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経営のグローバル化を支えるITシステム
1G/10GbE 対応 TruView

株式会社東陽テクニカ 情報通信システム 営業第2部 西村 亮

本記事の内容は、発行日現在の情報です。
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目次
  1. 企業を支えるITシステムの変化
  2. システム管理者が抱える課題とは
  3. TruViewがもたらす安定

TruViewはアプリケーションやネットワークパフォーマンスの監視、障害発生時のボトルネック特定、原因調査、といった一連の運用業務を1台で実現できるオールインワン型のソリューションです。複雑に膨れ上がるITシステムの管理コストを軽減し、システムの安定をもたらすソリューションとしてご活用いただけます。

企業を支えるITシステムの変化

「私はアナログな人間だ」なんていう人は世の中にいても、「ITの世話にはなっていない」という人は恐らくいないでしょう。日々の生活のなかで意識することはありませんが、銀行のATMシステム、鉄道の運行管理システム、電力や下水道の制御システムなどを含め、私たちの生活の多くはITによって支えられています。ではビジネスの世界はどうでしょうか。グローバル化の流れに伴い、国内の製造業はこれまで以上に洗練した戦略を立てることが求められています。トレンド分析を可能にする基幹系システムや生産量を最適化するためのPOSシステム、コストを削減するための国内外を結んだオフショア開発など枚挙にいとまがありません。ではこれらのITシステムを安定して使用するために必要な事とは何でしょうか。

ここ数年のトレンドはデータセンターへの集約です。これまでITシステムは集約と分散を繰り返してきました。電子計算機が目新しい頃はメインフレームと呼ばれる大型汎用コンピュータによる集中処理が一般的でした。その後、汎用サーバの性能向上やオープン化の波による分散化が進みましたが、ここ数年は多くの企業が2つの理由により再び集約化を進めています。1つめは一昨年の震災です。耐震強度に優れたデータセンターにIT機器を集約し、事業継続性を維持したいと考えました。2つめは経営のグローバル化に伴う、グループ企業を含めたすべての経営資源を一元管理することです。しかしITシステムは新しい技術を採用しながら統合されており、依存度も増し続けているため「大規模化と複雑化」と「さらなる安定への期待」というパラドックスをまねいています。

システム管理者が抱える課題とは

大規模なシステムを管理するための定石は、役割分担です。サーバ管理、データベース管理、ネットワーク管理、セキュリティ管理とシステムを細分化し、それぞれに責任を与えて管理するという方法です。これは数千~数万のユーザが安定してシステムを利用できるために考えられた組織体制で、多くの企業が採用しているはずです。しかし現場は単純ではありません。障害が発生すると各自の責任範囲の問題なのかを調査し、互いにシステムの正当性を主張する、といったことが往々にして起きます。例えば「生産管理システムへアクセスしたら応答時間が長く、作業効率が悪い」といったクレームがあったとします。先に述べたデータセンターに集約されたシステムではネットワーク越しにアクセスするため、最初にネットワーク担当者が調査します。しかし次世代ファイアウォールやデータベース、Webサーバの処理遅延の他、アプリケーションのバグを含めて障害ポイントは他にも多くあるため、各チームが順番に調査することになります。最後は障害原因というボールを投げ合い、問題の長期化をまねくのです。

複雑化するITシステム

TruViewがもたらす安定

データセンターには様々な拠点から多くのユーザがアクセスします。安定利用の観点から管理者が抑えるべきパラメータとは何でしょうか。1つめはユーザが快適に利用できているかを知ることです。2つめは障害が発生しているとすれば、「どのサイトからのアクセスなのか」「どういったアプリケーションを利用した場合か」「ボトルネックがどこなのか」を迅速に把握することです。

Fluke Networks社TruViewはデータセンターに集約されたシステムの健全性と障害調査を確実かつ迅速に行うために提供されたソリューションです。

TruViewはエンドユーザ・レスポンスタイムというパラメータを監視し、ユーザが快適にシステムを利用できているかを監視します。このエンドユーザ・レスポンスタイムの定義はユーザが実行ボタンを押してから画面に情報が表示されるまでの時間です。規定のレスポンスタイムを超えているサイトやアプリケーションがあれば管理者にアラートを上げます。画面上に表示されるレスポンスタイムを示すグラフは3色で表現され、遅延の原因がサーバなのかネットワークなのか、それともデータ転送量によるものなのかを一目で分かるようになっています。

赤色はネットワーク、青色はサーバ、黄色はデータ転送の処理時間を示す

さらにグラフをクリックすれば時系列でみたレスポンス時間とトランザクション量、サーバのCPU使用率などを一括で確認できるため、平時との比較も簡単に行えます。トップ画面はサイトやアプリケーションといった大きなグループ単位での表示ですが、ドリルダウンすることでユーザ単位の操作情報や障害原因となり得る「再送」「ウィンドウサイズ」といったパラメータを簡単に確認できるといった特長もあります。仮にベンダ製品のバグが疑われる場合においてもパケットデータを保存しているため、エビデンス(証拠)として提出し、調査依頼をかけることができます。

パケット解析による原因調査

またTruViewは迅速な障害解析だけでなく、各拠点やグループ企業がどのようなアプリケーションをどの程度利用したのか、といったトラフィック分析を可能にします。これは人事異動や企業の合併、新サービスの追加といったシステムを取り巻く環境の変化において、適切な設備投資をおこなうために必要な情報です。日々変化するシステムの利用状況を把握することで最適なキャパシティプラニングが可能になるのです。

シアトルからの利用状況を可視化したケース

企業の運営基盤としてITシステムを利用することは、当たり前の時代となりました。しかしこれからは変化するシステムを安定利用するための手段を、検討するフェーズになっています。私たちはTruViewによって貴社のIT管理者が直面している課題を解決し、システムに安定を与えられることを期待しています。

筆者紹介

株式会社東陽テクニカ 情報通信システム 営業第2部

西村 亮

2007年入社。主にIPネットワークの障害解析や監視装置の他、無線LANの調査ツールなどの営業を担当。