電源装置における絶縁の意味と必要性

電源装置における絶縁の意味と必要性

当社取扱いのプログラマブル電源のほとんどは、入力側と出力側が絶縁されている絶縁型の電源装置です。本記事では電源における絶縁の意味と、その特性が望ましい理由についてご紹介します。

絶縁型の電源装置は、出力が入力から電気的に独立しています。つまり、入力と出力の間に接続はありません。複数の出力がある絶縁型電源装置の場合は出力電圧も互いに独立しており、出力間も互いに接続はありません。

それでは、絶縁型の電源装置が望ましい理由とは何でしょう?

1.安全性

絶縁型の電源装置が望ましいとされる最も重要な理由は安全性です。絶縁により、出力電圧に入力側のAC電圧が乗ることが防止されます。特に医療機器で使用される電源では絶縁が非常に重要です。「IEC 60601-1:医療用電気機器-パート1:基本的な安全性と性能に関する一般要件事項」に医療用アプリケーションで使用される電源の要件が明記されており、絶縁についても記述があります。

2.グラウンドループの防止

絶縁型の電源装置が望ましいもう1つの理由は、グラウンドループを防止することです。 2つ以上の回路が共通のリターンパスを共有すると、グラウンドループが発生します。システムにグラウンドループがある場合、ループを流れる電流によって回路が誤動作する可能性があります。絶縁型電源を使用することによりグラウンドループが遮断され、誤動作の発生を防ぎます。

3.柔軟性

複数の絶縁出力を備えたベンチトップ電源(例:AMETEK PPD社製XELシリーズなど)は、柔軟性に優れています。このタイプの電源は直列接続で高い出力電圧を得ることや、並列接続で高い出力電流を得ることが容易に行えます。

絶縁型の電源装置でも、入力と出力の間、または2つの出力の間の絶縁が100%になることはありません。理由は、絶縁体は完全ではなく、少しの導電性があるからです。この導電性により漏れ電流が発生します。また、絶縁体にも有限の絶縁破壊電圧があります。

2つの回路間の絶縁レベルを低下させる要因は、浮遊容量と相互インダクタンスです。例えば、トランスの1次巻線と2次巻線の間には浮遊容量があり、これが電源の入力と出力の間の絶縁レベルを低下させます。相互インダクタンスもまた、2つの回路間の絶縁レベルを低下させる可能性があります。これらが問題になる場合、解決策としては2つの回路間の距離を取ることです。

2つの回路間の絶縁を測定する方法は2つあります。
1つ目の方法抵抗を測定することです。抵抗が非常に高い(20MΩ以上)ため、測定を行うためには一般的なマルチメータでは不十分な場合があるので注意が必要です。
もう1つの方法はハイポット試験を実行することです。このテストを行うには、2つの回路に高いDCまたはAC電圧を印加し、漏れ電流を測定します。このテストを実行するために特別に設計された試験機(耐圧絶縁抵抗試験機)があります。

電源装置の絶縁に関して、もう1つ重要なことは電源の入出力間だけでなく制御入力(アナログ制御とデジタル制御の両方)が絶縁されていることです。制御入力が絶縁されていると、制御回路の信号が電源装置の出力に影響を及ぼすことがなく、安心して使用できます。

※電源装置の絶縁については、概ねデータシートまたはマニュアルにて確認することができます。通常は絶縁電圧にて記載されています。英文の場合、isolationまたはinsulationの項目をご確認ください。

参考資料

AMETEK Programmable Power社のブログ
「What is Power Supply Isolation & How is it Used?」