「映像がそのまま3D地図になる」
岩根研究所のモービルマッピングシステム(MMS) 3展示会 出展レポート
CSPI-EXPO 2026/自治体総合フェア2026/メンテナンス・レジリエンス 2026
投稿日:2026.08.04
建設・測量、自治体、社会インフラの維持管理――。
異なる分野の来場者との対話を通じて見えてきた、
画像型MMSの可能性をご紹介します。
3つの展示会でMMSの活用可能性を発信
2026年6月から7月にかけて、東陽テクニカは岩根研究所が開発した高精度3D地図作成システム「モービルマッピングシステム(MMS)」を、3つの展示会に出展しました。
建設・測量分野の「CSPI-EXPO 2026」、自治体・行政分野の「自治体総合フェア2026」、そして設備や社会インフラの維持管理に焦点を当てた「メンテナンス・レジリエンス 2026」です。来場者の立場や抱える課題が異なる3つの会場で、道路や施設の現況把握、台帳整備、点検業務の効率化、デジタルツインの基盤づくりなど、MMSの幅広い活用方法をご紹介しました。
本レポートでは、各展示会の様子と、来場者の皆さまとの対話から見えてきたMMSへの期待をご紹介します。
出展した3展示会
| 展示会 | 会期 | 会場 | 主な来場者・テーマ |
|---|---|---|---|
| CSPI-EXPO 2026 | 6月17日~20日 | 幕張メッセ 14-01 | 建設・測量、施工、インフラ整備 |
| 自治体総合フェア2026 | 7月8日~10日 | 東京ビッグサイト L-42 | 自治体・行政、地域課題、まちづくり |
| メンテナンス・レジリエンス 2026 | 7月15日~17日 | 東京ビッグサイト 3-W03 | 設備保全、点検、社会インフラ維持管理 |
岩根研究所のモービルマッピングシステム(MMS)とは
岩根研究所のMMSは、特許技術であるCV(Camera Vector)技術を利用し、撮影した画像を直接3Dデータ化する高精度3D地図作成システムです。MMSで取得した3D画像を活用すれば、撮影後にオフィスにいながら現地の状況を確認し、画像上で位置や距離、面積などを計測できるため、現地へ何度も足を運ぶ必要はなく、ゆっくり分析することができます。
また、取得した3D画像に施設構造物や点検履歴などの情報を「3Dタグ」として登録でき、GISとの連携にも対応します。道路付属物や設備の情報を、位置情報と見た目の両方で確認できるため、台帳整備や維持管理業務の効率化につなげられます。
MMSが実現する特長
- 2D地図と3D画像の連携:
- 道路台帳等の2D地図だけでは現地を正確に特定できませんが、3D画像とシームレスに連動することで現場の状況を正確に把握できます。
- 映像から計測:
- 道路附属物の設置状況を確認し、長さ・高さ・面積・傾きなどを計測できます。
- AI解析:
- 画像の中の標識やマンホールなど注目する対象物をAI認識で抽出することで素早く対象の場所を特定し、道路台帳等と比較・確認することができます。
- 景観シミュレーション:
- 道路空間へ設置予定の機材や植栽などを画像上に合成し、設置後のイメージを事前に確認できます。
- 工事前後の道路空間を正確に記録:
- 修繕工事や設備設置の前後を3D画像として保存し、施工結果や効果の確認に活用できます。同じ場所のデータを時系列で比較することで、経年変化の把握にも役立ちます。
- Trueオルソ画像の取得:
- 道路面の詳細な画像を取得することができます。出力された道路画像は1ピクセルをXcmなどスケールを合わせて出力できます。
- 交通規制を必要としないデータ取得:
- 一般車両と混在して走行しながら撮影でき、最大時速100kmでのデータ取得にも対応します。道路を止めずに撮影できるため、現場や交通への影響を抑えられます。
- 短時間で広範囲の状況を把握:
- 道路施設の設置状況や劣化状況を広範囲に記録できます。平常時の維持管理に加え、災害発生後の現場状況を迅速に把握する用途にも活用できます。
- タグ管理機能:
- 取得した3D画像に施設構造物や点検履歴などの情報を「3Dタグ」として登録でき、場所と情報を結び付けた管理が可能です。GISとの連携にも対応します。
- データ容量の削減:
- 高密度な点群と比べてデータ量を抑えやすく、現況を直感的に確認できます。

MMS車載装置設置例

ALV(映像OFF/点群ON・認識OFF)
展示会1:CSPI-EXPO 2026
建設・測量の現場で求められる「測る・残す・活用する」を提案

最初に出展したのは、2026年6月17日(水)~20日(土)に幕張メッセで開催された「第8回 国際 建設・測量展(CSPI-EXPO 2026)」です。建設・測量業界の製品、技術、サービスが集まる会場で、東陽テクニカはMMSの車載装置と活用イメージを紹介しました。 ブースでは、道路や周辺設備を走行しながら撮影し、その画像を高精度な3D地図として利用できる点に注目が集まりました。現況記録、出来形確認、道路付属物の管理、災害前後の比較など、建設・測量の実務を想定した具体的なご相談も寄せられました。
今回は、海洋測量関連ソリューションを扱う部門との共同出展でした。測量という共通テーマのもと、陸上から海洋までを幅広くカバーする展示となり、多くの来場者にお立ち寄りいただきました。MMS単独ではコンパクトな展示ながら、製品パネルと実機を組み合わせることで、仕組みや用途を分かりやすくお伝えできました。
製品・技術PRセミナーも開催
初日の6月17日(水)には、PRセミナーⅡ会場で「画像型・高精度3D地図の利活用」をテーマに講演しました。全周囲画像から空間情報を取得する仕組みに加え、電柱・信号・マンホールなどの自動認識とデータベース化、標識の高さや道路幅、看板・壁の面積計測、3Dモデルを重ねた設置工事のBefore/Afterシミュレーションなどを紹介しました。 セミナーには多くの方にご参加いただき、画像を起点に測量データと台帳情報を結び付けるMMSの活用方法へ、高い関心が寄せられました。最終日はファミリーデーとして一般来場も可能となり、幅広い方に建設・測量技術を知っていただく機会となりました。 会期後には、ご来場いただいた方へ製品情報を改めてご案内するとともに、展示会内で実施したセミナー「画像型・高精度3D地図の利活用」の16分動画を限定公開しました。限られた会場説明だけでなく、後からMMSの機能や活用例を確認いただけるよう、継続的な情報提供を行いました。

左上:ブース全景/右上:来場者でにぎわうブース/左下:PRセミナー/右下:ファミリーデーの会場案内
展示会2:自治体総合フェア2026
自治体のまちづくりとインフラ管理を、3D画像で支援

続いて、2026年7月8日(水)~10日(金)に東京ビッグサイトで開催された「自治体総合フェア2026」に出展しました。今回のテーマは「発見、気づき、共創が生む地方創生へ」。官庁・自治体をはじめ、公共分野に関わる多くの方が来場しました。 自治体では、道路、上下水道、公園、防災設備など、広い範囲に点在するインフラや施設を継続的に管理する必要があります。一方で、現地確認にかかる時間や人手、紙・表計算ファイルに分散した台帳、情報更新の負担など、さまざまな課題があります。 MMSで取得した3D画像を活用すれば、庁内にいながら現地の状況を確認し、画像上で計測することができます。さらに、3Dタグへ点検結果や設備情報を登録することで、場所と情報を結び付けた管理が可能です。会場では、道路管理やまちづくり、施設台帳のデジタル化などを切り口に、自治体関係者や自治体向け事業を行う企業の皆さまと意見交換を行いました。
東陽テクニカは、西展示棟「スマートなまちづくり」エリアのL-42に出展しました。自治体実務に特化した展示会ならではの具体的な会話が多く、道路付属物のデータベース化、上下水道を含む施設管理、GISとの連携など、部署や業務を越えて空間情報を活用する可能性を確認できました。

左上:L-42ブース全景/左下:自治体総合フェア会場入口/右:来場者へMMSを説明する様子 (出典:東陽テクニカ公式X)
展示会3:メンテナンス・レジリエンス 2026
社会インフラの維持管理を、現地確認から情報活用まで効率化

3つ目は、2026年7月15日(水)~17日(金)に東京ビッグサイトで開催された「メンテナンス・レジリエンス 2026」です。製造業、土木・建設業におけるメンテナンスや設備の維持管理・保全に関する技術が集まり、会場では老朽化対策、省人化、予防保全、災害への備えなどが幅広く紹介されました。 MMSは、対象エリアの現況を3D画像として記録し、必要な箇所を後から計測・確認できます。過去の撮影データと比較すれば、経年変化の把握にも活用できます。さらに、点検履歴や補修情報を3Dタグで蓄積することで、「どこに、何があり、いつ、どのような対応をしたか」を視覚的に共有できます。 ブースには、道路、鉄道、上下水道をはじめとする社会インフラの維持管理に関わる方々にお立ち寄りいただきました。現場の人手不足や技能継承が課題となる中、現地情報を分かりやすい画像として残し、組織内で共有できる点に関心が寄せられました。
東陽テクニカは東展示棟3-W03に出展しました。道路、高速道路、鉄道、上下水道など、広いエリアに設備を保有する来場者から、現況把握や台帳整備、点検記録の共有に関する相談が寄せられました。会期最終日は豪雨となりましたが、足元の悪い中でも多くの方にお立ち寄りいただきました。

左上:東京ビッグサイト入口の大型案内。メンテナンス・レジリエンス2026は東1・2・3ホールで開催/左下:3-W03ブース全景/右:最終日に来場者へMMSを説明する様子
展示会を通じて見えてきたこと
同じMMSでも、来場者の業務によって関心の切り口は大きく異なりました。CSPI-EXPOでは測量や施工、自治体総合フェアでは行政課題やまちづくり、メンテナンス・レジリエンスでは点検や設備保全が中心です。一方で、3つの会場に共通していたのは、「現地へ行かなければ分からない情報を、分かりやすく記録・共有したい」「人手を増やさず、より効率的にインフラを管理したい」というニーズでした。
各展示会の会期後には、ご来場いただいた方へお礼とともにMMSの特長を改めてご案内しました。現地で十分に説明できなかった方にも、現況把握・シミュレーション、工事前後の記録、交通規制を伴わない撮影、広範囲の状況把握といった具体的な活用方法をお伝えし、詳細説明やデモの相談につなげています。
- 現地確認の効率化:撮影後の3D画像上で確認・計測し、再訪問の回数を減らす
- 情報の一元管理:位置情報、設備情報、点検履歴を3D画像と結び付けて管理する
- 組織内外での共有:現場を知らない人にも伝わりやすい画像を共通言語として活用する
- データの継続活用:一度取得したデータを台帳、点検、計画、防災など複数業務で活用する
今回得られたご意見やご相談を今後の提案に生かし、建設・測量、自治体、社会インフラ管理など、それぞれの現場に合ったMMSの活用方法をご紹介してまいります。
まとめ
道路や設備の状態を「画像」として残し、必要なときに測り、情報を加え、共有する。岩根研究所のMMSは、現地とオフィス、過去と現在、地図と台帳をつなぐ、空間情報活用の基盤です。
「所有する道路や設備を効率的に把握したい」「点検や台帳整備をデジタル化したい」「まずは対象地域を撮影し、どのようなデータが得られるか確認したい」といったご要望がございましたら、お気軽に東陽テクニカまでお問い合わせください。