May 6, 2025

現在のセキュリティ情勢を踏まえた、P4サーバー保護と堅牢化のすすめ

*本記事は Perforce Software社の以下のブログ記事(2025年5月6日時点)の参考訳です。
 Securing and Hardening Your P4 Server in Today’s Security Landscape
*ブログの内容は更新されている可能性があります。

Perforce P4(旧 Helix Core)は、“ユーザー・エンパワーメント”を基本理念とした製品です。私たちは、ユーザー自身が環境を思い通りに作り、管理できる力を手にすることで、P4をそれぞれのワークフローに合わせて柔軟に最適化できることが重要であると考えています。ただし、この柔軟性は同時に、構築した環境のセキュリティを確保する責任もユーザーに委ねられることを意味します。そのため、サーバーの初期セットアップ、デプロイメント、継続的なメンテナンスに関しては、豊富な経験を持つPerforce P4管理者が担当することを強く推奨します。

サイバー攻撃は年々巧妙かつ大規模になっており、P4サーバーのセキュリティ対策も、常に警戒を怠らず、継続的な対応をとることが求められます。チームや資産、そしてビジネス全体を守るためには、インフラの定期的な点検・強化が不可欠です。運用の規模や複雑さにかかわらず、サーバーの堅牢化への取り組みが、組織のサイバー攻撃に対する防御力を大きく左右します。

本記事では、P4環境を対象としたセキュリティ強化のための包括的な枠組みを紹介します。特に注意すべき5つの脆弱性領域について取り上げ、それぞれに対する具体的な推奨設定と共に、組織の知的財産を守るために活用できるチェックリストを提供します。

あなたのP4サーバー、パブリックインターネット上に
無防備に公開されていませんか?

チームですぐに取り組める対策として、公式のサーバー管理者ガイドに記載されている[安全なサーバーを確立する]セクションに沿った設定を実施することをお勧めします。

ガイドを読む

P4の潜在的な脆弱性と対処方法

P4は、世界でもトップクラスの高いセキュリティ意識を持つチームから信頼され、ソースコードやバイナリアセットなどの重要な知的財産の管理と保護に活用されています。しかし、あらゆる高度なシステムがそうであるように、P4のセキュリティが機能するかどうかは、適切な設定と運用管理が行われているかどうかに大きく依存します。

設定が甘いまま放置されたサーバーは、時間の経過とともにセキュリティ上のほころびを生み出し、重大なリスクを招く可能性があります。また、インターネットに接続されている限り、P4サーバーも、いずれはサイバー攻撃を受ける可能性があると覚悟しておく必要があります。

Perforceにおける社内テストやお客様との連携を通じて得られた知見に基づいて、P4管理者向けのセキュリティチェックリストを用意しました。このリストに目を通して、御社のP4環境にリスクをもたらす可能性のある、以下の5つの脆弱性領域について理解を深めておくことを推奨します。

  • パブリックネットワークへの露出
  • 権限の過剰付与
  • リモートディポとコード共有
  • 情報の露出
  • 監査の死角

これらのセクションで紹介する実践的な対策は、P4サーバーを堅牢化し、セキュリティリスクを軽減して、御社のインフラ環境全体を保護するうえで極めて重要です。

P4管理者向けセキュリティチェックリスト

セキュリティに“万能な対応策”はありませんが、すべてのP4管理者が考慮しておくべき基本的なステップは存在します。このチェックリストを活用して、現在の設定状況を確認して、すぐに対処可能な“抜け漏れ”がないかをチェックしてみましょう。

1. superユーザー権限を見直しましょう

  • 現在、誰がsuperユーザー権限を持っていますか?
  • その権限は、日常業務に本当に必要ですか?
  • 権限の見直しや記録は、定期的に行われていますか?

2. 権限付与は最小限に

  • p4 protectは、実際のチーム構成に合わせてカスタマイズされていますか?
  • デフォルトの権限設定が広すぎる(例:write user * * //...)状態になっていませんか?
  • 新規ユーザーには、必要最低限のアクセス権だけが付与されていますか?
  • P4インスタンスへのアクセス権を持つユーザーに対する、オンボーディング/オフボーディング手順がしっかりと定義されていますか?

3. サーバーとネットワークを保護しましょう

  • サーバーがインターネットやオープンネットワークに無防備に公開されていませんか?
    • サーバーはVPN内に配置されていますか?
    • サーバーはファイアウォールの内側にあり、必要なポートだけを公開する設定になっていますか?
      • P4PORTは、デフォルトの1666以外に設定することも検討しましょう。
  • オペレーティングシステムのセキュリティ対策は適切に行われていますか?(例:誰がどこからサーバーに直接ログインできるかを制限しているか)
  • p4dサービスがrootユーザー権限で動作していないことを確認していますか?
  • 通信の暗号化を行うために、SSL/TLSが有効になっていますか?

4. ログを有効化して、モニタリングしましょう

  • 可視性の向上や外部ツールとの連携のために、読み取りやすいログ形式(構造化ログ)を使用していますか?
  • ログのローテーションおよび保持ポリシーは策定されていますか?

5. コアサーバー設定を強化しましょう

  • セキュリティレベルは「4」以上に設定されていますか?
    • サーバーがマルチサーバー構成の一部である場合は、セキュリティレベル「4」を強く推奨します。
    • セキュリティレベルが推奨値である「4」より低く、なおかつremoteユーザー機能を使用する場合は、remoteユーザー向けの保護が正しく設定されていることを確認してください。
  • 以下の設定は適切に行われていますか?
    • dm.user.noautocreate = 2(ユーザーの自動作成を無効化します)
    • dm.user.setinitialpasswd = 0(初期パスワードの設定なしでのユーザー作成ができないようにします。ただし、admin/superユーザーは、この設定を変更する前に必ず、自身のアカウントに対して、強固なパスワードが設定されていることを確認してください)
    • dm.user.resetpassword = 1(新しいユーザーに対して、初回ログイン時にパスワードのリセットを強制します)
    • dm.info.hide = 1(サーバーのバージョン情報を非表示にします)
    • run.users.authorize = 1(認証されていないユーザーがユーザーリストを確認できないようにします)
    • dm.user.hideinvalid = 1(ユーザーの探索を防止します)

たとえすべての項目にすぐ対応ができなくても、着実に改善を重ねることが重要です。これらの項目を定期的に見直すことで、御社の環境のセキュリティを全体的に底上げしていくことができるでしょう。

セキュリティ対策は“一度やれば終わり”というものではなく、常に改善し続けるべきものです。これは、チームやインフラにも同じことが言えます。常に先手を打つ姿勢を持つことで、次に訪れる課題にも確実に対応できるようになるのです。

パブリックネットワークへの露出

P4をファイアウォールやVPNの内側で運用することがベストプラクティスとされていますが、常にそれが可能とは限りません。レガシー環境や外部パートナーとの連携、あるいはマルチサーバー構成といった事情により、パブリックインターネット上にサーバーを公開する必要性に迫られることもあるでしょう。

このようなケースでは、まずはやりとりされるデータの安全を確保することが基本となります。幸い、P4はSSL/TLSを利用した業界標準の暗号化通信に対応しており、クライアントとサーバー間を行き交うデータを傍受や改ざんから保護する仕組みを持っています。ただし、これには、すべてのP4クライアントがセキュアなプロトコルを使って接続されている必要があるという点に注意してください。

何が問題になるのか?

暗号化されていない場合、クライアントとサーバー間でやり取りされる以下のようなデータが傍受される可能性があります。

  • p4 loginで送信される認証情報
  • 同期または送信中のファイル内容
  • チェンジリスト、ユーザー名、ファイル内容といったメタデータ

サーバーがパブリックにアクセス可能であり、かつ暗号化通信を必須としていない場合、そのサーバーは中間者攻撃(Man-in-the-Middle Attack)セッションハイジャックデータ漏洩の標的になりやすくなります。特に、開発者がリモート環境やセキュリティが確保されていないネットワークから作業している場合は、そのリスクがさらに高まります。

推奨事項

サーバーがパブリックインターネット、または十分に信頼できない内部ネットワークからアクセス可能な状態にある場合は、以下の対応を強く推奨します。

  • 可能な限り、信頼できる認証局(CA)が発行した署名付き証明書を使用しましょう。P4は自己署名証明書にも対応していますが、正式な署名付き証明書を利用することで、運用時のトラブル軽減や外部パートナーとの信頼関係の構築につながります。
  • SSLを有効にする前に、チーム全体へ事前に変更内容を周知しましょう。SSLを有効化すると、すべてのユーザーが接続設定を更新(例:p4 -p hostname:1666 から p4 -p ssl:hostname:1666 への変更)し、再認証を行う必要があります。
  • すべてのP4Dトラフィックに対して、SSL/TLS暗号化を有効にしましょう。これにより、転送中のデータを盗聴や改ざんから保護することができます。

暗号化は、外部ネットワークに接続される現代のあらゆるシステムにとって、基本中の基本となる要件です。P4でのSSL設定は数分程度で完了しますが、その効果は長期的かつ非常に重要なものです。P4トラフィックを暗号化しないまま運用してしまうと、本来防げたはずのリスクや脅威に対して、システムが脆弱なまま晒されることになります。

権限の過剰付与

プロテクションテーブルは、P4セキュリティモデルの中核をなす仕組みです。ユーザー、グループ、さらにはIPレンジ単位で、誰が何にアクセスできるかを管理できるため、アクセス権限を柔軟かつ厳密に定義できます。サーバーのセキュリティレベルやその他の設定項目も踏まえたうえで、プロテクションテーブルは、認証済みおよび未認証のユーザーに対してサーバーがどのように応答するかを決定します。

新たにインストールしたサーバーでは、最初に接続したユーザーにデフォルトで、superユーザー権限が付与されるようになっています。これはシステムを立ち上げるために必要な措置ですが、特に新規インストール時にありがちなセキュリティ上の見落としとして、デフォルトの設定が更新されないままま放置されてしまうことがあります。この状態では、システム内のすべてのユーザーがデフォルトで、すべてのファイルに対しての書き込み権限を持ってしまうことになりかねません。

このような状況に、低いセキュリティレベルやユーザーの自動作成を可能にするといった設定ミスが重なると、システムへの意図しないアクセスや悪意あるアクセスが発生するリスクが大幅に高まります。

何が問題になるのか?

デフォルト設定を変更しないままにしておくと、次のようなリスクが発生します。

  • 攻撃者が、新たなユーザーをサーバー上に作成できてしまう可能性がある
  • その作成されたユーザーが、即座にすべてのファイルへの書き込み権限を持ってしまう可能性がある
  • 設定によっては、パスワードが設定されないままこの状況が発生することもある
  • そこから、データ漏洩コードの改ざん権限の不正昇格といった重大な問題に至るのは時間の問題です。

推奨事項

  • P4サーバー管理者ガイドの[安全なサーバーを確立する]セクションに記載されている推奨事項を、定期的に見直しましょう。この情報は随時更新されており、セキュリティ対策を再確認したり、最新のセキュリティガイドラインに沿っているかをチェックするうえで参照すべき最適なリソースです。
  • すべてのユーザーに対してデフォルトで付与されている書き込み権限を削除しましょう。
    • write user * * //...の行を削除します。
    • チーム構成に合わせた、グループベースのアクセス許可に置き換えます。
    • 一般的な注意点として、プロテクションテーブルで「user *」を参照する行を使用する際には、除外(exclusion)設定でない限りは慎重に取り扱いましょう。また、グローバルな読み取り権限にも注意が必要です。多くの攻撃者にとっては、読み取り専用のアクセス権限だけでも十分に目的を達成できてしまうことを忘れないでください。
    • プロテクションテーブルの設定について詳しく知りたい方は、サーバー管理者ガイドの[p4 protectによるプロテクションテーブル設定](英語)をご参照ください。
  • サーバーのセキュリティレベルを「4」(またはそれ以上)に設定しましょう。これにより、より強力なパスワードポリシーとアクセス制御が適用されます。
  • dm.user.noautocreate=2の設定により、自動ユーザー作成機能を無効化しましょう。
    • この設定により、adminユーザーが気づかずに、不正なユーザーアカウントが作成されるのを防ぐことができます。
  • dm.user.setinitialpasswd=0の設定により、初期パスワードを設定できるユーザーを制限しましょう。
    • この設定により、パスワードを設定済みのsuperユーザーのみが、新規アカウントのパスワードを初期化できるようになるため、不正な(または意図しない)認証情報の設定を防止するのに役立ちます。

プロテクションテーブルは、セキュリティ対応の中でも常に変化し続けるものと考えてください。チームの拡大、新規プロジェクトの立ち上げ、外部委託メンバーの出入りといった変化に応じて、アクセス制御も柔軟に変えていく必要があります。リポジトリの命名規則や、それに紐づくグループ・権限の構成を適切に計画・設計しておくことも、システムを安全に保つためうえで非常に有効です。不安な点がある場合は、Perforceのサポートチームまたはプロフェッショナルサービスチームにご相談ください。

リモートディポとコード共有

P4は、リモートディポを通じた、サーバー間連携をサポートしています。この機能を使うと、remoteユーザーという特別なアカウントで、あるサーバーから、別のサーバー上のコンテンツにアクセスできるようになります。分散開発やレガシーワークフローでは便利な機能ですが、これに伴うセキュリティ上リスクについては十分に意識しておく必要があります。

remoteユーザーのアクセス権限は、デフォルトで、プロテクションテーブルに基づいて付与されるようになっています。プロテクションテーブルの設定が明確に範囲指定されておらず、かつセキュリティレベルが「4」(またはそれ以上)になっていない場合、完全な認証プロセスを経ないまま、ディポの一部が他のサーバーに公開されてしまうリスクがあります。

推奨事項

  • サーバーのセキュリティレベルを「4」以上に引き上げましょう。これにより、remoteユーザーは自動的に無効化され、すべてのサーバー間アクセスには認証済みのserviceユーザーが必要となります。
  • セキュリティレベル「4」以上を使用していない場合は、プロテクションテーブルを利用して、remoteユーザーのアクセス権限を明示的に制限しましょう。

コンテンツ共有を安全に行うための選択肢として

外部のチームやパートナーとコンテンツを共有したいものの、自分たちのサーバーへの直接アクセスは避けたい場合には、配信サーバーの利用をご検討ください。配信サーバーを使えば、どのデータを複製し、アクセス可能にするかを細かく制御することができます。配信サーバーの使用方法について詳しく知りたい場合は、サーバー管理者ガイドの[配信サーバー]をご参照ください。

情報の露出

情報の露出と聞くと、知的財産の流出を思い浮かべることが多いでしょう。もちろんそれは深刻なリスクですが、攻撃者の最初の一手は別のところから打たれることが一般的です。セキュリティ侵害の多くは、より効果的な標的型攻撃を計画するため、サーバーやユーザー、設定情報などを静かに収集する偵察活動から始まります。

幸い、P4には、未認証ユーザーが見ることができる情報を大幅に制限する設定がいくつも用意されています。最初から見えるものを制限しておくことで、攻撃者がシステム内部に侵入するための足がかりを得るのを格段に難しくすることができます。

何が問題になるのか?

サーバーをデフォルト設定のまま運用していると、サーバーからの応答があなたの意図しない情報を露出してしまう可能性があります。たとえば、以下のようなケースが考えられます。

  • 攻撃者が、P4サーバーのバージョン情報を特定し、標的型攻撃を仕掛けやすくなる
  • 組織内の有効なユーザー名を特定される
  • ログイン試行時の応答を悪用して、アカウントの存在の有無や入力ミスを確認される

このような、一見無害に思える情報(サーバー情報、エラーメッセージ、ユーザー名検証など)でも、適切に保護されていなければ、すぐに権限昇格の足がかりとなってしまうリスクがあります。

推奨事項

偵察行為やパッシブスキャンによる情報漏洩リスクを軽減するために、以下の設定の適用を推奨します。

  • 未認証ユーザーからサーバーに関する機密情報を隠しましょう。
    • dm.info.hide=1
    • この設定により、未認証のユーザーがサーバー名やライセンス状態といった基本情報にアクセスできなくなります。
    • この設定は、セキュリティレベルの設定とセットで運用することが前提です。セキュリティレベルは「4」以上を強く推奨します。
  • ユーザー一覧へ認証なしアクセスを防止しましょう。
    • run.users.authorize=1
    • この設定により、未認証のユーザーがシステム内のユーザー一覧を参照できなくなります。これにより、リスト型攻撃(クレデンシャルスタッフィング)や特定のユーザー名を狙った攻撃の機会を与えないようにすることができます。
  • 無効なユーザー名でログインを試みた際に、詳細なエラー内容が表示されないようにしましょう。
    • dm.user.hideinvalid=1
    • この設定により、サーバーの応答から特定のユーザー名が存在するかどうかを攻撃者に悟られないようにできます。

これらの設定だけで、執拗な攻撃者を完全に防ぐことはできませんが、攻撃の進行を遅らせたり、有益な情報を与えないことで、手間を増大させることは可能です。それだけでも、あなたのサーバーを攻撃対象として選ばれにくくするには十分な効果があります。これらの対策を取り入れることで、多層的なセキュリティ戦略における重要な防衛ラインをひとつ作り上げることができます。ここでの目的は、外部に余計な情報を漏らすことなく、信頼できるユーザーには従来通りの利便性を提供することです。

監査の死角

監査は、システムセキュリティにおいて見落とされがちな側面のひとつです。包括的なログ記録や、事前対応型のアラートが整備されていなければ、疑わしい挙動を見逃してしまう恐れがあります。実際、多くの組織がセキュリティの侵害に気づくのは、なんらかの被害が発生した後です。このような事態の背景には、多くの場合「可視性の欠如」があります。重大なイベントがログに記録されていなかったり、記録されたログが定期的に確認されていなかったりすることが原因となりえます。

よくある監査の死角としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ログインの失敗が監視されていない
  • p4 protectやsuperユーザーグループへの変更に対する監査記録が存在しない
  • アクセスログやユーザー操作の確認が頻繁かつ一貫性のある形で行われていない

何が問題になるのか?

監査ログのモニタリングが不十分だと、次のような脅威にさらされる可能性があります。

  • 攻撃者がユーザーアカウントに対してブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)を試みても、誰も気づかない
  • 不正なadminユーザーや乗っ取られたadminユーザーアカウントによって、プロテクションテーブル設定やグループ構成が痕跡もなく変更されてしまう
  • 不正アクセスが、ファイルの改ざんや持ち出しが起きるまで気づかれずに放置されてしまう

こうした監査の不備は、脅威の検知を遅らせるだけでなく、問題が発生した際のインシデント対応や原因究明のための調査を複雑化させる原因にもなります。

推奨事項

P4には、こうした監査の死角を埋めるためのログ機能がいくつも用意されています。

  • より詳細で解析しやすい情報を取得するために、構造化ログの活用を検討しましょう。
  • プロテクションテーブルの変更(p4 protect)、superユーザーのグループメンバー構成、そして(使用している場合は)スペックディポ内のスペック変更については、定期的に確認するようにしましょう。
  • ログのローテーションおよび保持ポリシーを、インフラ設計の一環として自動化しましょう。ログファイルは時間とともに肥大化します。適切に管理されていないと、システムのパフォーマンスやディスク使用量にも悪影響を及ぼす可能性があります。

今のうちに適切なログの仕組みを整備・管理しておくことで、将来発生しうる問題を迅速かつ確実に検知し、対処するうえで必要な“可視性”を得ることができます。セキュリティとは、単に問題を未然に防ぐことだけではなく、実際に問題が発生したときに、それを見逃さずに対応できることでもあるのです。

Perforceによるセキュリティ強化の取り組み

自身のチームへの信頼は不可欠ですが、どれだけ信頼できるチームであっても、今日のデジタル環境では常に新たな脅威にさらされます。P4のようなバージョン管理システムは、サプライチェーン攻撃の主要な標的となりつつあり、気づかれないまま放置された設定ミスやデフォルト設定が、重大な事態を引き起こす原因となりかねません。

P4リポジトリには、貴社および顧客とって非常に重要な知的財産が格納されています。それは、攻撃者や悪意ある第三者にとっても、大きな価値を持つ標的になり得るものです。

しかしながら、これらのリスクは適切に管理できるものです。適切な設定、定期的な監査、継続的な運用メンテナンスにしっかりと取り組むことで、P4サーバーをソフトウェアサプライチェーンにおける“強固な繋ぎ”のひとつとすることができるでしょう。

Perforceでは、セキュリティは全員が担うべきものだと考えています。そのため、私たちは次のような取り組みに力を入れています。

  • 外部のセキュリティ研究者との積極的な連携。彼らの知見により、実際の環境で起こりうる問題を早期に把握し、すべてのユーザーによりセキュアな製品を提供できるように努めています。
  • ドキュメントおよびデフォルト設定の継続的な改善。最近のフィードバックをもとに、ユーザーがより効果的にシステム環境を堅牢化できるように、セキュリティ対策における推奨事項を強化し、セキュリティガイドの内容を見直しました。
  • 透明性と教育の推進。このブログ記事をはじめとする、さまざまな取り組みを通じて、知識の共有と業界全体のセキュリティ向上に貢献していきます。

セキュリティは一度設定すれば終わりというものではなく、継続的に見直しながら、関係者全員で取り組むべき課題です。皆さんと力を合わせて取り組むことで、セキュリティの水準をさらに高め、より安全なデジタルの未来を気づいていけると私たちは信じています。

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