- ・8600型VSMを用いた微小モーメント測定
- ・クライオスタットと冷凍機のテクニカルガイド(入門編)
- ・8600型VSMを用いた温度可変微小モーメント測定
- ・温度可変・4探針シート抵抗測定
- ・電気計測-今さら聞けない5つの落とし穴-
- ・太陽電池、光検出デバイスの外部量子効率特性の高感度・高速測定
- ・FIR vs. IIR ロックイン測定高速化のためのフィルタリング
- ・ナノ構造材料の微小信号測定の信頼性を上げる新たなアプローチ
- ・コモンモードノイズ干渉の影響を最小限に抑えるための実用的なガイド
- ・ナノ材料における量子ホール効果測定-M81型 ロックインアンプ搭載ソースメジャーユニットの使用
- ・M81型機能紹介⑤ ダイナミックレンジの大きなロックイン測定
- ・M81型機能紹介④ 1台でDC+ACロックイン測定
- ・M81型機能紹介③ オートレンジでのロックイン測定 その2
- ・M81型機能紹介② オートレンジでのロックイン測定 その1
- ・M81型機能紹介① ロックインアンプとは
- ・極低温プローブステーションにおける微小電流測定で考慮すべき点
- ・フレキシブル(CVT)プローブの効果
- ・VSM/AGMの原理・特長と磁性材料の評価
- ・ACホール測定の原理
- ・半導体の性能を測定する・新開発ホール測定システムレジテスト8400について
- ・磁石の高性能化に貢献 モーターの省電力化から、コンピュータの大容量化まで、幅広い産業分野の発展に
- ・高効率太陽電池をになう~キャリア濃度と移動度の測定~
技術資料
ガウスメータプローブの選び方
最適なプローブを選択することは、おそらく最も難しく、最も重要なことです。ガウスメータの本体を選択したら、次はプローブを選択しなければなりません。誤ったプローブを使うことは、確度の
低下につながり、最悪の場合にはプローブを無駄にしてしまうことにもなります。ここでは、プローブの最適な選択方法を説明します。
もし、選択に困った場合には、東陽テクニカまでご相談ください。お客様の測定に最適のプローブをご紹介いたします。
測定レンジとプローブタイプ
一般的なプローブは、4つまたは5レンジを持っています。この磁場レンジ以外で操作をすると性能を減衰させ、しばしば高いノイズと分解能の悪化を伴います。正しいプローブの選択が最適な性能を保証します。
高安定(HST-1、HST-2、HST-3、HST-4)
HST プローブは、他のプローブに比べて温度安定度がよく、大きな温度変化が予想される場合に最適です。
高感度(HSE、HSE-1)
比較的小さなアクティブエリアを持っているため、様々なアプリケーションで便利に使えます。
超高感度(UHS、UHS-1)
UHS プローブは、他のプローブよりも大きく、とても大きなアクティブエリアを持ちます。小さな体積のフィールドや狭いスペースでの測定には実用的ではありません。
磁場の向き
トランスバース型
長方形の形をしたトランスバースプローブは、軸の幅に対して垂直方向の磁場を測定します。
アキシャル型
円筒型のアキシャルプローブは、プローブ端面に垂直方向の磁場を測定します。
タンジェンシャル型
タンジェンシャルプローブは、サンプル表面近傍の平行磁場を測 定するために設計されたトランスバースプローブです。
軸材料とAC 磁場測定
ホール効果型のガウスメータは、定常的なDC 磁場と周期的なAC 磁場の測定のどちらにも適していますが、最適なパフォーマンスを得るには、正しいプローブの選択が必要です。
金属軸
金属軸のプローブは、DCや低周波のAC 測定に最適です。デリケートなホールセンサを保護するために、プローブ軸には非磁性金属が使われます。アルミニウムは最も一般的な軸材ですが、真鍮も使用されます。金属軸は1 つの欠点を持っています。それはAC磁場中で軸材中に渦電流を発生させることです。これらの渦電流は、磁場と反対向きに発生し、測定誤差を引き起こします。この誤差の大きさは周波数に比例し、800Hz 以上で顕著になります。
非金属軸
非金属軸材は、高周波のAC 磁場やパルス磁場の測定に使います。ファイバーグラス/エポキシは、一般的な非金属軸材であり、ホールセンサがセラミックス基板に触れないようにするのに使います。渦電流は、これらの絶縁材料の周波数レンジを制限しませんが、他の要因を制限する恐れがあります。
注意:どちらのプローブも、高電圧に直接触れないで下さい。
磁気勾配
もし、測定する全ての磁場が大きく且つ均一であるなら、プローブ選択は簡単になるでしょう。しかし、ほとんどの磁場は体積で制限され、磁気勾配を持っています。ホール効果型プローブは、そのアクティブエリアの平均値を測定し、アクティブエリアと磁気勾配との関係を理解することが必要です。 アクティブエリアとプローブ先端間の距離を知っておくことが重要です。プローブチップとアクティブエリアの距離は、アキシャルプローブでは仕様付けされていますが、トランスバースプローブでは定義 付けが容易ではありません。詳しくは、プローブの仕様をご参照ください。
アクティブエリア
HSE およびHST プローブは、1mm オーダーの直径のアクティブエリアを持っています。測定磁場は、アクティブエリアでの平均ですが、急峻な磁気勾配がない限り、測定値は実際の磁場を正確に表現します。もし、アクティブエリア内で磁気勾配をもつような測定をする場合には、できるだけ小さなアクティブエリアのプローブを選択しなければなりません。
小さなアクティブエリア
小さなアクティブエリアのHSE およびHST プローブは、急峻な磁気勾配の測定や高分解能の磁場分布測定に最適です。
UHSプローブ
UHS プローブは3.5 インチ(8.9cm)の非常に長いアクティブエリアを持っています。このプローブは、磁気勾配がほとんどないとても微小な周辺磁場測定のために設計されています。このプローブは30G以上にさらさないで下さい。
プローブの耐久性
すべてのホール効果型プローブは、壊れやすいです。一般にプローブ軸先端に位置するセンサを、曲げたり、衝撃を与えたり、擦ってはいけません。薄型のトランスバースプローブや細いアキシャルプローブを選択することが良いように思われるかもしれません。が、アプリケーションに合った最も頑丈なプローブを選択するようにして下さい。例えば、MMT-6J04-VR(アルミニウム軸材)は、MF T-3E03-VR(フレキシブル軸材)よりもダメージを受けにくく、MMA-2502-VR(φ 1/4 インチ、アルミニウム軸材)は、センサが露出したMNA-1904-VR(3/16 インチ、ファイバーグラス軸材)よりも頑丈です。
注意:プローブの軸の部分では、決して固定しないで下さい。もしプローブを固定する場合には、ハンドルの部分を固定して下さい。
温度補償プローブ
温度は磁気感度とオフセット電圧のどちらにも影響を与えます。まず、一般的に温度上昇により磁気感度が減少します。次に温度上昇によりオフセット電圧が変化します。この誤差は、低磁界で問題となります。460 型は、高感度プローブ(HSE)と共に使用すると、温度補正された高精度な測定を実現します。(455 型・475 型は、温度補償プローブと共に使用した場合に補正可能)温度補償プローブは、プローブ先端に内蔵された温度センサが温度をモニタリングしてホールセンサの温度ドリフトを補正します。
測定のポイント
- 磁気測定
- ・磁気測定アプリケーション
- ・磁気測定方法
- ・ガウスメータ
- ・磁気測定全般
- 低温測定
- ・温度センサー
- ・温度コントローラ・モニタ
- ・その他(低温測定)
- ・極低温プローバー
- ・低温測定全般
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- ・ノーベル賞で改めて注目された青色LEDとは?
- ・AGM・VSMの原理・特長と磁性材料の評価
- ・省電力・再生エネルギー技術への貢献を目指して― 半導体物性測定システム ―
- ・ResiTest8300シリーズ 比抵抗/ホール測定システム(野村 研二 氏)
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