5204型 プロジェクション小型電磁石(任意方向磁場タイプ)
5204型は、ステージ上面の任意の方向に磁場を発生させることができるプロジェクション小型電磁石です。磁場を印加する領域(サンプル設置領域)がオープンな環境となるため、サンプルへのプロービングや光導入などが容易になります。
株式会社東陽テクニカ 脱炭素・エネルギー計測部
phone03-3245-1103
Mail:keisoku[at]toyo.co.jp
特長
- 小型軽量、オープンな磁場環境
- 任意方向に磁場発生が可能
- 最大DC磁場:550mT(Br:面内方向)、140mT(Bz:面直方向)
- 最大磁場周波数:約200Hz
- 磁極面上でカスタム磁極の拡張が可能
- 任意の方向に取付可能
5204型は、ステージ上面で任意の方向に磁場を発生させることができる電磁石です。磁場が発生するサンプル設置領域はオープンな環境となるため、サンプルへのプロービングや光導入などが容易になります。ステージにはφ2.5mmの導光穴があり、サンプルへステージ下から面直方向への光照射が可能です。
ステージ上面の磁極面にカスタマイズした磁極を取り付けることにより、多様なアプリケーションに対応した磁場を発生させることができます。また、本体は任意の向きに取り付けることができかつ軽量(2.5kg)であるためウェハ試験など動的な試験系に組み込むことができます。
アプリケーション
- スピントロニクスデバイス
- 磁気センサ
- 磁気光学効果
- NV(窒素-空孔)センター
- ホール効果測定
仕様
一般 | |
---|---|
最大DC磁場強度 | 面内方向(Br)=±550mT 面直方向(Bz)=±140mT |
Z軸方向の観察穴 | φ2.5mm |
寸法 | 74(W) x 74(D) x 123.5(H)mm |
重量 | 2.5kg |
コイル(本体に3個のコイルを組み込み) | |
抵抗(20℃) | 36.8mΩ |
最大抵抗(80℃) | 45.2mΩ |
最大DC電流 | 62A |
瞬時最大電流 | 100A |
最大DC電力 | 175W / coil |
瞬時最大電力 | 450W / coil |
最大のトータル電力(時間平均) | 750W / magnet |
コイルのインダクタンス | 127μH / coil |
必要水冷能力 (18℃@ 413.8kPa) |
8L / min |
最大サイン波周波数 | 約200Hz |
インターロック作動温度 | 80℃ |
推奨 バイポーラ電源 |
DC出力レンジ | 電力(W) | |
---|---|---|---|
電圧(VDC) | 電流(ADC) | ||
BOP 5-20DL型 (20Aまで) ※3台必要 | 0 ~±5V | 0 ~±20A | 100 |
BOP 10-100型 (100Aまで) ※3台必要 | 0 ~±10V | 0 ~±100A | 1000 |
フラックスプレート使用時の特性
3mmのフラックスプレート(標準付属)を取り付けた場合の特性
フラックスプレートを取り付けた図
出力磁場の強度とステージ面からの高さの関係
図1. 磁場強度 v.s. 上面ステージからの高さ
(62A駆動、3mmフラックスプレート付き)
※ ステージ面に垂直方向の磁場(Bz)を発生させる ためには、3個全てのコイルに等しく電流を流す必要 があります。ステージ面に平行方向の磁場(Br)は 磁束を発生させるコイル、吸収するコイルとアンパ ワーのコイルにより得られます。
出力磁場の均一性
均一性(φ2mm) v.s. 上面ステージからの高さ
操作事例
106mTの面内回転磁場の発生方法
※3mmフラックスプレート使用時
フラックスプレートから5mmの高さで磁場を計測
ステージ上面に3mmのフラックスプレートを取り付け、 プレートから5mmの高さで面内(Br)方向に106mTの 回転磁場が発生するように各コイルの励起電流を計算 しています。
この回転磁場は極めて低いリップル (~0.5mT)とBz 磁場成分 < 0.1mT を実現しています。
面内方向に回転磁場を発生させたい場合、3個のコイルを 互いに120度の位相差をもつ電流波形にて励起させます。
その波形は非線形飽和の影響により理想的な正弦波では ありません。残留リップルは、励起波形の微調整により 減らすことが可能です。