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【スペシャルコンテンツ】 キーサイト・テクノロジー社 ハードウェア・エンジニア インタビュー

【Special Interview】
キーサイト・テクノロジー社 R&Dハードウェア・エンジニア Tai Wen Jau
(聞き手:東陽テクニカ EMCマイクロウェーブ計測部 統括部長 今泉良通)




2019年7月開催のキーサイト・ワールドで新EMIレシーバー「N9048B PXE」(以下「PXE])について講演するため来日したハードウェア設計エンジニアのTai Wen Jau氏。この機会に東陽テクニカのエンジニア向けトレーニングのため来社した際、インタービューさせていただきました。

キーサイト・テクノロジー社の新EMIレシーバー「PXE」は2018年に発売され、2019年4月に業界初のAccelerated Time Domain Scan機能に対応しました。この製品の開発に携わったJau氏にこのレシーバーの魅力や開発秘話、またソリューションパートナーとしての東陽テクニカに対するイメージなど聞きました。


- キーサイトの新EMIレシーバー「PXE」はどんな製品ですか。
「PXE」はこれまでのモデルから全てを刷新したキーサイトの最新EMIレシーバーです。新しいソフトウェアツールをはじめ、スピードやRF性能といったさまざまな部分において業界ナンバーワンの機能を提供します。


 
― キーサイトの新EMIレシーバー「PXE」の強みを教えてください。
主に四つの特長があります。

一つ目は 感度です。「PXE」は競合に比べほとんどの部分でより高い感度を持っています。
二つ目はスピードです。「PXE」の標準機能であるタイムドメイン・スキャンのスピード性能は競合製品と同等の性能ですが、オプションのAccelerated Time Domain Scan(A-TDS)を使用すれば通常のタイムドメイン・スキャンより10倍以上の速さが得られ、スピード性能のよさが際立ちます。
三つ目にはリアルタイムスキャンが挙げられます。これはユーザーがデータ分析のために広帯域でリアルタイムにギャップレスデータを収集することを可能とするソフトウェアツールです。
最後に、四つ目として、 使い勝手のよいインタフェースがあります。「PXE」はマルチタッチUIを使用しており、使い勝手を考慮した設計となっています。
 
また、今回、全く新しい利点として、A-TDSに実装されているリアルタイムスキャンによってノイズデバッグの工程の改善に役立つという点があります。A-TDSによる測定スピードの向上は1つの主な利点の一つではありますが、ギャップレス・キャプチャーによってノイズの振る舞いを理解することは開発エンジニアがEMCノイズをデバッグするにあたり大いに役立ちます。暗室の実際の使用比率は70-80%:30-20%(ノイズデバッグ:規格試験)となっており、ノイズデバッグ工程改善はユーザーのリアルなビジネスの問題の解決に役立ちます。これにより製品開発サイクルが加速できるのです。

「PXE」が発売される以前、開発エンジニアは測定器の原理上複雑なノイズを見落とすことがあるという問題を抱えていました。いつインパルスノイズが出現、消滅しているのか、タイムドメインでノイズパワーがどのように変化しているのかといった正確な情報がなくてはノイズのデバッグに非常に長い時間がかかってしまいますし、また、その結果にも信頼が持てません。

このように「PXE」のA-TDSは従来のコンプライアンステストでのスピードの向上だけでなく、製品開発サイクルのスピードを上げるという全く新しい価値も提供できます。

 
― どんなお客様がターゲットのお客様でしょうか。
A-TDSは、EMI測定においてスループットを大幅に向上させたいと思っているどんなお客様にもメリットがあります。また、キーサイトのソリューションパートナーにとってはトータルなEMIソリューションを提供するためにこの機能を使っていただくことができます。

まさに、東陽テクニカは自社開発のエミッション計測測定ソフトウェア「EPX」とあわせることで、トータルなEMIソリューションを提供していますね。



 

― 「PXE」またはA-TDS機能のここを見て欲しいというこだわりポイントはどこですか。
A-TDSエンジンの350MHz FFTバンド幅を利用したリアルタイムスキャン測定です。10msの更新時間、EMI検波を含む3つの検波同時に、350MHzバンド幅のギャップレス・データキャプチャを実施することが可能です。また、データは周波数、時間軸またスペクトログラムでリアルタイム表示されます。これは私が知る限り業界初の機能です。
 

― なにがこの機能の開発のきっかけになりましたか。

キーサイトの主なソリューションパートナーである東陽テクニカから自動車業界において要求される測定スピードやギャップレスのデータキャプチャについて有益なフィードバックをたくさんいただいたことです。こういった関係がEMI測定ソリューションという意味で今後もお客様に多くのさらなる価値を提供していけると思います。

 
― 開発中困難なことはありましたか。もしくはA-TDS機能開発の一番のチャレンジは何でしたか。
簡単に言えば、CISPR16に適合しながら、スピードや感度の要求を満たすことは大きな挑戦であり、やりがいのある挑戦でした。

 
― 「PXE」またはA-TDS機能の開発の中で印象的な出来事はありましたか。
私の個人的な経験としてはこのプロジェクトでの経験全てが思い出深いものでした。「PXE」の開発中のほとんどのすべてのステージにおいて、プロジェクトのさまざまな面から異なる課題に直面しましたが、国を超え、役割の違いも超えたすばらしいチームワークによって、問題を乗り越え、「PXE」をすばらしい製品として完成させることができました。


 
― 日本のお客様やマーケットの印象は。
日本のキーサイトのマーケティングチームはEMIレシーバーに対する課題や要求を理解するため、国内のソリューションパートナーやお客様と密接な関係を持っています。私は、開発チームもコミュニケーションをとって、市場についてより理解することは重要であると考えています。今後は、「PXE」に対するフィードバックを得たり、市場へよりよい製品を提供したりするために、キーサイトの設計チームは日本の開発担当とより強固な結びつきを築きたいと思っています。
 

― 業界初となる機能を完成させた感想は。
このような機能をお客様に紹介できることを非常に楽しみにしています。どんなフィードバックにも耳を傾けたいですし、どんな風に活用していただけるのか、またこれからどんな風に改善できる可能性があるかなどについて聞きたいと思っています。

 
― レシーバーの開発や東陽テクニカ製ソフトウェア「EPX」の開発のため、これまで東陽テクニカのエンジニアと多くのコミュニケーションをとってきたと思いますが、東陽テクニカの印象は。
ハードウェアのエンジニアとしては、エミッション計測評価ソフトウェア「EPX」の開発において、直接東陽テクニカと関わることはなかったのですが、 ソフトウェア設計チームの同僚からはいろいろと聞いていて、東陽は世界クラスのEMCソリューションをお客様へ提供することに非常にコミットしていると聞いています。彼らは東陽のエンジニアはとても元気で、EMC試験について知識が豊富であり、お客様にどんなものを提供すべきなのか理解していると言っていました。大事なことを忘れていましたが、東陽のエンジニアはキーサイトのエンジニアと仕事をするとき、非常にフレンドリーに接してくれたので、よい関係を築くことができたそうです。

― ありがとうございました。

▼製品詳細はこちら
キーサイト・テクノロジー社 新EMIレシーバー「N9048B PXE」
https://www.toyo.co.jp/emc/products/detail/PXE

東陽テクニカ ワン・テクノロジーズ製 新エミッション計測測定ソフトウェア「EPX」
https://www.emc.onl/

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