M81型機能紹介② オートレンジでのロックイン測定 その1

従来の一般的なロックインアンプでは、入力段の増幅ゲインと出力段の測定レンジをそれぞれ手動で設定する必要がありました。測定値の桁が大きく変化するサンプルでは、それらのレンジ設定や調整の難しく、自動測定を困難にしていました。
M81型ロックインアンプ搭載ソースメジャーユニットは、他の機器にはない特徴的なオートレンジ機能を搭載し、測定値が大きく変化するサンプルの自動測定をサポートします。

電圧測定のオートレンジ機能 シームレスなオートレンジ

測定対象電圧が急激に時間変化するような場合、レンジ切り替え中の測定データ飛びが大きいと、その変化の様子をうまく測定ができません。一方で、レンジを固定してしまうと、小さな信号をきちんと測定できなくなってしまいます。

M81型の電圧測定モジュールVM-10は、オートレンジでのレンジ切り替え中の測定データの飛びを最小限に抑える機能を内蔵しています。これにより、例えば抵抗値が短時間で大きく変化するようなサンプルの測定に最適です。

図 1では、可変抵抗器を用いて、抵抗の時間変化をM81とVM-10の組み合わせでロックイン測定するデモンストレーションの結果を示します。数秒間のうちに約1Mohmからほぼ0ohmに変化する抵抗の様子を克明に測定することができています。

可変抵抗器を用いた、抵抗の時間変化測定のデモンストレーション

電流測定のオートレンジ機能 周波数閾値つきオートレンジ

M81型の電流測定モジュールCM-10も、ユニークなオートレンジ機能を備えています。
電流測定では、特に小さい測定レンジにおいて測定周波数帯域が限られており、例えばCM-10の1nAレンジでは、-3dBとなるカットオフ周波数が90Hzとなっています。測定周波数がこのカットオフ周波数に近くなると、測定結果の誤差が大きくなるため、CM-10は、オートレンジ機能において、周波数の閾値を設定できるようになっています。

周波数の閾値は、カットオフ周波数の0~300%の間で設定ができるようになっており、例えばデフォルトの10%に設定すると、9Hzを超える測定周波数では、測定信号振幅が1nA以下となっても1nAレンジには移行せず、より高いカットオフ周波数を持つレンジにとどまります。これにより、測定周波数帯域が足りないレンジが選択されてしまうことを防ぎます。

図 2に、電流測定のオートレンジ機能を利用した例を示します。この例では、有機太陽電池への照射光をモノクロメータで変調し、変調された光電流をM81型とCM-10の組み合わせで測定しています。測定電流の値は、照射光の波長に応じて7桁にわたって変化していますが、CM-10のオートレンジ機能により、すべて自動で測定が可能です。

この測定では、変調周波数は170Hzとなっており、上述の周波数の閾値10%を適用したため、使用可能最低レンジはレンジとしては1µAレンジでした。それでもpAオーダーまで再現性良く測定できています。

有機太陽電池の光電流の波長依存性測定

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