TIPS、使い方のコツ

California Instruments Compliance Test System (CTS)に関するFAQ

QCTSMHXの高調波電流測定結果にて、PWHC/Iref(%)の値が0.0%になります。正常な結果でしょうか

A
正常な結果です。
 
PWHC/Iref(%)の算出の際に、基準電流Irefの1%未満の高調波電流は無視されます。
IEC61000-3-12 Ed.2.0 (2011)の4.2.5項に上記の旨の記述があります。

ソフトウェアCTSMXHのVer.2.12以降をご使用の場合、
上記の理由でPWHC/Irefが0.0%となっている場合があります。

14次から40次の高調波電流の測定結果をご確認頂き、上記の条件に該当することをご確認ください。

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QCTSソフトウェアのPOHC平均化の方法

A
IEC 61000-3-2:2018+A1:2020でPOHCの平均化の方法が以下の2通り、規定されました。

C2: すべての観測期間にわたって平均化された高調波電流の最終値
C3: 各DFTタイムウインドウごとに平滑化なしのPOHCを計算し、それらの値を指定の式で計算し平滑化を適用

CTS Ver.4.27以降のバージョンにて、上記のC3の方法でのPOHCの平均化を実施します。Ver.4.27以前のバージョンでは、上記のC2の方法にて平均化を行います。

上記のC3の方法での試験を希望される場合、CTS Ver.4.27以降のバージョンをご使用ください。

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QCTSソフトにてPinst, maxを表示することは可能でしょうか

A
あいにくCTS30/CTS4ソフトではPinst, maxを表示することはできかねます。

フリッカメーターの要求仕様であるIEC61000-4-15 Ed.2のTable 4 - Test specifications for flickermeter内のSinusoidal / rectangular voltage changes, Tables 1, 2にPinst, maxの値の仕様が規定されています。しかしながら、CTS30/CTS4ソフトウェアでは該当のPinst, max値を出力することはできません。

なお、定期校正などの機会にフリッカメーターとしての性能を確認される場合は、上記のPinst, maxを必ずしも測定・評価する必要はなく、IEC61000-4-15 Ed.2のRectangular voltage changes and performance testing, Table 5の要求に沿ったPstの評価を行うのみで十分です。
 

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Q電源高調波試験規格で試験中の試験用電源の電圧変動を検証する要求があります。CTSソフトは対応していますか

A
IEC 61000-3-2 Ed.5.1 : 2020規格のA.2項 Supply sourceに、試験用電源の電圧や周波数、電圧高調波といった電源品位への要求が記載されており、測定中にこれを検証する必要があります。
CTSソフトウェアは電源品位を測定中に監視し、合格の場合はソフト上で[Source Qual. OK]と表示します。
 
判定の根拠となったデータは、結果レポートの最後に[Voltage Source Verification Data]として出力します。
 

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Qフリッカー試験規格で試験用電源の電圧変動を検証する要求があります。CTSソフトは対応していますか

A
IEC 61000-3-3 Ed.3.0 : 2013規格の6.3項 Test supply voltageに、試験用電源の電圧変動によるPstが0.4を超えないことを検証する旨の記載があります。あいにく、CTSソフトウェアには、本記載に対応した専用の検証モードはありません。
以下の手順にて、規格に沿った検証が行えますのでご検討ください。

1.    試験用電源に無誘導抵抗などの電圧変動を生じない負荷を接続する
2.    通常のフリッカー測定を行う
3.    Pstが0.4を超えないことを確認する
 

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QCTSソフトのHarmonicsレポートの%of LimitがN/AでTest ResultがPassとなります

A
IEC61000-3-2規格において、Class C以外のClass A, B及びDの場合は、消費電力75W以下の機器には許容値が定義されておりません。ご指摘の結果は、上記の規格に沿った結果表示です。

なお、上記の記述は、例えばIEC 61000-3-2 Ed.5.1:2020版の7 Harmonic current limits -7.1 Generalに記載されています。

 

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QCTSソフトウェアにて[Signal too weak or frequency too low! Please check the system and the cables.]というエラーメッセージが表示されます

A
上記メッセージは、測定電圧が既定の下限値よりも小さい場合に表示されます。測定系の異常が推測されるため、以下の確認をお願いします。
・    試験品への供給電圧(230V/50Hz等)が供給されていること
・    電源高調波アナライザとリファレンスインピーダンス間等の配線が緩み無く接続されていること
・    電源高調波アナライザ本体と測定PCを接続するケーブルが緩み無く接続されていること

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QHarmonics Test Report内の[Voltage Source Verification Data]ページの各次数のうち、StatusがMarg.となる次数があります。この意味は何でしょうか

A
IEC61000-3-2規格(例えば、IEC61000-3-2:2014 Ed.4.0)には試験中のEUTへの供給電源電圧を監視し、電圧波形の各高調波次数の電源電圧に対する割合が、以下の許容値を超えないよう規定があります。
 
  • 3次高調波:0.9%
  • 5次高調波:0.4%
  • 7次高調波:0.3%
  • 9次高調波:0.2%
  • 2次から10次の偶数次高調波:0.2%
  • 11次から40次の高調波:0.1%

Statusの表示は、各次数が許容値に対してどのくらいかによって以下の通りになります。
  • OK :100%以下
  • Marg.:100-120%
  • Dist.:120%以上

OK以外の、Marg.やDist.の場合は、供給電源電圧についての規格要求を満足していない状態ですので、ご注意下さい。

一般的に、11次から40次の高調波についてMarg.やDist.となる場合は、測定時にJIS C 61000-3-2に規定されているインピーダンスをご使用されているために電圧波形が歪んでいる場合が多いようです。この場合、上記のインピーダンスを使用しないで測定するなどの対応をお試し下さい。
また、3次や5次の高調波についてMarg.やDist.となる場合は、使用している電源の問題が多いようです。この場合、ご使用されている電源の確認をお試し下さい。

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QCTS4のFlicker試験にてLoadをThree Phaseと選択した際に、Test Parametersの24 x dmax Testを使用することは可能でしょうか

A
申し訳ございませんが、3相のFlicker試験時にはTest Parametersの24 x dmax Testを選択して自動測定することができません。
以下の手順にて手動で繰り返し測定をお願い致します。

[手動での24 x dmax Test]
  1. Test Parametersにて"dc, dt and dmax only"を選択
  2. 24回試験を繰り返す
  3. 最大と最小を除いた22個のdmaxの平均値を計算する

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QCTSソフトウェアにてRepeatabilityの確認機能はありますか?

A
電源高調波エミッション試験規格(IEC61000-3-2)にRepeatabilityの要求として、
複数回試験を実施して各次数の高調波電流の平均値のばらつきが許容値の+/-5%を超えないように試験時間を充分長く取るよう要求があります。

大変申し訳ございませんが、CTSソフトウェアにはこの計算機能はありません。

Repeatabilityの要求はあくまでも試験時間を決定するための目安であり、製品の合否判定とは分けて考えるべきとの考え方から、CTSソフトウェアはこの機能をサポートしておりません。必要に応じて、エクセルなどを用いて計算をお願いします。

サンプルとしてエクセルの計算シート例<Repeatability_SampleExcelFile.xlsx>を紹介します。
例として3回の繰り返し測定を試した場合の計算例を示します。
”No1”, “No2”, “No3”のシートに測定結果を貼り付けると、“Repeat_Check”のシートのMax. Dev.の列に最大ばらつきを計算して表示するようにしています。
5%を超えるとセルが赤くなります。

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QCTS4ソフトウェアのバックアップ取得方法

A
CTS4ソフトウェアのバックアップ方法は以下のとおりです。

1. 下記のフォルダとファイルのバックアップを取得して下さい。
a. C:\California Instruments\CTS4xx
   (xxの部分にはバージョン番号が入ります)
b. Cドライブ直下のCTS calibration.datファイル


2. ソフトウェアの管理者オプション設定(高調波, フリッカ)と隠し設定ファイルの画面キャプチャを保存して下さい。

管理者オプショ設定の確認手順:
- Additional Setup - View/Modify Impedancesの順にボタンを押下して下さい。


- Enter user informationというウィンドウにて、Userにtoyo, PasswordにCAL_LOCKと入力して下さい。
- View/Update calibration informationの下をダブルクリックして表示されるView/Update Limit informationボタンをクリックして下さい。
- 表示されるView/Update limit informationウィンドウのHarmonicsにチェックを入れた時の画面を保存して下さい。


- 表示されるView/Update limit informationウィンドウのFlickerにチェックを入れた時の画面を保存して下さい。


隠し設定ファイルの確認手順:
以下のファイルが隠し設定ファイルです。
画面キャプチャを保存して下さい。

C:\California Instruments\CTS4xx にあるcts_30.defaults ファイル
(xxの部分にはバージョン番号が入ります)

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QCTS4ソフトウェアのバージョンアップ手順

A
念の為、バージョンアップ前にソフトウェアのバックアップを取得して下さい。

1. 旧ソフトのアンインストール
以下のように、Windowsの設定からアプリのアンインストールを実行して下さい。

(Windows7の場合)
[コントロールパネル]-[プログラム]-[プログラムと機能]

(Windows10の場合)
Windowsメニューの[設定]-[アプリ]-[アプリと機能]

2. インストーラの実行
インストーラ(CTS_4_xx.exe)を実行して下さい。
(xxの部分にはバージョン番号が入ります)

3. DAQ Card Selectorの実行
実行後、DAQ Card Selectorというウィンドウが表示されます。NI-M Series Cardsを選択してOKを押して下さい。


4. バージョンアップ後の確認
インストールしたCTS4を起動後、上部メニューの[Help]-[About]から、バージョンが更新されていること確認して下さい。
また、バックアップの手順にて記録した管理者オプション設定と隠し設定を確認して、変更点があれば古いソフトと設定を合わせて下さい。

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QCTS起動時に"Missing calibration data"というメッセージが表示される

A
ご指摘のメッセージは、DAQカードのcalibration fileが存在しないというものです。


Cドライブ直下に"CTS calibration.dat"というファイルがあるかご確認下さい。
なお、上記ファイルは、ご使用されているPACSユニットとDAQカードを組み合わせて製造メーカにて取得したDAQカードのanalog inputポートの補正ファイルです。
ソフトウェアにて測定した電圧及び電流値の補正に使用されます。

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QCTS起動時に"A/D card mismatch"というメッセージが表示される

A
PCのCドライブ直下に保存されているcalibration fileと実際にPCに挿入されているDAQカードのs/nが異なるというメッセージです。
以下の例では、calibration fileのs/nが1599639ですが、実際にPCに挿入されているDAQカードのs/nは13B70D0であるということを示しています。


以下の手順で実際にPCに挿入されているDAQカードのs/nを確認してください。

- National Instruments社のMeasurement & Automation Explorerを起動してください。
- 画面左のツリーから[デバイスとインターフェース]-[NI-DAQmxデバイス]-[NI PCI-6220(または6250)]を選択して下さい。
- 画面右のウィンドウの[属性]タブ内に表示される[シリアル番号]を確認して下さい。

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Q高調波フリッカ測定ソフトウェアCTSをバージョンアップ後、高調波測定結果の%of LimitにN/Aと表示される。

A

CTS Version4.0以降にて、高調波電流測定結果のうち、5mA未満の結果はNA表記となるように変更されております。

CTSのインストーラに含まれるReadmeの以下の変更によるものです。

 

Version 4.0       Date: Feb 13, 2014

 

7. Harmonized reporting format so that levels < 5 mA are ignored ( N/A ) for all test classes.

なお、上記変更はIEC61000-3-2の下記条項に対応した変更となります。
6.2.3.4項
「入力電流の0.6%未満、又は5mA未満の高調波電流のいずれか大きいほうは無視する。」

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QCTSを用いた高調波電流の測定結果レポートにおいて、Test Result: Pass (POHC used)となっております。(POHC used)の意味は何でしょうか

A

21次以上の高調波について、一部許容値を超えているものがありましたが、 Partial odd harmonic current(POHC)の条項に沿って計算した結果、合格となったという意味です。

上記POHCについての詳細はIEC61000-3-2規格の6.3.3.4項に記載されております。
ある条件を満たした場合、21次以上の奇数次高調波電流成分の平均値が許容値を50%超えても良いという条項です。
詳細は規格の該当部分を参照ください。

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Q高調波・フリッカ測定ソフトウェアCTS4にて24回dmax測定を実施中に、EUTの電源をONにしても測定が進まない

A

CTS4では、EUTの電源ON/OFFを電流値にて判断しております。
閾値のデフォルトは0.5[A]となっており、この閾値以下の電流変動ではEUTの電源ONと認識しません。
ご指摘の症状は、EUTの電流値がこの閾値以下であることが原因の可能性があります。

以下の手順にて閾値を変更してお試しください。

●24 x Dmax Testの閾値の設定方法
1. Windows左下のスタートメニューより、[California Instruments]-[Configuration]を選択して起動します。

2. 表示された[Enter user information]ウィンドウの User name欄とPassword欄に以下のように入力してください。

User name: toyo
Password : cal_lock

3. 入力後、[Enter user information]ウィンドウの[View/Update calibration information]ボタンと[Cancel and exit program]ボタンの間をダブルクリックしてください。

[View/Update Limit information]のボタンが出現しますのでクリックしてください。

4. [View/Update calibration information]ウィンドウが表示されます。Misc setupsからFlickerを選択してください。

5. [Threshold Current for InRush Current and 24 x Dmax Test]の値をご希望の値に変更してください。設定値の単位は[A]です。

6. 設定後、ウィンドウ右上の×ボタンをクリックしてウィンドウを閉じてください。

以上にて設定変更が反映されます。CTS4を起動して測定を行ってください。

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Q高調波フリッカ測定ソフトウェアCTSをバージョンアップ後、60Hzのフリッカ測定がグレーアウトして選択できない

A

CTS Version4.0以降にて、Test CategoryでFlickerを選択した場合に60Hzは測定できないように変更されております。
IEC61000-3-3規格では50Hzのみが規定されているためです。
どうしても60Hzで測定したい場合はCTS3をご使用頂ければと存じます。

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Q高調波フリッカ測定ソフトウェアCTSのデータフォルダ

A

ソフトウェアCTSの動作についてご質問をいただいた時に、測定データの詳細を確認するため測定結果ファイルを東陽テクニカに送付していただくことがあります。その場合、以下の測定データファイルとレポートファイルを送付していただくようにお願いいたします。
例としてCTS4ソフトウェアの場合で説明させていただきます。CTS3をご使用の場合は、下に記載する通りにファイルパスを読み替えてください。

CTS4の測定データファイル及びレポートファイルは以下のとおりです。

●測定データファイル
高調波電流測定データは[H-xxxxxx.cts_data]、フリッカ測定データは[F-xxxxxx.cts_data]というファイル名にてバイナリ形式で保存されます。
xxxxxxは試験番号の連番(例:000437)です。
保存先のファイルパスはC:\California Instruments\CTS4xx\data_filesです。
xxにはソフトウェアバージョン(例:CTS4.25の場合、25)が入ります。

なお、送付の際、測定データファイルをzipファイルに圧縮して頂くとファイルサイズが小さくなります。

●レポートファイル
レポートファイルは、[R-xxxxxx.doc]というファイル名で保存されます。
xxxxxxはデータファイルの試験番号の連番と関連付けられています。
保存先のファルパスはC:\California Instruments\CTS4xx\report_filesです。
xxにはソフトウェアバージョン(例:CTS4.25の場合、25)が入ります。

●CTS3ソフトウェアの場合
CTS3をご使用の場合、CTS4のファイルパス:C:\California Instruments\CTS4xxを以下の通り読み替えてください。
OSがWindows 7の場合 C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\California Instruments\CTS30
OSがWindows XPの場合 C:\Program Files\California Instruments\CTS30

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