インディーの夢を胸にAAAの舞台へ──P4/P4 Planと共に歩んだ、Triple Borisの成長の軌跡

*本記事はPerforce Software社の以下の記事の参考訳です。
 From Indie Dreams to AAA Reality: Triple Boris's Journey with P4 and P4 Plan
*記事の内容は公開時から更新されている可能性があります。

ゲーム開発に用いている主な技術・ツール構成

情熱的なプレイヤーたちの心を掴み、コミュニティをつなぐゲームを届ける。そんな使命を胸に、Simon Dansereau氏は2016年にTriple Borisを設立しました。ゲームスタジオから仕事を受託する形で3人のフリーランスチームとしてスタートしたTriple Borisは、今やいくつもの大規模タイトルや人気フランチャイズゲームの開発に携わる、インディースタジオへと成長を遂げ、注目を集めています。

現在Triple Borisは、これまでで最も意欲的かつ革新的なタイトル『Hack 'n' Stack』のリリースに向けて準備を進めています。このゲームは、仲間と一緒にワイワイ盛り上がりながら楽しめる、ドタバタな協力プレイが魅力の新作ゲームです。

Triple Borisについて

Triple Borisは、カナダ・ケベック州に拠点を置く独立系のゲーム開発スタジオです。ゲーム開発プロセス全般にわたるサポートをさまざまな規模のスタジオに対して提供するほか、オリジナルのゲーム開発にも取り組んでいます。Unityでの開発やゲームの移植作業に精通しており、技術的なサポートから、ゲームの設計やプロセス最適化の支援まで、多岐にわたるサービスを提供しています。

Triple Boris設立前、創業者のSimon Dansereau氏は、jamdatやUbisoftといったスタジオでゲーム開発者およびリードプログラマーとして数年間の経験を積んでいました。その後、LinkedInを通じてゲームスタジオ向けのフリーランス業務を開始し、案件が増える中でスタジオ設立への投資も集まったことから、小さなチームを結成することを決め、jamdat勤務時代の同僚であるJean-Philippe Pinsonneault氏をテクニカルディレクターとして迎え入れました。

Triple Borisは、ZeniMaxやActivisionといったAAAスタジオとの強固なパートナーシップを築き、信頼のおける共同開発パートナーとしての地位を確立してきました。高い技術力と仕事への真摯な姿勢が評価され、スタジオとして目覚ましい成長を遂げ、現在は50名以上が所属しています。

大手から小規模まで、さまざまなパートナーと協働する中で、Triple Borisは多様な開発プロセスやワークフロー、そして最新のゲーム技術に触れてきました。こうした経験が成長の原動力となり、競争の激しいゲーム業界においてもプロジェクトの依頼が絶えない、注目のスタジオとなっています。

課題

  • 大容量アセットや巨大なプロジェクトリポジトリの取り扱いに苦労していた
  • AAAパートナーとの仕事をするため、エンドツーエンドの暗号化を備えた安全なワークフローが求められていた
  • プロジェクトの拡大と急速に増加するチームメンバーへの対応
  • 限られた予算での運営

スタジオの立ち上げ当初から、Triple Borisには大規模プロジェクトに対応できるバージョン管理システムが必要でした。ゲーム開発での長年の経験、そしてモントリオールでゲームプログラミング教育に携わってきた経験を通じて、Dansereau氏はPerforceが業界で高く評価されていることをよく知っていました。

Triple Borisは当初、少人数チーム向けに無償提供されているPerforce P4(旧 Helix Core)を利用していました。しかし、開発者やプロジェクトが増えるにつれて、無料枠である5ユーザー/20ワークスペースの制限ではすぐに足りなくなりました。キャパシティ不足は補いたいものの、有償のバージョン管理システムを導入するにはコスト面でためらいがあったTriple Borisは、そこで他の無料ツールの使用も検討し始めました。そして行き着いたのが、開発者の間で広く使われているGitでした。

しかし、Gitでは変更履歴の把握が難しく、他のチームメンバーの作業内容が見えにくいという問題に直面しました。さらに、Git Large File Storage(LFS)でのアセットやファイルの管理も思うようにいかず、作業の非効率さに悩まされていした。

こうした経験からTriple Borisは、チームでの共同作業がスムーズに行え、大容量ファイルや巨大なプロジェクトリポジトリの管理にも優れたバージョン管理システムが必要だと痛感しました。

解決策

  • 制限なく制作に取り組める、P4によるバージョン管理の基盤を構築
  • アーティストがP4上で常にプロジェクトの最新版にアクセスできるため、制作効率が向上
  • エンタープライズレベルのセキュリティを備えたP4により、安全かつスムーズなコラボレーションを実現
  • P4 Plan(旧 Helix Plan)によるプロジェクト計画の一元化とカスタムワークフローの構築

Triple Borisは、上述の課題に対処するため、バージョン管理のソリューションとしてP4の導入を決定。アセットやコードの管理を効率化し、コラボレーションもスムーズにするため、開発者とアーティストをはじめとする全チームでの導入を行いました。さらに、P4のチェックアウト保護機能や変更のシェルブ(退避)機能によって、開発者たちは他のチームに影響を与えることなく"変更"をテストできるようになりました。

「P4は導入初日から、動作も速くて効率的で、学びやすく、理解しやすく、しかも豊富なリソースが揃っていました」

— Simon Dansereau, Chief Executive Officer, Triple Boris

P4を導入したことで、Triple Borisは「唯一の信頼できる情報源(Single Source of Truth)」の下で作業ができるようになり、より強固なコラボレーションが実現しました。そして、最新作『Hack 'n' Stack』をはじめ、あらゆる規模のプロジェクトに対応できる開発体制が整いました。『Hack 'n' Stack』は、ある王国を取り戻すべく、急ごしらえの建築士チームが力を合わせて戦う、仲間と一緒に盛り上がれる協力プレイのゲームです。

また、Triple BorisではP4と併せて、プロジェクト管理ツールとしてP4 Planを活用しています。契約が決まった段階や新しいプロジェクトの立ち上げ時には、P4 Planをすぐにセットアップして、メンバーを割り当てます。CAPM®認定プロジェクトマネージャーのMichelle Laflèche氏が全プロジェクトを統括し、P4 Planを活用して、各メンバーに明確なタスクを割り振るとともに、全体の進捗を可視化しています。

「私たちはアジャイル手法を採用しているのですが、P4 Planはスプリント計画、チーム内のコミュニケーション、そして長期的なビジョンとの一貫性を保つうえでも非常に役立っています。レポート機能を使えば、パフォーマンス上の問題をすぐに把握し、必要に応じて計画を調整しながらプロジェクトを順調に進めることができます。変化に応じて柔軟に対応しながら着実に進められることが、プロジェクト成功のカギとなっています」

— Michelle Laflèche, Project Manager, CAPM, Triple Boris

Triple Borisでは、P4およびP4 PlanをAWS上で運用しています。当初は無料インスタンスを使って運用を始めましたが、チームやプロジェクトの拡大に伴い、わずか数年で運用をスケールアップしています。Simon氏はこう語ります。「インスタンスに合わせたサーバーの拡張も簡単で、自分たちのニーズに対してAWSは問題なく対応してくれます。セキュリティの設定なども含めて、手間がとても少なくて済みます」

導入効果

P4プラットフォームを最大限に活用することで、Triple Borisは社内のメンバー間だけでなく、外部パートナーとのコラボレーションを大きく向上させました。常に質の高い仕事をするという姿勢を貫いてきたことで、AAAスタジオやカナダ国内のゲームスタジオの間で、信頼できるパートナーとしての評価が確かなものとなり、Triple Borisには、革新的なゲームやプロジェクトへの新たな参画の機会が数多く舞い込んでいます。

そうした土台の上に築かれたのが、Triple Borisにとって大きな節目となるタイトル『Hack 'n' Stack』の開発です。この作品は、長年にわたる成長の集大成であり、チームの創造力と技術力を体現するものとなっています。『Hack 'n' Stack』で彼らが目指しているのは、単にゲームを作ることではありません。このゲームを通じて、プレイヤー同士をオンラインでもオフラインでもつなぎ、さらには彼ら自身のビジョンを形にするための試みのひとつでもあります。

P4プラットフォームを体験しよう

Gitの制約に悩んでいたインディースタジオであるTriple Borisが、どのようにしてAAAゲームの共同開発者へと成長を遂げたのか――その裏側を知るには、Perforce P4とP4 Planを実際に使ってみるのが一番です。P4は、ユーザー5人・ワークスペース20までなら、機能制限なしで無料でご利用いただけます。

『Hack ‘n’ Stack』誕生の舞台裏へ

『Hack ‘n’ Stack』の映像をもっと見たい、Triple Borisの開発やクリエイティブ制作のプロセスについてさらに深く知りたいと思いませんか?PerforceのシニアソリューションエンジニアであるJase Lindgrenが、Triple Borisのコミュニティマネージャー兼コンテンツクリエイターのSophie Blanchette氏、CAPM®認定プロジェクトマネージャーのMichelle Laflèche氏、そしてゲームデベロッパーのAndrew Gareau氏にインタビューを行いました。この対談では、以下のようなトピックについて語られています:

  • 『Hack 'n' Stack』誕生の裏話
  • パートナーとの共同開発から、自社IPの創出へ──Triple Borisの進化
  • P4による開発者およびアーティストのワークフロー最適化とチームコラボレーションの強化

『Hack ‘n’ Stack』をプレイしよう

『Hack ‘n’ Stack』に興味を持たれた方は、ぜひ以下のリンクからSteamのウィッシュリストに追加してみてください。

Steam

■ お問い合わせ先 ■

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