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理化学計測部

本記事の内容は、発行日現在の情報です。
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目次
  1. 物理計測
  2. 化学計測
  3. 電源計測

理化学計測部では、大きく分けて三つの分野の製品を取り扱っています。物理に関する材料物性評価装置、化学に関する材料物性評価装置、そして近年ビジネスを拡大しているエネルギーインフラ環境の変化・整備に伴う電源評価ソリューションです。これら三分野における日本の技術開発の一助を担っています。

物理計測

発端は日本初のエレクトロメータを販売開始した1959 年に遡ります。その後約60年にわたり、電気電子材料の評価機器を販売してきました。特に半導体分野においては、1984年に当社製「ResiTest」比抵抗/ホール効果測定システムの販売を開始し、これまでに300台以上を販売、多くの研究者の方にご使用いただいています。中でも当社が独自開発したACホール測定法(特許第3285342 号)は、青色LEDを含むワイドギャップ半導体の技術開発に貢献しています。その他、低温物性分野では標準採用品となっている米国Lake Shore Cryotronics 社製品を中心に取り扱い、磁性評価装置を輸入、誘電・圧電材料評価装置を独自開発し販売しております。

化学計測

ポテンショガルバノスタットという直流の電圧電流印加測定装置と、周波数応答アナライザ(FRA)という交流信号を印加しインピーダンスを測定する装置を組み合わせて、「電気化学測定システム」と名付けて販売しております。1980年~1990年代初頭、電気化学計測は腐食防食、金属のめっき、有機化合物の電解反応などのアプリケーションが主流でした。そのため当時は重工業界や鉄鋼業界がメインターゲットであり、インピーダンス測定も腐食評価のみに用いられていました。

しかし1990 年代半ば以降、リチウムイオン電池(LIB)が携帯機器向けに実用化され、LIBの性能・劣化評価としてインピーダンスが評価手法として一般化すると、大学、官庁や電池メーカーの研究者のみならず、自動車メーカーや化学メーカーなど幅広いお客様に「電気化学測定システム」をご使用いただくようになりました。

現在はフランスBio-Logic ScienceInstruments社製電気化学測定システムを取り扱っています。同社は1990年に世界初のモジュール式・複数チャンネルの電気化学測定システムをリリースした、世界でトップシェアを誇るメーカーです。当社はその定評のあるシステムに加え、本号「注目製品」ページでご紹介する自社製品を組み合わせることでより有効な評価手法の提案を行っています。

電源計測

2011年の東日本大震災以降、国を挙げての再生可能エネルギー推進への取り組みにおいて、特に太陽光エネルギーの普及に伴い、電力系統へ繋がる新しいパワーコンディショナの開発が急務となりました。当社は以前より、物理計測のカテゴリーにて数百ワット~数キロワット程度のプログラマブル電源機器を取り扱っていました。そのプログラマブル交流電源がパワーコンディショナ開発用途に適合し、2012年以降ビジネスを拡大しました。

そして2016年よりドイツcomemso社製のEV充電アナライザ / シミュレータの販売を開始し、現在に至ります。世界各地域においてEV 充電規格は日本のCHAdeMO、ヨーロッパのCCS、中国のGB/Tがそれぞれ群雄割拠しており、かつ日々更新されている状況です。当社はいち早く最新情報をキャッチし、有益なソリューションをご提供します。

理化学計測部は今後も「物理」「化学」「電源」それぞれの分野において、常に新しい評価手法を提案していけるよう日々研鑽してまいります。