自動車・車載機器用エミッション計測ソフトウェア「ES10/VE」を開発、販売開始
~EMC測定の業界標準「EP9」シリーズの後継~

News Release

※本記事は2020年11月10日に掲載した記事の再掲載となります。情報はもとの掲載日現在の情報です。
最新情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

株式会社東陽テクニカ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:五味 勝)は、自動車や車載機器のEMI※1測定やEMI適合評価※2を行うためのエミッション計測ソフトウェア「ES10/VE」を開発いたしました。2020年11月9日より販売とサポートを開始いたします。

※1 ElectroMagnetic Interference。電子機器から放出される電磁波が他の電子機器に悪影響をおよぼす現象。EMI測定は、自製品が他の電子機器の正常動作に影響を与える電磁波(電磁ノイズ=エミッション)を放出していないかを測定すること。
※2 製品が出す電磁ノイズが、国や地域、製品分野により定められている許容値内に抑えられているかを評価すること。

テキスト|自動車計測ポータルサイト|東陽テクニカ

エミッション計測ソフトウェア「ES10/VE」

製品概要

「ES10/VE」は、東陽テクニカの製品開発を担う社内カンパニー『ワン・テクノロジーズ・カンパニー』が開発した、自動車や車載機器が出す電磁ノイズ(エミッション)を測定するためのエミッション計測ソフトウェアです。EMI測定のためのハードウェアであるEMIレシーバーと組み合わせて使用します。「ES10/VE」はキーサイト・テクノロジー社やローデ・シュワルツ社製のものをはじめとした多くのEMIレシーバーに対応しているのが特長です。
また、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)に搭載されるモーターやバッテリーは高電圧化する傾向にあり、より強い電磁ノイズによる新たなノイズ干渉の可能性があるため、それに対応するために自動車のEMI国際規格である「CISPR 25※3:2016 Edition4」には、EVやHVに搭載される高電圧電源製品の評価方法「Annex I」が追加されました。「ES10/VE」はその「Annex I」に対応しています。
さらに、測定した電磁ノイズを従来の周波数軸だけでなく時間軸で評価できる機能と、二つの異なる測定結果の差分を簡単に表示できる新機能を搭載しました。時間軸での評価では電磁ノイズの発生サイクルを可視化できるため、部品の駆動サイクルと照らし合わせることでノイズ源を簡単に特定することができます。また、差分表示機能は特定した電磁ノイズに対する対策を行う前後の測定結果を容易に比較できるため、ノイズ対策時間の削減に貢献します。

※3 車載受信機の保護のための、電磁ノイズの耐久限度値とその測定方法を規定したCISPR(国際無線障害特別委員会)の国際規格。2016年にEdition4(最新版)が正式発行された。

EMI計測ソフトウェアの製品ラインアップについて

当社が30年以上にわたり開発してきたEMI計測ソフトウェアは現在、多くの種類のEMIレシーバーやEMI測定の関連機器(アンテナマスト、ターンテーブルなど)に対応し、業界標準だった「EP」シリーズの後継である「ES10」シリーズと、キーサイト・テクノロジー社の最上位EMIレシーバーである「N9048B PXE」と組み合わせて使用することに特化したハイエンドモデルである「EPX」シリーズ※4の二つのラインアップがあります。
「ES10/VE」は、「ES10」シリーズ※5の第二弾です。これまでシリーズやモデルごとに異なっていたプラットフォーム(基盤となるソフトウェア構造)を統一することで、機能差と、新機能のリリースまでの時間差を縮小します。今後も順次モデルを拡充し、「ES10」と「EPX」の2シリーズを展開してまいります。

※4 放射エミッション測定用「EPX/RE」、伝導エミッション測定用「EPX/CE」および自動車・車載機器向け「EPX/VE」の3製品で構成されるシリーズ。
※5 放射エミッション測定用「ES10/RE」、伝導エミッション測定用「ES10/CE」(今後発売予定)および自動車・車載機器向け「ES10/VE」の3製品で構成されるシリーズ。

「ES10/VE」の主な特長

  • これまで「EPX」シリーズのみに搭載していた最新機能を搭載※6
    • 『タイム・ドメイン・スキャン機能』を活用し近年増加している複雑な振る舞いのノイズも簡単に特定
    • 複数の測定データの比較と分析を容易にする差分表示機能
    • UIの向上
    • ユーザーの好みに応じて豊富なパターンで画面をカスタマイズ可能
    • CISPR 25:2016 Edition4 Annex I(EV/HVに搭載される高電圧電源製品の評価方法)に対応
  • ソフトウェアのプラットフォームを上位ソフトウェア「EPX」と統一
    上位シリーズである「EPX」との統合プラットフォーム設計により従来のモデル間、シリーズ間の機能差を縮小もしくは解消し、「EPX」と「ES10」の両シリーズにおいて少ない時間差で新機能の提供が可能
  • その他
    「EP9/VE」のユーザーは、測定条件など保存した設定を引き継いで使用可能※7

※6 『Accelerated Time Domain Scan機能』など「EPX/VE」の一部の機能は「ES10/VE」には搭載されていません。
※7 引き継ぎ操作には当社エンジニアによるサポートが必要です。

製品データ

  • 製品名:自動車・車載機器向けエミッション計測ソフトウェア「ES10/VE」
  • 販売開始日:2020年11月9日
  • 価格:150万円(税別)~

旧製品の販売とサポート終了について

「ES10/VE」の発売に合わせ、「EP9/VE」の販売を終了いたします。製品サポートは2021年11月末日をもって終了いたします。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社東陽テクニカ マーケティング部
TEL:03-3245-1067(直通)
E-mail:marketing_pr@toyo.co.jp
「ES10/VE」製品サイト:
https://www.toyo.co.jp/emc/products/detail/id=32151

※本ニュースリリースに記載されている内容は、発表日現在の情報です。
製品情報、サービス内容、お問い合わせ先など、予告なく変更する可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

※記載されている会社名および製品名などは、各社の商標または登録商標です。

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