見えているか、あるいはシールドではない別の目的でステンレスが使用されているのかもしれません。
(2)スーパーインシュレーターの必要性
必要性は熱の流入をどれくらい許容できるかということで決まると思います。いずれの温度領域においても熱シールドおよびスーパーインシュレーターは有効です。ただ磁場強度が時間とともに変化する場合はそれにさらされる金属に渦電流が発生して発熱の原因になることもありますのでご留意ください。
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