ProboStat 超高温サンプルホルダ
ProboStatは、ノルウェー オスロ大学のProf. NorbyとProf. Kofstadグループが20年以上の間、研究・開発を続けてきた経験及び実績に基づく超高温加熱用のサンプルホルダです。超高温下(~1600℃)での材料の電気的特性を評価するためのもので、世界中の研究所・施設に納入されております。特に固体イオニクスや固体酸化物型燃料電池(SOFC)等の研究に多く利用されており、各ユニットはユーザーの研究用途や使用方法に適応してカスタマイズすることができます。
株式会社東陽テクニカ 理化学計測部
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特長
プローボスタットとインピーダンスアナライザ
● 1600℃(短時間)、1400℃(長時間・ティピカル)まで温度上昇でき、かつ様々な電気的評価が行えるように設計された「電気化学セル」です。
※BNC同軸コネクタ6ケを標準装備しています。
● サンプルの雰囲気を様々に制御することができます。例えば、サンプルの酸化や還元、高湿度化や乾燥化、若干のオーバープレッシャーから低真空まで行なえ、その状態で電気的特性評価が行えます。
※ガス用1/8インチ スエジロックコネクタ4ケを標準装備しています。
● インピーダンスアナライザや電気化学測定システムと接続して各種測定が可能
(交流インピーダンス測定、CV測定、SOFCの発電特性試験等)
● 5kVまで高電圧・高温下で電気的特性評価を行うことが可能です。強誘電体の分極ヒステリシスの温度依存測定が行えます。
(高電圧フィールドスルー及びトップフランジオプション、真空ポンプを使用)
● レーザー干渉計や分光計等を使用し、圧電変位特性、分光特性の評価を行うことが可能です。
(トップフランジ&T型フランジオプション、真空ポンプを使用)
● 液体サンプルの高温での電気的特性評価が可能です。
(液体サンプルホルダオプションを使用)
● るつぼを使用して雰囲気を制御しアニールを行うことができます。(るつぼオプションを使用)
● 部材は取り外し可能。劣化した場合でも、その部品だけの交換でよく、高いコストパフォーマンスのサンプルホルダーです。また、その交換は簡単に行えますので、メンテナンス性に優れています。
◆ 本品は電気化学セルです。加熱部はありません。他に電気炉(ファーネス)を用意して加熱します。
測定例
以下に代表的な温度特性測定例を示します。
- 導電率vs温度、pO2、pH2O特性
- 固体酸化物型燃料電池(SOFC)の単セル発電試験、交流インピーダンス測定
- イオン輸送係数、イオン輸率、イオン導電率
- 酸化物中のプロトン輸送係数、プロトン輸率、プロトン導電率測定
- 濃淡電池の起電力測定
- 誘電緩和特性、誘電損失、誘電率測定等
- 2、3、4端子測定
- ゼーベック係数
- I-V特性
- DC、ACインピーダンス測定
- センサーテスト
- H/Dアイソトープ効果評価
- ガス出口点でのガス分析(GC,MS等)
- 圧電変位測定
仕様
アウターチューブ直径 | 40mm(取り外し可能) |
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サポートチューブ直径 | 10mm~25mm(取り外し可能) |
全長 | 約85cm |
チューブ・アッセンブリ | シングルエンドセル・アッセンブリ (アウターチューブの片側が開放) |
サンプル固定方法 | サンプルホールド板をフックにて固定。 フックはバネにより強くサンプルを固定することができます。 |
サンプル形状 | ・ディスクタイプ (直径25mmまで。20-24mmを推奨します。) ・バータイプ(長さ50mmまで) ・Van der Pouwタイプ |
同軸BNC端子 | 6ケ(ベースユニットに設置) (インピーダンス測定等用) |
計測ケーブル用機能 | ・内部シールドブリッヂ ・接地・ガードスイッチ |
熱電対コネクタ | 3ケ(ベースユニットに設置) |
ガス用1/8インチ スエジロックコネクタ | 4ケ(ベースユニットに設置) |
標準材料 | アルミナ(AL23)、プラチナ、プラチナ(10%Rh)、ニッケルメッキ真鍮 |
水冷 | ベースユニットを水冷(またはヒーティング)することができます。 |
プロボスタットシステムは、様々なサイズのサンプルサポートチューブ、アウターチューブを供給することができます。
プロボスタットシステムは、様々なタイプの電極接続、 プローブ及び熱電対を供給することができます。
システム構成
ProboStatは、以下から構成されています。(電気炉はオプションです。)
- ベースユニット
- アウターチューブ
- サンプルサポートチューブ
- 測定ケーブル
- 測定ケーブル用フィードスルー(チューブ)
- ガス供給・排気用チューブ
- サンプルホールド部
- サンプルホールド用スプリングフック
- スプリングフック用チューブ
- 熱電対
- 熱電対用チューブ
- 各種オプション
以下に写真にて構成を説明します
オプション
アクセサリ
高温・誘電体測定用液体セル
プロボスタットは、高温(200℃まで)で液体の誘電率を測定するための液体セルを装備することができます。
液体セル上部
管状マントルヒーター
通常の高温電気炉より低い中程度の温度を得ることのできるカスタム化した筒状の電気炉を供給することができます。
典型的なモデルは、常温から650℃までの温度範囲のもので、長さは30cmと、よりコンパクトです。
また、電源も110VACを使用できタイプKの熱電対が使用できます。
さらに低温のモデルもあります。
管状マントルヒーターと
低温用プロボスタット
トップフランジ(光学窓付)
40mmオープンエンド・アウターチューブとトップフランジ&T型フランジを装備したプローボスタット概念図
トップフランジを使用すると、以下が可能になります。
低真空化(<0.1mbar)
- 焼結
- アニール
- 一般的な雰囲気の制御
- 高電圧測定
(例:強誘電体分極ヒステリシス測定)
(高電圧フィードスルーオプションが必要)
光学アクセス可能
(T型フランジ及び真空化が必要:ディスクサンプルの上部表面または上部電極表面に光をアクセス)
- レーザ干渉計測定
(例:圧電応答測定) - 発光及び分光測定
排気
トップフランジは、 40mmオープンエンド・アウターチューブ(両端オープンのアウターチュ-ブ)と共に使用します。
またトップフランジは、 Oリングシールとプローボスタットセル自身で使用されている水冷(小さなポンプで水を循環させます)を使用します。
トップフランジは、KF25タイプの標準真空フランジを使用して真空もしくは光学的アクセスを可能とします。真空及び光学的アクセスを同時に必要とする場合はT型フランジを使用します。
高電圧フィードスルーオプション (ケーブル&チューブ)
高電圧フィードスルーオプションを使用することにより、強誘電体及び圧電体材料の実験が行えます。
標準のプローボスタットのサポートチューブの外側に2つの高電圧フィードスルーを設置することにより、5kVまで印加することができます。
しかし、高電圧フィードスルーの一方をサポートチューブの内側に設置する場合は、耐圧間隔が十分に取れないため、1kVまでのフィードスルーを使用します。
また、高電圧フィードスルーは、新プローボスタットに適応しています。
(上下電極間のサンプル端面での放電を防ぐ為に、真空にする事が必要です。真空フランジ・オプションと、オープンエンドアウターチューブオプション及び真空ポンプも必要になります。)
ルツボホルダー
ルツボホルダーサポートチューブを使用し、粉体やサンプルの雰囲気を制御しつつ、アニールする事ができます。