技術資料

量子ドットデバイス集積化技術における微分コンダクタンス測定

はじめに

量子ドットデバイスの集積化は次世代量子コンピュータにおける重要な課題とされています。
新たな量子デバイスの研究開発が活発に行われており、昨今ではある量子材料を用いたデバイスで、一基板内に複数のデバイスを形成し、56%のデバイスでクーロンダイヤモンド特性(※1)を観測することに成功したことで、大規模集積化の可能性が実証されました。
(※1 クーロンダイヤモンド特性とは、電子が1つずつ流れていることを示す量子ドットの基本特性で、ソースドレインにかける電圧と外部から印加するゲート電圧を掃引した際に、量子ドットを流れる電流の微分コンダクタンスがゼロとなる領域が​ダイヤモンド形状として現れる特性)

背景

量子デバイスの特性を評価するためには、極低温下(~2.2 K)での量子伝導特性の評価が必要です。 またそれ以外にさまざまな試験が必要となりますが、これまでは複数の試験に1台で対応できる計測器がなく、複数の異なる計測機器を使用し評価を行っていました。

東陽テクニカのご提案

東陽テクニカはLakeShore社製M-81の以下のような特長をご提案しました。

・ゲート印加、ソースドレイン電流の微分コンダクタンス測定​を1台の装置+ソフトで制御を簡略化​
・既存のDC測定に比べてローノイズ​
・上記アプリと別に超伝導サンプルの低抵抗測定テーマがあり​モジュールの付替えで測定可能


活用頂いた試験内容は以下の通りです。

・ソース-ドレイン電圧印加:DCスイープ(0~300mV)+AC重畳​、ロックイン電流測定​
・ゲートバイアスを±40Vでステップ可変して同測定​
・プローバーで温度可変+複数サンプル測定​
・同一基板内サンプルの何割がクーロンダイヤモンドを示すか​、より高温でもクーロンダイヤモンドをキープできるか評価

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株式会社東陽テクニカ 
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