物性評価ソリューションマガジン Vol.16

Lake Shore 社製 振動試料型磁力計ご紹介と2020年度末キャンペーンのご案内

平素は弊社製品をご愛顧いただき誠にありがとうございます。理化学計測部 物性チーム メールマガジン担当です。

今年も早いものであと1ヶ月を切りましたね。毎年、年末が近づいてくると「今年もあっという間だったな~」と思いますが、今年は特に未曽有の感染症で様々な環境は変化し、例年より強く感じています。 「在宅勤務」や「リモートワーク」は無縁だ! と思っていた私も、すっかりこの制度を利用して勤務する日々です。今年は部内総勢約50人近く! で賑わう忘年会も中止せざるを得ない状況であり、少しさみしい年末ではありますが「今が我慢の時!」と思って我慢しようと思います。

1.Lake Shore 社製 振動試料型磁力計 VSM のご紹介

VSM 振動試料型磁力計 8600シリーズ

近年は自動車の電動化の動きが進んでいます。そこに欠かせないのが高効率かつ高出力なモーターですが、モーターを作るためには強い磁石が必要となります。 磁石の性能を簡便に測定する装置として、まずみなさまが思いつくのはガウス/テスラメータやフラックスメータではないでしょうか。ガウス/テスラメータは、磁石などによって作られる磁界の大きさの指標である磁束密度を測定します。この装置により、作られた磁石からどれくらい強い磁場が作られているかを測定することができます。フラックスメータは、磁石などで作られる磁束量を測定します。その値から、磁石の強さを表す磁気モーメントを測定しますが、残念ながらガウス/テスラメータやフラックスメータでは、磁石になる過程や保磁力を測定することができません。

そこで、より詳細に磁石の性能を調べる装置として、今回は振動試料型磁力計(VSM)を紹介いたします。 また最近話題となっている新しい測定手法 FORC 測定についてもお話しさせていただきます

【1】振動試料型磁力計(VSM)とは??

振動試料型磁力計は、Vibrating Sample Magnetometer といわれ VSM の略称で親しまれています。
VSM は、操作が簡便かつ高速測定が可能であることに加え、5.5K~1200K まで温度を変化させ、測定を行うことが可能です。また、低磁場から高磁場まで磁場を印加することも可能で、幅広い磁性材料の測定に使用されています。
VSM では、磁化した試料をロッドに取り付け、直流磁場中にて、一定の振動数で振動させます。磁場を印加させるマグネットの両端には、検出コイルが取り付けられており、コイルを通過する磁力線の変化により、試料の磁気モーメントに比例した信号である、交流の誘導起電力を得ることができます。
磁性材料の評価は、磁場を正負の磁場に掃引させることにより得られるヒステリシスカーブによる解析が主ですが、その測定で得られる結果は、測定対象物の磁気モーメントの平均値となります。そのため、対象物中の磁気相互作用や保磁力の分布に対する情報は得ることができません。
近年では、ナノスケールの磁性材料やナノコンポジット磁石などの研究も盛んになってきており、磁気特性を評価するためには、平均化された特性だけでなく、材料中の構成物質間の相互作用などについての評価も重要な要素となっています。

【2】FORC 測定とは

FORC 測定は、First Order Reversal Curve 測定の略称で、磁性材料中の構成物質間の磁気相互作用や保磁力分布などを解析できる測定手法です。主に、古地磁気学において、岩石中の磁性粒子の解析などに用いられてきました。しかし、最近では、磁性材料の研究分野においても、この手法で材料を評価する研究が行われています。
FORC 測定では、一度測定物を磁場 Hsat にて飽和させたあと、逆磁場Haを印加し、再び磁場 Hsat まで磁場を掃引します。この一連の測定を、磁場 Ha を少しずつ変化させ、ヒステリシスカーブ内を埋めるように細かく行っていきます。
FORC 解析では、ヒステリシスカーブからは得ることのできない情報を得ることができる一方で、多くのデータポイントの測定が必要となっております。
Lake Shore 社の振動試料型磁力計8600型はその優れた設計により、高いシグナル対ノイズ比を実現し、1 ポイントあたりの測定時間の大幅な短縮を可能にしております。
高速かつ高感度な測定は、FORC測定を始めとする、様々な側面からの磁性材料の評価に貢献しています。

【3】Lake Shore 社 振動試料型磁力計 8600 型の特長

  • 最大磁場強度:3.26T
  • 最高感度:15nemu( @10 s/pt)
  • 磁場スイープ速度:10,000 Oe/s
  • データ収集速度:10ms/pt
  • 磁場の設定分解能:1mOe
  • FORC 測定ソフトウェア有

Lake Shore社 振動試料型磁力計860 型は弊社にてデモ機を保有しておりますので、 デモ測定やサンプル測定などにご興味がおありの方はぜひお問い合わせください!

2.年度末キャンペーンのご案内(終了しました)

現在、2021年3月末日までのご発注を条件に、年度末キャンペーンを行っております。
年対象製品は、Lake Shore 社製 磁気・低温製品各種、ホール測定効果装置をはじめ、OECO(旧 F.W.BELL)社製ハンディテスラメータ、11 月号で特集いたしました GMW Asscociates 社製 電磁石、Tabor Electronics 社製 任意波形/シグナルジェネレータ、高電圧アンプ などと大変幅広いラインアップとなっております。
年内最大規模のキャンペーンでございますので、この機会をお見逃しないよう、ご検討ください!

3.「GHz 帯任意波形発生器の量子コンピュータ(Qubit)への適用」オンラインセミナー動画配信開始のご案内

「弊社主催のオンラインセミナーのアーカイブを紹介してほしい!」
というお声を多数いただいておりましたのでオンラインストアにアーカイブを掲載しております。

【ご利用方法】

  1. オンラインストアに会員登録
    https://www.material-store.toyo.co.jp/regist.php
  2. カテゴリ内の「オンラインセミナー動画」をクリック
  3. ご希望のセミナーをカートに入れる
  4. 注文確定
    ※ オンラインストアに記載されている通り単価¥0ですので、費用は一切発生いたしません
    ※ 商品の性質上、納品書や請求書の伝票は発行されません
  5. ご注文をいただき次第、動画URLをお送りいたします
    ※ お送りしたURLを外部へ転送することはお控えください

【掲載オンラインセミナー】

  • 低温測定・制御入門(約 190 分)
  • 強誘電体特性評価 基本原理と測定上の注意点・ノウハウのご紹介(約 50 分)
  • 半導体特性評価 比抵抗/ホール効果の測定ノウハウとホール測定手法のご紹介(約 60 分)
  • ホール素子・ガウス/テスラメータを使用した磁場測定入門(約 60 分)
  • ほか

4.第100回低温工学・超電導学会研究発表会付設展示会出展中のご案内

第 100 回低温工学・超電導学会研究発表会付設展示会に出展しております。
今年は新型コロナウィルス感染症の蔓延による観点から付設展示会は現地(京都大学吉田キャンパス)とバーチャル展示会にて実施されます。
東陽テクニカは現地、バーチャル共に出展いたします。会期中はリアルタイムでのミーティングも可能でございますので、ぜひお声がけください。
みなさまとお会いできるのを楽しみにしております!

  • 2020年12月8日(火)~1 日(木)
  • 会場:国立大学法人京都大学吉田キャンパス もしくは オンライン
  • 主催:公益社団法人 低温工学・超電導学会

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