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4990EDMS-120K 高周波インピーダンス測定システム

特許

4990EDMS-120Kは、東陽テクニカが自社開発(国内特許第6324648号、中国特許番号:CN 111226120 B)した世界初の全固体電池向けの高周波インピーダンス測定システムです。最大100 MHzの高周波インピーダンス測定と80 K~473 K の幅広い温度範囲を安定して制御する事を両立させた装置です。この技術により、従来は観測できなかった固体電解質特有の粒内、粒界のインピーダンスを分離し、電解質内での現象を精確に捉える事が出来ます。

株式会社東陽テクニカ  理化学計測部
phone03-3245-1103
Mail:keisoku[at]toyo.co.jp

特長

  • 80K ~ 473Kの広い温度範囲
  • 100MHzの高周波数特性
  • 密閉・加圧式サンプルホルダを用意
  • 専用制御ソフトウェアで温度可変とインピーダンス測定を全自動化

仕様

測定周波数範囲 20Hz ~ 100MHz
AC電圧 5 mVrms ~ 1Vrms
DC電圧 ± 40 V
補正機能 オープン/ ショート/ ロード
測定範囲 25 mΩ ~ 40 MΩ
温度範囲 80K ~ 473K
サンプル雰囲気 Heガス置換、大気またはガス置換
オプション ・標準サンプルホルダ
・密閉サンプルホルダ
・加圧式サンプルホルダ
・オーバヒート防止キット

システム構成例

本システムは、温度コントローラとインピーダンスアナライザをPC 上のEDMS ソフトウェアによって自動制御し、測定の実行・測定データの取得が行われます。
下記はクライオスタットLN-Z2-HFのシステム構成図となります。

全固体電池材料評価装置 全固体電池正極材 電気抵抗の温度変化 アレニウス評価 電子伝導評価

連動可能な温調システム

LN-Z2-HFについて
全固体電池の材料となる固体電解質のイオン・電子伝導評価には、温度コントロールと100 MHzの高周波でも精度よく測定する事か可能なシステムが必要です。本製品は90 k~473 kの温度可変と20 Hz~100 MHzの範囲で良好な周波数特性(特許技術)を持つサンプルホルダ兼クライオスタットです。本製品は温度とインピーダンス測定をEDMSソフトウェアにて全自動化する事が可能です。製品の詳細に関しては下記よりご覧ください。

全固体電池材料評価装置 全固体電池正極材 全固体電池の課題 アレニウス評価 電気抵抗の温度変化

詳細はこちら

HT-Z2-HFについて
半導体や絶縁体酸化物などの抵抗素材には、抵抗温度依存性が有ります。本製品は室温~800℃までの温度範囲をコントロールしながら、 20 Hz~100 MHzの範囲で良好な周波数特性(f特性)を持つサンプルホルダ付き加熱炉です。
EDMSソフトウェアにて加熱炉の温度制御を行い、任意の温度にてインピーダンス測定を実施することが可能です。
HT-Z2-HFの詳細に関しては下記よりご覧ください。

抵抗温度依存性 半導体の抵抗 高温熱伝導率測定 電気抵抗の温度変化

詳細はこちら

測定事例

LLZT 固体電解質のバルク・粒界の活性化エネルギーの算出例
周波数範囲:20 Hz ~ 100 MHz 測定温度 :220 K, 240 K, 260 K, 280 K, 300 K
技術協力 :物質・材料研究機構 太田鳴海氏

全固体電池 酸化物系固体電解質 硫化物系固体電解質 粒界抵抗 固体電解質とは

全固体電池 等価回路 固体電解質の基礎 粒界抵抗 バルク抵抗

300px全固体電池 インピーダンス測定 固体電解質 ナイキストプロット 粒界抵抗とバルク抵抗

インピーダンス測定結果(280K)

各温度で測定を実施

全固体電池 固体電解質 固体電解質の特性評価 アレニウス解析 バルク抵抗

全固体電池 固体電解質 固体電解質の特性評価 アレニウス解析 粒界抵抗

アレニウスプロットによる活性化エネルギーの算出

オーダーインフォメーション

型番 品名
4990EDMS-120K インピーダンスアナライザ(120MHz ~ 20Hz)
構成品:
E4990Aインピーダンスアナライザ本体、EDMSソフトウェア、
GPIB-USBインターフェースケーブル、42941A
LN-Z2-HF 高周波対応クライオスタット(80K ~ 450K, DC ~120MHz)
構成品:
高周波ロッド、温度コントローラ、真空ポンプ
LN-Z2-HF-SH LN-Z2-HF用 標準サンプルホルダ
LN-Z2-HF-GT LN-Z2-HF用 密閉サンプルホルダ
LN-Z2-HF-PH LN-Z2-HF用 加圧式サンプルホルダ
LN-Z2-HF-OHP LN-Z2-HF用 オーバーヒート防止キット

「高周波インピーダンス測定システム」を語る

高周波インピーダンス測定システムの構造はシンプルで、ディスク状の固体電解質のサンプルをホルダで電極に挟み、内部抵抗を測定するというもの。

このシステムの販売開始にあたり、 理化学計測部 部長、課長にお話をうかがいました。

S部長:
昨今の二次電池の研究開発は活発です。当社にも固体電解質のイオン伝導評価、すなわち全固体電池の研究開発に使用する「インピーダンス測定システム」の問い合わせが急増していました。固体電解質は、固体といっても、粉体を固めたもので、ナノレベルでは粒子の集まり。粒子の粗さや密度なども性能に関わります。

―開発段階では、電池の内部抵抗を単純に測っても改良にはつながらない。
高周波インピーダンス測定なら、サンプルの粒内抵抗、粒界抵抗、電極界面抵抗と通常の計測では分離できない反応を個別に計測できる、ということですね。

S部長:
高周波インピーダンスでの測定によって、材料だけでなく、製法の善し悪しも判断できます。

I 課長:
例えばこのサンプルは、”電極の界面の抵抗が大きい”、”圧力の調整がたりないので性能が出ていない”など、内部の状態を可視化できるわけです。

―特筆すべきなのは、既存の製品では、1メガヘルツ程度だった測定周波数範囲を100メガヘルツまで可能にしたことだとか。

I 課長:
今までは周波数が低すぎて粒内抵抗と粒界抵抗を分離できなかったことが、全固体電池の研究者の悩みでした。その解消のために当社がチャレンジして開発したのがこの機器です。このシステムは、「全固体電池開発を加速させるシステム」といえましょう。

―制御温度範囲も80K~473K(標準ホルダ使用時)と広く、専用の制御ウェアで温度可変とインピーダンス測定を全自動化できるとのこと。素晴らしいシステムですね。

当社製品をぜひご検討ください。

●メディア掲載●
2018年5月14日発行
『新エネルギー新聞』第104号
株式会社新農林社

EDMSソフトウェア

東陽テクニカ社製 EDMS制御ソフトウェア

C-V測定、インピーダンス測定を制御、複雑な試験パターンにも対応しています。
測定テクニック Scan Temperature (Step)
Scan Temperature (List)
Scan Bias
Scan Freq
Set Temperature (Single point)
Set Bias (Single point)
Meas/Sweep Bias Measurement
Meas/Sweep Freq Measurement
Meas/Scan Bias and Multiple Freq Measurement
Repeat
Wait
温度コントローラ LakeShore 336
LakeShore 335
理化工業 HA-900
データ保存 EDAT format (csv形式保存)
Z format (ZView形式保存)
ZView Link 機能 リアルタイムでZView表示可能
通信インターフェース GPIB、LAN、USB(LakeshoreはGPIB、USB / 理化工業はRS-232C)
動作環境 Windows 10 Pro (64bit) バージョン 1607 以降 / Windows 11 Pro (64bit)