展示会体験記|2回目の「JANOG58 Meeting」

2026.08.07

2回目の「JANOG58 Meeting」

2026年7月15日(水)~17日(金)、愛媛県松山市「愛媛県県民文化会館」にて開催された「JANOG58 Meeting」。
今回の記事は、「JANOG58 Meeting」に2回目の参加をした、1人のマーケティングチームメンバーによる感想レポートです。前回の体験記はこちらからぜひご覧ください!
まだJANOGに行ったことがない方はもちろん、「2回目の参加はハードルが高い…」と感じている方にも読んでいただきたい内容となっています。

2回目のJANOG

会場入り口

今回のJANOG58のテーマは「技術の成熟と次代への継承」。
ベテランと若手の双方が、松山の地で議論を交わし、新たな価値を生み出せることを願って作られたテーマだそう。
ちなみに、今回の私的テーマは「一歩深くJANOGを楽しむ」です。
前回は初参加ということもあり、JANOGという場の雰囲気を楽しみながら、たくさんの企業ブースを見学したり、新しい出会いを増やしたりすることが目標でした。
今回は2回目だからこそ、技術そのものだけでなく「なぜその技術が選ばれたのか」「どのような課題を解決しようとしているのか」といった背景まで理解すること、そしてセッションやブースでの交流を通じて参加者の皆さんの考え方や経験に触れることを目標にしています。

ブースツアー

今回のJANOGで一番楽しみにしていたのがこのブースツアー。
前回のJANOG57から始まった企画とのことですが、先に結論からお伝えするとぜひぜひ参加していただきたい!特に初参加には強くお勧めします。
ブースツアーの魅力は、普段なら「気になるけど声をかけるのは少しハードルが高い」と感じる企業ブースを、運営の案内で気軽に回れることです。各ブースでは担当者の方から直接説明を聞くことができ、短時間で多くの企業や技術に触れられます。また、一人でブースを回るよりも質問のきっかけが作りやすく、JANOGならではの交流の雰囲気も感じられました。
初参加だと「どこを見ればいいのかわからない」「ブースに立ち寄る勇気が出ない」ということもあると思いますが、ブースツアーはそんな不安を解消してくれる企画だと感じました。この企画の認知度がもっと上がって参加者がより増えることを願っています。
計8ブースを回った中で、興味深かったブースをいくつかご紹介します。

Adtranブース

Adtranブースでは、50G-PONをはじめとした光アクセスネットワーク製品について説明を受けました。
次世代通信を支える高速・大容量のアクセス技術だけでなく、安定したネットワーク運用を支える時刻同期関連の取り組みについても知ることができ、通信サービスの品質向上を支える基盤技術の重要性を改めて感じる展示でした。
Adtran社の製品は当社でも取り扱いがございます。気になる方はこちらからご覧ください。

VIAVIブース

VIAVIブースでは、ネットワークの測定・検証製品について説明を受けました。
特に、大規模ネットワークを事前に再現して動作検証ができる点や、ネットワークの上位レイヤから下位レイヤまで一貫した測定・分析を行える点が印象に残りました。障害発生時の原因特定や品質評価を効率的に実施できることから、通信サービスの安定運用を支える重要なソリューションであり、通信ネットワークの複雑化が進む中で、その価値は今後さらに高まると感じました。
VIAVI社の製品は当社でも取り扱いがございます。気になる方はこちらからご覧ください。

ブースラリー

福引でいただいた景品

福引でいただいた景品

前回も楽しませていただいた、ブースラリーに今回も参加しました。
各ブースを回り、「ど」「う」「ご」「め」「ぐ」「り」の6種類のQRコードを読み取ると福引きができるという企画です!景品ももちろん魅力的なのですが、個人的にはさまざまな企業の方と気軽に話せるきっかけになるのが、この企画の一番好きなところです。
前回は初参加ということもあり、ブースを回るだけで精一杯で、他社の方々とあまりコミュニケーションを取れなかったことが心残りでした。そこで今回は少し勇気を出して、積極的に話しかけてみることにしました。

実際に10ブースほど回りましたが、どの展示員の方もとても親切で、ネットワーク初心者の私にも分かりやすく説明してくださりました。
特に印象的だったのは、ネットワーク関連ではない企業さんも数多く出展されていたことです。
例えば、ゴム製品の製造を行っている企業さんは、開発中のデータセンター向け水冷設備で使用するホースを展示していました。現場で求められているニーズや最新のトレンドを把握するために出展しているとのことで、JANOGが業界を超えた情報交換の場になっていることを実感しました。
また、四国電力さんのブースでは、四国エリアにおけるデータセンター基盤整備の取り組みについてお話を伺いました。今回の展示やセッションではデータセンター関連の話題を耳にする機会が多かったのですが、その背景にあるインフラ側の取り組みまで知ることができ、大変興味深かったです。
前回と比べて感じたのは、「少し勇気を出すだけで展示会の楽しさが大きく変わる」ということでした。
「ネットワーク初心者なので詳しくないのですが……」と前置きをしながら質問してみると、皆さん本当に丁寧に説明してくださいます。さらに、JANOGのブースには実際に製品開発や運用に携わっているエンジニアの方が立たれていることも多く、製品紹介だけではなく、現場ならではの苦労話や考え方まで聞くことができます。
今回掲げていた「積極的に交流する」という目標も、前回よりは達成できたように思います。展示を見るだけでは得られない学びがたくさんあり、改めてJANOGの魅力は“人とのつながり”にもあるのだと感じました。

プログラム聴講

プログラム聴講

写真は JANOG58ミーティング フォトアルバムより

前回に引き続き、楽しみにしていたプログラム聴講。
私が参加したのは「景観保護のための空間光通信(FSO)活用事例 ~松山城周辺の観光を支える次世代インフラ~」
重要文化財に指定されている松山城ですが、既存の無線機器のEOSにより更改の必要が出てきたそうです。本セッションでは、景観保護が求められる環境で、どのようにネットワークを構築したかについて紹介されていました。

今回のテーマである「空間光通信(FSO)」は、光ファイバーの代わりにレーザー光を空中で飛ばして通信する技術です。工事不要で拠点間を高速接続できるため、イベント会場や仮設ネットワークなどの短期間での使用が見込まれる場合などに使用されることがあるそうです。重要文化財である松山城では「柱を立ててはいけない」「土を掘ってはいけない」そして、「景観を損ねてはいけない」など、数多くの制約がありました。そのような環境でも導入できる技術として「空間光通信(FSO)」とが採用されました。

FSOの主なメリットとして、無線局免許が不要で電波干渉の心配がなく、高いセキュリティ性を備えながら大規模な工事なしで導入できる点が挙げられます。一方で、障害物や霧の影響を受けやすく、強風や地震による光軸ずれが通信品質の低下につながるという課題もあります。

当初は60GHz帯のミリ波無線も検討されていたそうですが、将来的な帯域需要を考えると不安が残るという判断に至ったとのことでした。そこで、「光ファイバーは敷設できないが、長期的な帯域需要には対応したい」という条件を満たす選択肢としてFSOが採用されました。
実際の構築では、約870m離れた拠点間をFSOで接続。歴史的景観への配慮はもちろん、作業員の安全確保や天候条件にも注意しながら施工を進めたそうです。看板の影でリンクが上がらない、鳥害への対策が必要になるなど、現場ならではの苦労も紹介されていました。
一方で、登壇者の方も「安定性では光ファイバーが圧倒的」と話されており、FSOはあくまで適材適所で活用する技術であることが印象的でした。しかし近年は機器の小型化や光学制御技術の向上によって実用性が高まっており、景観保護区域や仮設回線、イベント会場など、従来の無線通信では難しい領域で今後さらに活用が広がっていく可能性を感じました。
今回の発表で特に印象に残ったのは、FSOそのものというより、「現場の課題に対して最適な技術を選択する姿勢」でした。重要文化財という厳しい制約の中でも、帯域・施工性・景観保護・将来性を総合的に検討し、現実的な解を導き出していた点が非常に興味深く、技術選定の考え方そのものが学びになる発表でした。

興味深かった展示

このように様々なブースを回る中で興味深いブースがあったので、ご紹介させていただきたいと思います!

BBIXさん

BBIXさんのブース

写真は JANOG58ミーティング フォトアルバムより

TBS日曜劇場『VIVANT』続編の裏側を支えたネットワークの話

ブースを見ていると、パネルに『VIVANT』の文字を発見。なぜここで『VIVANT』?と気になり、話を聞いてみました。お話を伺うと、ドラマ『VIVANT』の制作を支えるネットワーク提供に携わっていたとのことでした。

まず驚いたのが、映像制作の現場では撮影データがあまりにも大容量なため、インターネット経由で送ると数日かかってしまうこともあり、これまではスタッフの手で運搬することが一般的だったという話です。クラウドや高速通信が当たり前になった現在でも物理的な輸送が活用されているケースがあることに驚きました。
そんな中、TBSから相談を受け、BBIXさんのネットワークサービスで解決できるのではないかという話になったそうです。『VIVANT』の海外ロケがおこなわれたタイで、ちょうどBBIXさんもサービスを展開していたことから、これまでにないチャレンジではあったものの実際に取り組んでみることに。結果として、撮影データの伝送を実現できたとのことでした。

サービス面で特徴的だったのが、同社が提供するIX(Internet Exchange)とOCX(Open Connectivity eXchange)サービスです。IXは通信事業者やクラウド事業者同士のトラフィックを効率良く接続する仕組みで、大容量通信を扱う用途との相性が良いそうです。
さらに、そのIXプラットフォーム上で提供するサービスがOCXです。OCXは、クラウド型ネットワークサービスで、クラウドサービス(XaaS、パブリッククラウドなど)やデータセンターへ閉域網で接続することができます。そのため、高いセキュリティや安定した通信品質を確保しながら、大容量データを扱うことができます。

今回のケースでは、OCXの大容量通信と高セキュリティを両立できる仕組みが、映像制作現場のニーズに適したソリューションとなったそうです。『VIVANT』のプロデューサーからも感謝の言葉をいただいたとのことで、技術としてだけでなく、実際の現場課題の解決につながった事例であることが伝わってきました。
個人的には、まず「今でも物理的に撮影データを運んでいること」に驚きました。そして、その当たり前になっていた作業をネットワークの力で効率化し、現場の負担を減らしているという点がとても印象的でした。普段意識することの少ないインフラ技術ですが、こうした具体的な事例を聞くことで、その価値を実感できた展示でした。

※上記展示内容に関してはBBIX様発行のニュースリリースでもご確認いただけます。
「BBIX、TBS日曜劇場『VIVANT』続編でロケ映像の高品質伝送を実現」

おもてなしを感じたJANOG58

蛇口からみかんジュース

ノベルティ

JANOG58のホストはArista Networks(ARISTA)さんということで、ブースにもお邪魔してきました。
展示の話を聞く中で、今回のJANOGについてもお話を伺うことができました。
私自身、今回のJANOGに参加していて強く感じていたことがあります。それは、とにかく「おもてなし」がすごいということです。

まず驚いたのは、参加者全員に配布されるノベルティの充実ぶり。ここまでいただいていいのだろうかと思うほどのボリュームでした。
さらに開催時期が夏ということもあり、来場者や展示員の体調に配慮して会場内にはウォーターサーバーが設置されていました。それだけでも十分ありがたいのですが、なんと蛇口からみかんジュースが出るコーナーまで用意されていました。単なる水分補給ではなく、「愛媛らしさ」を楽しんでもらいたいという気持ちが伝わってきて、思わず感動してしまいました。
また、配布されたノベルティの中にはシリコンボトルも含まれており、受け取ったその場でウォーターサーバーを利用できるようになっていました。さらに会場内のお手洗いにはボトル洗浄用の洗剤まで用意されており、細かなところまで配慮が行き届いています。

こうしたホスピタリティに感動したことをAristaの展示員さんにお伝えしたところ、裏では担当者の方が相当頑張って準備されていたとのこと。「来てくれた皆さんに目いっぱいおもてなしをしたい」という強い想いを持った方だそうで、話を聞いていて、今回のJANOGがここまで居心地の良いイベントになっている理由がよくわかりました。
技術的な学びはもちろんですが、それ以上に参加者を歓迎しようという気持ちが随所から伝わってくるイベントだったと感じます。
改めて、このような素晴らしい場を作ってくださった運営・スタッフの皆さまに感謝です。本当に充実したJANOG58をありがとうございました。

2回目のJANOG 感想

会場の「愛媛県県民文化会館」

会場の「愛媛県県民文化会館」

長くなってしまいましたが、最後に今回のJANOG58全体を振り返った感想を書いておきたいと思います。
今回の展示で特に印象に残ったのは、AIやデータセンター関連の話題の多さです。中小企業向けのAI活用サービスなども多く、各社がそれぞれの強みを活かしながら差別化を図ろうとしていることが伝わってきました。また、今回は初めてJANOGに参加する方とも一緒に回りましたが、楽しんでもらえたようでとてもうれしく思っています。一人でも多くの人にJANOGの面白さが伝わっていたらいいなと思います。

さらにありがたいことに、私が発信した体験記を社内で広めてくださる方もいました。本当にうれしい限りです。ネットワークの専門家ではない私だからこそ気付ける視点もあると思うので、これからも初心者目線でJANOGの魅力を発信していけたらと思っています。

前回参加したJANOGと比べると、今回はより多くの方と「はじめまして」の機会がありました。正直なところ、エンジニアではない私がブースで話を聞いても良いのだろうかと少し遠慮していた部分もあります。それでも少し勇気を出して話しかけてみると、皆さん本当に優しく迎えてくださいました。どのブースでも、展示員の方々が目を輝かせながら自社の技術や製品について語ってくださり、その姿がとても印象的でした。

今回の参加を通して改めて感じたのは、JANOGは単なる展示会ではないということです。ネットワークが好きな人たちの情熱によって作られ、その情熱に惹かれた人たちが集まる場所なのだと思います。技術そのものの面白さはもちろんですが、人と人とのつながりや、それぞれが持つ熱意に触れられることもJANOGの大きな魅力だと感じました。
JANOG58でお話ししてくださった皆さま、本当にありがとうございました。また次回も参加できることを楽しみにしています。

ギャラリー

会場の様子
Tech Tiles SYNESIS
会場の様子
JANOGで食べたおいしい物たち