Spirent Communications Inc(スパイレント コミュニケーションズ社)

Sub6GHz帯ビームフォーミング機能検証「フェーズマトリクス」

Spirent社が提供するフェーズマトリクスは、5G Sub6GHz帯のビームフォーミング試験において、コスト、スペース、試験工数の観点で、非常に効率的な試験ソリューションです。従来、ビームフォーミングのビームの形成や向きを確認するためには電波暗室を利用したOTAの試験系が一般的でした。一方で、 Sub6GHz帯用のOTA環境としては、数m~数十m級の非常に大きな電波暗室が必要になります。フェーズマトリクスは、ビームフォーミングにおけるビームの基本性能をラボ内で簡単に評価するための疑似OTA環境を提供します。

特長

  • 5G Sub6GHz周波数に対応
  • 多彩なポート構成:64x16ポート、32x8ポート、他
  • 位相調整機能、減衰量調整機能
  • 省スペース
  • 多くのモバイルキャリア、機器ベンダでの利用実績
  • キャリブレーション用のCal boxも付属

フェーズマトリクス内部ブロック図

仕様

RF仕様(64x16ポートモデル)

ポート数 入力64ポート、出力16ポート
周波数(GHz) 2.3-5
インピーダンス(Ω) 50
最大入力パワー(dBm) +33
VSWR ≤1.8
挿入損失(dBthtd> ≤55
減衰レンジ(dB) 0-90
減衰ステップ(dB) 0.5 dB
減衰精度(dB) ±0.5 (0.5-16dB)
±1.0 (16-31.5 dB)
±1.5 (31.5-47.5 dB)
±2.0 (47.5-63dB)
±2.5 (63-90dB)
位相調整ステップ(deg) 1
位相調整レンジ(deg) 0~359
コネクタタイプ/コネクタ数 SMA(F)またはN型(F)/80

アプリケーション

ケース1:Massive MIMO試験

64個のアンテナ素子を持つAAUと複数UE間の通信における、MU-MIMO環境下のビームフォーミングの基本機能を確認します。

  • この例ではUE間の信号干渉を防ぐため、UEを個別にシールドボックスに入れます。
  • AAU~Phase Matrix~シールドボックス間をケーブルで接続します。
  • Phase Matrixで、AAU~各UE間のリンクを、そのUEの配置方向に合わせた位相に設定します。
  • 以上の設定により、UEの発信方向を基地局が検出しその方向にビームを形成した場合だけ適切に通信が行えるようになります。

ケース1:Massive MIMO試験

ケース2:Massive MIMO試験 (RFチャネルエミュレータと組み合わせ)

ケース1の系のフェーズマトリクスとUEの間にRFチャネルエミュレータを挟むことで、より実環境に近い電波環境を疑似し、より効果的に通信パフォーマンスを評価します。

ケース2:Massive MIMO試験 (RFチャネルエミュレータと組み合わせ)

ギャラリー

制御画面

フェーズマトリクス 制御画面

キャリブレーション画面

フェーズマトリクス キャリブレーション画面

位相スイープの設定画面

フェーズマトリクス 位相スイープの設定画面

その他の情報

フェーズマトリクス 位相キャリブレーション

Calibration Switch Boxとネットワークアナライザを接続していただくことで、接続ケーブルを含めた精密な位相の校正が可能です。
位相校正は、システム構築時とその後は数か月に1度実施されることを推奨しております。