M81型機能紹介④ 1台でDC+ACロックイン測定

 M81型は、ソースメジャーユニット(以下:SMU)とロックインアンプが融合した計測器で、1台でDC測定とAC測定の両方を行うことができます。DCオフセットにAC振幅を重畳するような信号出力も容易に行うことが可能で、そのユニークな設計により得られるメリットを簡単にご紹介します。

 

紹介内容

1)接続そのままにDC測定とロックイン測定を切り替え
2)DCオフセットAC重畳信号を簡単に出力
3)非線形応答を抽出する 微分コンダクタンス(微分抵抗)測定
4)微分コンダクタンス測定の分解能を上げるDC/ACレンジ個別設定機能
 

1)接続そのままにDC測定とロックイン測定を切り替え

 M81型はフロントパネル操作や通信コマンドで、簡単にDC測定/AC測定/ロックイン測定を切り替えることができます。測定器~サンプル間の接続をそのままの状態でDC測定とAC測定を切り替えることができるので、以下のようなメリットが得られます。
・測定の手間が減り、スループットを上げることができます。
・接続変更時に発生する静電気などによるサンプル破損のリスクを抑えられます。
・DC測定とロックイン測定で測定系が異なることによる不確定要素を低減することができます。

 下図は、アプリケーションノート「太陽電池、光検出デバイスの外部量子効率特性の高感度・高速測定におけるDC測定とロックイン測定の切り替えの例になります。
 このアプリケーションでは、光検出デバイスの評価に当たり、サンプルのI-V測定とロックイン測定を計測器やケーブルの接続変更なしに切り替えて測定することで、測定時間の短縮を実現しています。詳細は、アプリケーションノートをご覧ください。










 

2)DCオフセットAC重畳信号を簡単に出力

 

M81型では、DCオフセットにAC振幅を重畳して出力することも、特別な準備など不要で簡単に行うことができます。
右図はM81型の出力信号の設定画面です。「Amplitude」と「Offset」の値をそれぞれ設定することで、DC重畳AC信号を出力することができます。

 

3)非線形応答を抽出する微分コンダクタンス(微分抵抗)測定

 

 DCオフセットにAC信号を重畳する測定の代表的なアプリケーションとしては、微分コンダクタンス(微分抵抗)測定があります。
 微分コンダクタンス測定では、DCオフセット電圧にAC電圧信号(dV)を重畳して印加し、流れる電流のAC振幅(dI)をロックイン測定することで、I-V波形に対しその微分波形を高感度に得ることができます。(右図)
 同様に、印加信号を電圧ではなく電流として、得られるサンプル電圧を測定すると、微分抵抗を得ることができます。M81型は電流印加モジュールを使用することで電流印加も可能であり、電流印加におけるDC+AC重畳出力も簡単に行えるため、微分抵抗測定も簡単に行うことができます。
 微分コンダクタンス/微分抵抗測定により、サンプルのI-V特性が非線形な場合に、その特性をロックインアンプを使用して高感度に得たり、I-V波形のピーク位置を検出したりすることができます。

4)微分コンダクタンス測定の分解能を上げるDC/ACレンジ個別設定機能

 

 微分コンダクタンス測定では、AC信号の振幅dVの大きさを小さくすればするほど、より高い分解能でdI/dV波形を得ることができます。しかしながら、一般にDCオフセットが大きくなると、小さな振幅のAC信号を精度よく出力することは困難になります。
 M81の電圧印加モジュールVS-10では、右図のように、DCのレンジとACのレンジを個別に設定することができます。これにより、例えば数VのDCオフセットにサブmVレベルのAC信号を精度よく重畳し出力することができ、高精度・高分解能なdI/dV波形を得ることができます。

 

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