日々増加するCT画像に対する読影医の負担軽減に向けて

背景

CT(Computed Tomography)は現代の医療機関において欠かすことができない検査装置の1つです。CTを撮影する用途・部位は様々ではありますが、その中でも胸部を撮影する機会は多いと思います。CTによって胸部を撮影する目的については大きく以下が考えられます。
 
  1. 肺がん検診
  2. 健診後の精密検査
  3. 外来受診
  4. がん治療・手術後フォロー
いずれのCT撮影も放射線科専門医を中心とする医師による読影を行い、関心領域・病変部の検出や観察が行われます。近年のCT装置はその技術的な進歩により短い撮影時間で非常に多くの情報を得ることができるようになりました。ですがそれは読影すべき画像数が多くなっていることでもあります。

現在のCT検査では1回の撮影においてその撮影部位によっては数百枚、場合によっては千枚を超える画像データを取得するケースもあり、読影を行う放射線科医の負担は増加しています。膨大な枚数のCT画像からの情報を、限られた人数の医師で、高い精度を維持したまま読影していくためにはどうすればよいでしょうか。

その答えの1つとして考えられる、胸部CT肺血管透過処理システム ClearRead CT-VSについて説明します。

ClearRead CT-VSとは

ClearRead CT-VSは、CT Axial画像に対して肺血管を透過させることにより、肺血管以外の部分の視認性を大幅に向上させて医師の読影を支援する、全くユニークな画像処理技術です。例えば血管に重なって見えづらい関心領域の視認性を大きく向上させることができます。これにより関心領域の気づきを促進し、オリジナル画像を見直すきっかけとなり医師の見落とし防止に寄与します。


このClearRead CT-VSは、CT撮影装置メーカを問わず処理が可能であり、低線量CTの画像にも対応しています。処理は専用サーバにて全自動で実施され、オリジナルのCT画像の補助画像をPACSに送信します。例えば、同一検査内の別のシリーズとして登録するように処理画像を出力することも可能であり、通常医師が読影しているPACSビューア上でオリジナルのCT画像とClearRead CT-VS画像を並べて観察することができます。

これによりCT画像上の病変見落とし防止、気づきの促進、読影速度の向上さらには医師の決断時における心的負担軽減等、多くのメリットが期待できます。
 

その役割

ClearRead CT-VSは、米国での低線量CTを用いた喫煙者向け肺がん検診において医師の読影を補助すべく開発されました。日本国内ではどうでしょうか。もちろん特定検診の1つとして肺がん検診は年々認知度も高まり、受診者も増加傾向のようです。このCTによる肺がん検診の読影補助としても十分活用が期待できます。

また、さらに期待したいのが、がん患者のフォロー、検査への活用です。具体的には、がんの肺転移の確認時に使用いただくことです。がんの転移確認は放射線科医にとっての重要な業務の1つです。がんの転移状況によりステージや治療方針は大きく変わるため、その確認には高い精度が求められます。医師の心的負担は極めて大きく、読影医の集中力維持も困難なことでしょう。医師自身の日々の体調の変化も無視できない影響を受けます。そのような状況の中、このようなソフトウェアによる読影補助は一定の感度を維持でき、医師の負担を大きく軽減できる可能性を秘めていると言えます。

医療現場においてCTによる恩恵は非常に大きく、X線における一般撮影と比較してはるかに高い検出感度を持っています。しかしCTで得られる情報量の増加は放射線読影医の負担を大きくすることも忘れてはなりません。CTによって得られる恩恵をさらに大きくするために、CT装置の導入や更新などの機会には医師の負担軽減の方策を同時に検討することが重要と考えています。
 

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