FAQ

HYPACKに関する質問

13.ボリューム---体積計算(Volumes)

ID.Q13-11

Q. End Area法体積計算の断面間の距離の決め方(Determining Distance Between Lines for Average End Area Volumes)

A.


計画測線が平行である場合、測線間距離の決定はとても簡単です。計画測線が平行でない場合に問題が生じます。二本の測線間の距離決定は土量に影響を与えます。
例えば 、右図でArea1及びArea2(各々の計画測線上の面積)は、定数であり、計算結果の土量は、Lの値(測線間距離)が大きくなるにつれ増加します。

もし私が、港湾管理機関の人であれば、計算結果の土量を最少にするLの値を選び土量が少なくなるよう試みるでしょう。反対に、私が浚渫工事会社の人 であった場合、正しいLの値は出来るだけ大きな値に出来るものを主張するでしょう。双方の主張のバランスをとる為に、平行でない測線に対する、Lの値の決 定法が必要です。この章では我々が使用している所をみた、いくつかの方法について考察しHYPACK® MAX で使用されている方法について説明します。

Midpoint Method(中点法)
: 一つの方法は、測線の中点を結び測線間距離を決めます。右図の赤線がこの方法により決められた距離を示しています。
一方の測線がもう一方の測線にたいしてオフセットされていない状態の時には、この方法は良い近似を示す傾向があります。

右図にこの方法を使用しないであろう状態の例を示します。短い測線(Line1)と長い測線(Line2)が あるとします。各測線の中点は、測線に対して直行していません。この方法で計算されたLの値は二本の平行な測線の距離100’よりずいぶんと長くなってし まいます。これが結果として土量を多く見積もってしまいます。

Endpoint Method(端点法)
: その他の方法は、各測線の端点を結んだ線分を平均する方法です。右図では、Lの値を得る為にL1とL2を平均します。
この方法は、測線が同じ長さの時はかなりうまく機能します。うまくいかない場合は、下図に示すように一方が他方より長い時です。

この図で平行測線間の距離は100’です。しかし、Line1はLine2よりずっと短いです。この例では、 各端点間の距離は140’です。この値を使用するとこの部分で40%多く土量を計算してしまいます。このような場合、この方法を使用する事は不正と思われ てしまうでしょう。

Equal Area(等面積法)
: 最近我々がみた方法は線の両側の各面積を等しくするようにLの値を選択する方法です。
図で示すように、Lの値は、左側の面積(Area1)と右側の面積(Area2)が等しくなるように選択されています。
この方法は、おそらくその面積を通る線によって等しくされた面積”centroid”を決める為に開発されたのであろう。例の部分にて、この方法が一般にこの部分の土量を多く見積もってしまう事を示しましょう。

HYPACK® MAX Method(HYPACK® MAX法)
: 数年前多くのテストを経て我々は土量計算に使用する測線間距離決定の為のこの方法を提案しました。
Line1の中点を起点とし、Line2へ直行するように垂線をひきます。これをL1と呼びます。次にLine2の中点を起点とし同様に垂線を引きます。これをL2と呼びます。続いてLの値を決める為に、L1とL2の平均をとります。
この方法により、とても良い測線間距離の近似計算をほとんど全ての場合について行えます。

実例
: これらの方法を試し計算された土量の差を示す為に以下の例を示します。
Line1とLine2は左の点が接しています。Line1は100’の長さでLine2は116.62’の長さです。右端で60’離れています。これは右の三角形を形作ります。
入力した計画面より1’海底が上にあるとみなします。Line1上の面積は、100 ft² でLine2上の面積は116.62 ft²になります。
数学的に三角形の面積は3,000 ft²です。海底面が計画面より1’上にあるので数学的な土量は3,000 ft³です。

例: Midpoint Method(中点法)
: 各線分の中点を使用すると、L値は30’になります。これを平均断面法の公式にあてはめます。
V = L * (A1 + A2) / 2
V = 30. * (100. + 116.62) / 2.
V = 3,249.30 ft³ (+8.3%)

例: Endpoint Method(端点法)
: この方法を使用し、二本の計画測線、各々の端点間距離を計算します。左側の距離は0’であり右側の距離は60’です。従って平均の距離は30’です。この結果は中点法で使用した距離と同じになりました。
V = L * (A1 + A2) / 2
V = 30. * (100. + 116.62) / 2.
V = 3,249.30 ft³ (+8.3%)

例: Equal Area Method(等面積法)
: この方法では、Area1の面積(三角形)とArea2の面積(台形)が等しくなるようにLの値を計算しなければなりません。ちょっとした代数と幾何学を使いL値が42.43'であり、両面積は1,500 ft².になることが判明します。
この結果を平均断面法の公式にあてはめると下記答えがえられます。V = L * (A1 + A2) / 2
V = 42.43 * (100. + 116.62) / 2.
V = 4,595.59 ft³ (+53.2%)

例:HYPACK® MAX Method(HYPACK® MAX法)
: Line1の中点よりLine2へ垂線をひくと、その長さL1は25.72'です。Line2の中点よりLine1へ垂線をひくと、その長さL2は30'です。L1とL2の平均をとると、27.86’になります。
平均断面法の公式にあてはめると下記の答えがえられます。
V = L * (A1 + A2) / 2
V = 27.86 * (100. + 116.62) / 2.
V = 3,017.5 ft³ (+0.5%)

要約すると、HYPACK® MAX法によって計算されたL値が、数学的事実に最も近い平均断面土量となりました。これは、他の方法より我々の方法が優れていることを示す、我々が行ってきた数々の例中の単なる一例にすぎません。

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