定期的な校正の必要性

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目次
  1. 計測器管理
  2. ISO/IEC 17025
  3. キャリブレーション・ラボラトリー

近年、国際レベルで情報化社会のインフラ(infrastructure)整備が進み、国家間の商品流通の活性化に伴って、地球規模の経済的ボーダーレス化が進んでいます。計測の分野においては,国際的な商取引の整合性を確保する統一的な測定結果の必要性が高まってきています。計測器やセンサの定期的な校正の必要性と技術的能力を示すIEC/ISO17025についてご紹介いたします。

計測器の進化に伴い近年の研究・開発は数百チャンネルを超える大規模な測定を行い、その測定値を数値解析して、解析結果をアニメーションなどで確認できます。しかし、測定値に異常があっても解析結果は出力されてしまいます。年々、解析処理は複雑になっているため測定値のエラーに容易に気づくことができません。また、製造部門で測定結果に誤りがあった場合、不良品を製造してしまうことになります。

また、自社の製品の性能・仕様として公表する測定値(研究開発分野では論文内容)が、国際標準にトレーサブルな値として信頼できるものにするために校正は必要です。

計測器管理

計測器やセンサは購入後、永久に同じ性能を維持しているわけではありません。計測器の性能は計測器自体の構成部品などの経年変化や環境の変化、使用状況の影響を受けて徐々に変化します。

下図はセンサの校正結果(周波数特性)です。センサを落下させたことによりセンサの取り付け部にクラックが発生し、高周波特性が乱れています。校正ポイントを数点しか測定していない場合、異常に気が付きません。

計測器の管理者はこれらを前提として計測器を管理する必要があります。

定期的に計測器やセンサを校正する目的は以下です。

過去の校正結果と現在の校正結果から、
(1)その間に異常がないことを確認します。
(2)将来の結果を予測します。

(1)については、時間と共に変化する(可能性がある)計測器やセンサを使用する上で、前回校正した時点から現在までの間、計測器やセンサが正常に機能し、異常がないことを確認することです。校正をした結果、不合格になった場合、前回の校正時点から現在までの間、この計測器やセンサを用いて測定した対象に対して“遡及措置(例えば製品のリコールなど)”が必要になります。

(2)については、過去数回の校正実績から計測器やセンサの時系列変化を考慮し、未来の動向を予測することです。

このように校正は定期的に行う必要があります。

それでは校正周期はどのように決定するのでしょうか?以下の項目を考慮してコストとのバランスがとれる妥当な周期を決定することが望ましいです。

(1)メーカのスペックと必要な精度
(2)メーカのスペックと経年変化の割合
(3)許容範囲を超えた場合に行う遡及措置が可能な期間

新規に購入した計測器やセンサであれば、メーカが推奨する校正周期に従うことを推奨します。その後、数回の校正実績を経て、長期安定性が確認できれば周期を延ばすなどの処置で校正にかかるコストの低減を検討できます。しかし、校正周期を延ばすということは、校正結果が不合格になった場合、遡及措置として対処する時間が増大しますので、遡及措置に必要なコストが大きくなることを考慮して、バランスのとれた校正周期を決定しなければなりません。

ISO/IEC 17025

品質マネージメントシステムISO9001でも校正は要求事項として位置付けられていますが、ISO9001は製品又はサービスの質について規格に対する管理システムの合致性を確認するもので、試験所(試験、校正)の技術能力を特に評価するものではありません。校正の品質は、技術、設備、測定原理の理解等によって大きく左右されます。試験所によって、標準器の管理、技術力に差があるのが実情です。

ISO/IEC 17025に基づく試験所認定は、試験所に特有の認定制度です。 ISO/IEC 17025では、試験所の行う試験業務の能力に対する技術的な要求事項が詳細に述べられ、試験所において試験及び校正結果の作成に影響する全ての要因について専門家の技術審査員により厳密な評価が実施されます。

技術的能力を示す側面としては、不確かさの扱いを含む測定のトレーサビリティ、技能試験・試験所間比較への参加等があります。

つまり、ISO/ISO17025の認定を受けた試験所は、高いレベルの試験・校正を提供していること示します。

校正結果の不確かさを把握

試験・校正の結果だけでなく、各測定の「不確かさ」によりデータの信頼範囲を知ることができます。

ワンストップテスティングの実現

国際相互承認取決のシステムを通じて、技術能力のある認定試験所は、その試験結果は海外市場で国際的承認を受けられます。この承認は、他国での再試験の必要性を削減または排除することにより、製造業者又は輸出業者がその製品や材料について認定試験所で試験を受ける費用を削減します。

キャリブレーション・ラボラトリー

当社は、ISO9001、およびISO/ISO17025のいずれの認定も受けています。「キャリブレーション・ラボラトリー」 は、米国認証機関A2LAより2005年にISO/IEC17025校正認証を取得し、比類ない専門エンジニアに裏付けされた確かな技術と、海外測定器メーカとの協力関係により、高い信頼を頂いております。

2013年6月に実施したA2LA更新審査において認定スコープを拡大し、上限周波数40GHzへの拡張や、校正項目・品目を拡大しました。また、圧電型加速度計についても新規に認証を受けました。

万一、お客様の計測器やセンサにスペックアウトが発見され、修理となった場合でも、豊富な代替器を準備して、できる限りお客様の試験計画を支援できる体制を整えております。

今後もお客様からの信頼を第一に、トータルソリューションをご提供し続けてまいりますので、さらなる皆様のご利用をお待ちしております。