Helix Core P4コマンドリファレンス (2019.1)

p4 client

クライアントワークスペース仕様およびそのビューの生成または編集を行います。

p4 workspaceコマンドはp4 clientと同等に機能します。

構文

p4 [g-opts] client [-f] [-t template] [-T type] [clientname]
p4 [g-opts] client -o [-t template] [-T type] [clientname]
p4 [g-opts] client -d [-f [-Fs]]clientname
p4 [g-opts] client -s [-S stream | -t clientname] clientname
p4 [g-opts] client -S stream [[-c change] -o] [clientname]
p4 [g-opts] client -i [-f]
p4 [g-opts] client -d -f --serverid=serverid [-Fs]

説明

Helixサーバclient workspaceは、ユーザのマシン上に存在するファイルの集合で、ディポ内に存在するファイルの集合の一部に対応しています。 より正確に言うと、ディポファイルとワークスペースファイルを名前付きでマッピングします。 p4 clientコマンドを使用して、クライアントワークスペース仕様の生成または編集を行います。 このコマンドを実行すると、ワークスペース管理のためにHelixサーバで必要となる情報をユーザが入力するためのフォームが表示されます。

p4 clientコマンドは、クライアント仕様を一時ファイルに置き、環境変数P4EDITORにより構成されたエディタを起動します。 新しいワークスペースでは、クライアント名がデフォルトで環境変数P4CLIENT(設定されている場合)または現在のホスト名に設定されます。 ファイルを保存すると、クライアント仕様が作成または変更されます。

p4 clientフォームの[View:]フィールドで指定されるclient viewが、ワークスペースのファイルとディポの間のマッピング経路を指定します。

クライアントワークスペースファイルとディポファイル間のマッピング:

  • 同じまたは異なる相対的位置を指定できます。
  • 同じまたは異なる名前を指定できます。
  • 通常は多対多マッピングです。例えば、path/to/....html path/from/....htmと指定する場合、... はワイルドカード、4つ目の「.」はファイル拡張子の . (リテラル文字)です。 「ファイル指定」で「ワイルドカード」を参照してください。

p4 clientが完了すると、新しく生成された、または変更されたワークスペース仕様がHelixサーバデータベースに保存されます。 ワークスペース内のファイルは影響を受けません。 新しいビューは、次にp4 syncが実行されて初めて有効になります。

変更をストリームにサブミットするには、p4 client -S stream clientnameコマンドを実行してストリームをワークスペースに関連づける必要があります。 ワークスペースに関連付けられたストリームを変更するには、p4 client -s -S stream clientnameコマンドを実行します。

ヒント
  • クライアントの作成後にクライアントのストレージタイプを変更することはできません。 例えば、readonlyクライアントをwriteableクライアントに変更することはできません。
  • 「クライアント」、「ワークスペース」、「ワークスペースクライアント」という用語は、すべて同じ意味になります。

クライアントワークスペースビュー内のマッピングについて

一致するファイルを除外するには、マッピングの先頭にマイナス記号「-」を指定します。

複数のマッピング行が同じファイルを指している場合、前のマッピング行が後のマッピング行によって上書きされます。

複数のサーバディレクトリを同じクライアントワークスペースディレクトリにマップする

複数のサーバディレクトリを同じクライアントワークスペースにマップするには、以下のように「+」記号を使用して、古いマッピングを新しいマッピングで上書きします。

//depot/project1/... //bruno-client/project
+//depot/project2/... //bruno-client/project

古いマッピングと新しいマッピングの両方に一致するファイルが存在する場合、新しいマッピングに一致するファイルの方が使用されます。 詳細については、『Helix Coreサーバユーザーガイド』の「複数のディポの場所を同じワークスペースにマッピングする」を参照してください。

1つのサーバディレクトリを複数のクライアントワークスペースディレクトリにマップする

1つのサーバディレクトリを複数のクライアントワークスペースディレクトリにマップするには、以下のように「&」記号を使用します。

//depot/... //bruno-client/...
&//depot/and/tools/... //bruno-client/and/utility1/...
&//depot/and/tools/... //bruno-client/and/utility2/...

この方法でマップしたファイルは、読み取り専用ファイルになります。 詳細については、『Helix Coreサーバユーザーガイド』の「1つのディポパスをワークスペース内の複数の場所にマップする」を参照してください。

フォームフィールド

フィールド名 タイプ 説明

Client:

読み取り専用

環境変数P4CLIENTまたは同等の変数で指定されたクライアントワークスペース名。

clientname引数を指定しなかった場合、p4 clientコマンドは、環境変数P4CLIENT(またはそれに相当する変数)で指定されたワークスペースに対して動作します。 clientname引数を指定してlockedワークスペースに対してコマンドを実行した場合、ワークスペース仕様は読み取り専用になります。

ファイル名およびエンティティに関する文字の制限に注意してください。

Owner:

書き込み可能、任意入力

クライアントワークスペースを所有するユーザのユーザ名。 デフォルトは、そのワークスペースを生成したユーザです。

指定する所有者は、Helixサーバユーザである必要はありません。 ユーザがまだ存在していないため任意の名前を使用する場合や、ユーザを削除してから仕様を新しいユーザに割り当てるまでのプレースホルダーが必要となる場合があります。

Update:

読み取り専用

ワークスペース仕様が最後に更新された日付。

Access:

読み取り専用

ワークスペースが何らかの方法で最後に使用された日付と時刻。

アクセス時刻はクライアントが存在するサーバ(クライアントが作成されているサーバまたはクライアントの移動先サーバ)でのみ有効になります。 これは、コミットエッジアーキテクチャにのみ関連する問題です。

p4 reloadによるワークスペースのリロードは、アクセス時刻には反映されません。

Host:

書き込み可能、任意入力

ワークスペースが存在するワークステーションの名前。 このワークステーション名を指定した場合、このクライアントワークスペースは、このフィールで指定したホスト以外では操作できなくなります。 指定しなかった場合、どのホストからでもアクセス可能になります。

ホスト名は、p4 infoをそのホストから実行したときの出力に表示されるとおりに入力する必要があります。

注意

このフィールドは、クライアントワークスペースが誤って別のホスト上で使用されるのを防ぐためにあります。 ホスト名を設定しても、セキュリティは保証されません。その理由は、ホスト名の実効値はp4コマンドの-Hオプションまたは環境変数P4HOSTによりオーバーライドされることがあるためです。 これと同様の機能でセキュリティを保証するには、p4 protectのIPアドレス制限機能を使用します。

Description:

書き込み可能、任意入力

ワークスペースに関するコメント。 デフォルトはCreated by ownerです。

Root:

書き込み可能、入力必須

View:に記述されているすべてのファイルの相対位置の基準となる(ローカルホスト上の)ディレクトリ。 デフォルトは、現在の作業ディレクトリです。 パスは、ローカルファイルシステムの構文で指定する必要があります。 (「ファイル指定」の「シンタックスフォーム」を参照してください)

この設定を変更する場合は、現在の場所にあるファイルをすべて物理的に移動する必要があります。 Windowsのクライアントマシンでは、ルートをnullに指定して、ファイルを複数のドライブにマッピングできます。

AltRoots:

書き込み可能、任意入力

任意で指定するクライアントワークスペースの代替ルート(最大2つ)。

Helixサーバのアプリケーションでは、最初にメインのクライアントルート、次に代替のクライアントルートを検査することによって、現在のワーキングディレクトリと合致させます。 p4 infoコマンドを使用して、表示するルートを表示します。

これによりユーザは、異なるディレクトリ名の変換をすることができ、複数プラットフォーム上で同じHelixサーバクライアントワークスペース仕様を使用することができます。

複数または別名のワークスペースルートを使用している場合(AltRoots:フィールド)、p4 infoによりレポートされたClient root:を見て、どちらのルートが有効か判断することができます。

ワークスペースルートのいずれかでWindowsディレクトリを使用している場合には、そのWindowsディレクトリをメインのワークスペースルートとして指定し、他のワークスペースルートをAltRoots:フィールドに指定しなければなりません。

例えば、複数のプラットフォーム上で製品をビルドしているエンジニアは、Windows上でのビルド用としてメインのクライアントルートをC:\Projects\Build、UNIX上でのビルドに関する作業用として別名のルートを/staff/userid/projects/buildと指定します。

Options:

書き込み可能、入力必須

特定のワークスペースオプションを制御するスイッチセット。 詳細については、「オプションフィールド」を参照してください。

SubmitOptions:

書き込み可能、入力必須

p4 submitのデフォルトの動作を制御するオプション。

  • submitunchanged

    すべての作業状態のファイル(変更の有無にかかわらず)がディポにサブミットされます。 これはHelixサーバのデフォルトの動作です。

  • submitunchanged+reopen

    すべての作業状態のファイル(変更の有無にかかわらず)がディポにサブミットされ、すべてのファイルが自動的にデフォルトチェンジリストで再度作業状態にされます。

  • revertunchanged

    内容またはファイルタイプが変更されたファイルのみがディポにサブミットされます。 変更されていないファイルは、元に戻されます。

  • revertunchanged+reopen

    内容またはファイルタイプが変更されたファイルのみがディポにサブミットされ、デフォルトチェンジリストで再度作業状態にされます。 未変更のファイルは元に戻しますが、デフォルトチェンジリストでは作業状態にされません

  • leaveunchanged

    内容またはファイルタイプが変更されたファイルのみがディポにサブミットされます。 未変更のファイルはデフォルトチェンジリストに移動されます。

  • leaveunchanged+reopen

    内容またはファイルタイプが変更されたファイルのみがディポにサブミットされます。 未変更のファイルはデフォルトチェンジリストに移動され、変更済みのファイルはデフォルトチェンジリストで再度作業状態にされます。 このオプションはsubmitunchanged+reopenと似ていますが、未変更のファイルはディポにサブミットされません。

LineEnd:

書き込み可能、入力必須

復帰/改行(CR/LF)の変換を設定します。 詳細については、「行末の処理」を参照してください。

Stream:

書き込み可能、任意入力

ワークスペースを、指定したストリームに関連付けます。 Helixサーバはストリームに関連付けられたワークスペースのビューを生成します。 ユーザがそのビューを手動で変更することはできません。

StreamAtChange:

書き込み可能、任意入力

過去のある時点におけるストリームのビューを設定するチェンジリスト番号。

StreamAtChangeが設定されているとき、p4 syncを(引数を付けずに)実行すると、ワークスペースはファイルを最新リビジョンではなくこのチェンジリストのリビジョンに更新します。 StreamAtChangeが設定されている場合は、ワークスペースビューに現在のストリームの継承関係が反映されていないため、チェンジリストをサブミットできません(p4 submitがエラーを返します)。

同時にStreamフィールドも有効なストリームに設定されていなければ、このフィールドは無視されます。

ServerID:

書き込み可能、任意入力

設定されている場合、ワークスペースは指定されたサーバに限り使用可能です。 未設定の場合、このワークスペースはどのサーバでも使用可能です。

重要

構成の問題を回避するには、serverIDの値をP4NAMEの値と常に一致させる必要があります(どちらも設定されている場合)。 serverIDを設定することをお勧めしますが、下位互換性を維持するため、P4NAMEもサポートされています。

View:

書き込み可能、複数行

ディポのファイルとワークスペースのファイルとの間のマッピングを指定します。 詳細については、「p4 help views」を参照してください。 新しいビューは次のp4 syncで有効になります。

ChangeView:

書き込み可能、任意入力、複数行

ディポのパスを特定の時点に制限します。 ChangeViewフィールドで指定されるファイルは読み取り専用です。すなわち、開くことはできますがサブミットはできません。 以下に例を示します。

//depot/path/...@1000

指定されたパスにあるファイルのリビジョンは、指定されたチェンジリスト番号の後にサブミットされた場合、表示されません。 ChangeViewパスに一致しているファイルは、サブミットできません。

注意

自動ラベルの名前は、ストリーム仕様のインポートマッピング、およびクライアント仕様のChangeViewの指定子として使用することができます。

Type:

書き込み可能、任意入力

クライアントのタイプを指定します。writeable (the default), readonly, or partitioned

ビルド自動化スクリプトで使用される一時的なクライアントの場合は、readonlyを使用します。 こうしたクライアントの場合、ファイルの編集やサブミットを行うことはできませんが、ビルドスクリプトでは問題なく使用することができます。

partitionedを指定すると、readonly設定と同じ動作になりますが、対象のクライアントを使用して、ファイルの編集とサブミットを実行できるようになります。

注意

ビルド自動化スクリプトで書き込み可能クライアントを使用すると、db.haveテーブルの断片化が発生する場合があります(このテーブルを使用して、クライアントの同期先ファイルが追跡されます)。こうした問題が発生した場合は、書き込み可能なクライアントの代わりに、読み取り専用クライアントやパーティション化されたクライアントを使用してください。readonlyタイプまたはpartitionedタイプのクライアントには、専用のdb.haveテーブルが割り当てられています。このテーブルの場所は、構成可能変数client.readonly.dirを使用して、管理者が事前に設定しておく必要があります。

オプション

-d clientname

ワークスペースがユーザによって所有されているか否かとは無関係に、指定されたクライアントワークスペースを削除します。 ワークスペースのロックは解除し、作業中のファイルや作業中の変更がないようにする必要があります (-fオプションはHelixサーバ管理者による他のユーザが所有するロックされたワークスペースの削除を許可します。)保留中のファイルがあっても、クライアントを削除することができます(-Fsオプション参照)。

別のサーバにバインドされているクライアントを強制的に削除するには、--serveridオプションと、そのサーバのIDを指定する必要があります。 こうすることにより、自分のサーバに接続されているクライアントを誤って削除することがなくなります。

-f

通常は読み取り専用になっている最終更新日を設定可能にします。 管理者は-fオプションを使用して、他のユーザが所有しているロックされたワークスペースを削除または修正することができます。

このオプションを使用するには、p4 protectにより承認されたadminアクセス権が必要です。

-Fs

クライアントに保留中の変更があっても、クライアントを削除することができます。 クライアントは削除され、保留中の変更はそのまま残されます。 (-fオプションは、-Fsオプションと共に使用する必要があります。)

-i

クライアントワークスペース仕様を標準入力から読み込みます。

-o

クライアントワークスペース仕様を標準出力に書き出します。

-o -c change

-S streamと共に使用すると、変更のサブミット時に、ストリーム用に作成されたワークスペース仕様が表示されます。

-s

ワークスペースビューを切り替えます。 ワークスペースビューをストリームに切り替えるには、-S streamを指定します。 別のワークスペースに定義されたビューに切り替えるには、-tclientnameを指定します。

作業中のファイルのあるクライアントでは、ビューの切り替えはできません。 -fオプションは、-sと共に使用して作業中のファイルの切り替えを強制します。 p4 syncを実行するまで、ビューを切り替えてもクライアントワークスペースのファイルに影響はありません。

--serverid=serverid

別のサーバにバインドされているクライアントを強制的に削除するには、--serveridオプションと、そのサーバのIDを指定する必要があります。 こうすることにより、自分のサーバに接続されているクライアントを誤って削除することがなくなります。

p4 clientコマンドのこのバリアントは、コミットサーバに対して直接発行する必要があります。

-S stream

ワークスペースを指定ストリームに関連付けます。そのストリームがワークスペースビューの生成に使用されます。

-t clientname

クライアントワークスペースのclientnameのビューとオプションを、このワークスペースの[View:]フィールドと[Options:]フィールドにコピーします。 デフォルトのクライアントテンプレートをtemplate.client構成可能変数で指定した場合、このオプションを設定する必要はありません。

-T type

デフォルトでは、クライアントはwriteableです。 「type」を、以下の値に設定することもできます。

  • readonly: ファイルを編集用に開いたり、サブミットしたりすることができなくなります。
  • partitioned: ファイルを編集用に開いたり、サブミットしたりすることができます。

g-opts

詳細については、「グローバルオプション」を参照してください。

使用上の留意点

ファイル引数にリビジョン指定子を使えるか? ファイル引数にリビジョン範囲を使えるか? 最低限必要なアクセスレベル

適用外

適用外

list

  • スペースを含むファイルまたはディレクトリ名のディポ側またはクライアント側のマッピングは引用符で囲みます。
  • ワークスペース名に含まれるスペースはアンダーバーと解釈されます。 例えば、p4 client "my workspace"というコマンドを入力すると、my_workspaceというワークスペースが生成されます。
  • デフォルトでは、すべてのユーザがp4 clientclientnameですべてのワークスペースを編集できます。 これが起きるのを防ぐには、lockedオプションを設定し、p4 passwdでワークスペース所有者のパスワードを生成します。
  • 複数ドライブにまたがるWindows上のワークスペースを指定するには、ワークスペースビューでRoot:nullに設定し、ドライブの文字を指定します。 例えば、下のワークスペース仕様では、ルートがnullに設定され、//depot/main/...C:ドライブ領域へ、他のリリースはD:ドライブへマッピングされています。

    Client: eds_win
    Owner:  edk
    Description:
            Ed's Windows Workspace
    Root:   null
    Options:        nomodtime noclobber
    SubmitOptions:  submitunchanged
    View:
            //depot/main/...     "//eds_win/c:/Current Release/..."
            //depot/rel1.0/...   //eds_win/d:/old/rel1.0/...
            //depot/rel2.0/...   //eds_win/d:/old/rel2.0/...

    ワークスペースを複数ドライブにわたって指定する場合は、小文字を使用してください。

オプションフィールド

Options:フィールドには、値がスペースで区切られて表示されます。 各オプションには、それぞれ2つの設定値があります。

オプション 意味 デフォルト

[no]allwrite

allwriteが設定されている場合、ワークスペース内の作業状態になっていないファイルは書き込み可能のままになります。

allwriteが設定され、noclobberが指定されていない場合、安全な同期が行われます。

allwriteが設定されると、作業状態になっていないファイルは現在のユーザによる書き込みが可能な状態のままになります。 マルチユーザシステムのユーザが書き込み可能になるようにファイルシステムのパーミッションを設定することはありません。

noallwrite

[no]clobber

clobberが設定されている場合、p4 syncを実行すると、ワークスペースで新たに同期したファイルと同じ名前を持つ、書き込み可能で作業状態になっていないファイルが上書き(「clobber」)されます。

allwriteが設定され、noclobberが指定されていない場合、安全な同期が行われます。

noclobber

[no]compress

compressが設定されている場合、ユーザのワークステーションとPerforceサービスの間のデータストリームが圧縮されます。

compressオプションは、伝送するデータ量を減らして、低速リンクを介した通信を高速化します。 高速リンクの場合には、圧縮プロセスそのものに、節約される伝送時間より多くの時間がかかることがあります。 一般に、compressはT1以下の伝送速度のときのみに設定するものです。

nocompress

[un]locked

他のユーザにワークスペース仕様を編集または削除するパーミッションを認めるか否かを設定します。 (lockedのワークスペースを効果的に使用するには、p4 passwdで該当ワークスペースの所有者のパスワードを設定する必要があります。)

lockedに設定されている場合は、所有者のみがワークスペース仕様を使用または編集できます。 Helixサーバ管理者は、-fp4 client(強制)オプションを付けてそのロックをオーバーライドすることができます。

unlocked

[no]modtime

ファイルタイプ修飾子+m(modtime)の付いていないファイル:

  • modtimeに設定されている場合、新たに同期したファイルの(ローカルのファイルシステムにおける)更新日は、そのファイルが最後に更新されたときのそのファイルにおける日付スタンプになります。
  • nomodtimeに設定されている場合、バージョンに関係なく、更新日は同期の日付と時刻になります。

+m (modtime)ファイルタイプ修飾子を持つファイルの場合、クライアントのmodtime またはnomodtimeの設定に関係なく、ファイルがディポにサブミットされたときにファイルに表示された日付が、新たに同期された(ローカルファイルシステム上の)ファイルの更新日になります。

modtime (+m)の付いているタイプのファイルは、ファイルに元のタイムスタンプを保存する必要がある開発者向けです。 ファイルタイプに付いている+mは、ワークスペースのmodtimeまたはnomodtime設定をオーバーライドします。 +m修飾子の詳細については、「ファイルタイプ」を参照してください。

nomodtime (同期の日付と時刻): ほとんどのファイルの場合。

ファイルタイプ修飾子+mが付いているファイルでは無視。

[no]rmdir

rmdirが設定されると、p4 syncのようなコマンドが空ではないワークスペースディレクトリを空にするため、そのワークスペースディレクトリが削除されます。

ヒント

rmdirが設定されると、p4 syncが現在作業中のディレクトリを削除する場合があります。 このような場合は、作業を継続する前に既存のディレクトリに変更してください。

normdir

行末の処理

[LineEnd:]フィールドは、クライアントワークスペースのテキストファイルに使用される行末文字を制御します。 行末オプションを変更しても、実際にはクライアントのファイルは更新されないため、p4 sync -fコマンドで更新することができます。

[LineEnd:]フィールドは、次の5種類の設定値のいずれかを受け付けます。

オプション 意味

local

クライアントのネイティブモード(デフォルト)を使用します。

unix

UNIX形式(およびmacOS)の行末識別をで行います。 LF

mac

OS Xよりも前のバージョンのMacの行末識別をCRで行います。

win

CR + LFでWindows形式の行末識別を行います。

share

shareオプションは、混在した行末をUNIXの行末形式に標準化します。 shareオプションはワークスペースに既に同期されているファイルには影響しません。しかし、ファイルがディポにサブミットされる際、shareオプションによりWindows形式の行末であるCR/LFおよびMac形式の行末であるCRはすべてUNIX形式のLFに変換され、LFのみがそのままの状態で残されます。

ワークスペースの同期の際、行末はLFに設定されます。 ファイルをWindowsマシンで編集する場合、エディタにより各LFの前にCRが挿入されても、追加されたCRはアーカイブファイル内には現れません。

一般にshareオプションの使用が適しているのは、UNIXのホームディレクトリをネットワークドライブとしてマウントしたWindowsワークステーションのユーザが、ファイルの同期はUNIXから行い、編集はWindowsマシン上で行うような場合です。

shareオプションを指定すると、サブミット時にファイルが暗黙的に編集されます。 そのため、クライアント仕様内でLineEndフィールドをshareに設定してp4 resolveコマンドを実行すると、解決を行う前に、ファイルを編集するためのプロンプト画面が表示される場合があります。

詳細については、サポートナレッジベースの記事「CR/LF Issues and Text Line-endings」を参照してください。

ストリームを使用する

-sが付いていない場合、-S streamオプションにより、ストリーム専用の新規クライアント仕様を作成することができます。 クライアント仕様が既に存在していて、-Sオプションが-sオプションなしで使用されている場合、これは無視されます。 -Sオプションを指定すると、クライアントのStreamフィールドが設定されます。 専用のシンタックス-S //a/stream@changelistにより、StreamおよびStreamAtChangeを同時に設定することができます。

-S streamオプションは、-o -c changeと共に使用されることで、古いストリームのクライアントビューを確認することができます。 これは、変更が記録された時点でストリームに作成されていたクライアント仕様を生成します。

ビルドサーバを使用する

ビルドサーバタイプのサーバ(p4 help server参照)は、ビルドファーム統合をサポートするレプリカであり、p4 clientコマンドを使用してビルドサーバにクライアントワークスペースを作成し、編集できます。 このワークスペースでは、レプリカのサポートするすべての読み取り専用コマンドに加えてp4 syncコマンドを発行できます。 詳細については、p4 help buildserverを実行してください。

ビルドサーバにクライアントワークスペースを作成または編集する場合、オプションのname引数で指定されたクライアントは、環境変数P4CLIENTやグローバルな-c client引数で設定されるクライアントと同様、存在する必要がない、あるいはこのサーバに制限される必要があります。このコマンドは、このビルドサーバに制限されていないワークスペースの作成または編集に使用することはできません。

読み取り専用クライアントと作業する

定期的にクライアントを作成、同期、廃棄するビルド自動化スクリプトは、徐々にdb.haveテーブルを断片化する可能性があります。 これを防ぐため、これらのクライアントにreadonlyのタイプを指定することができます。 このタイプが指定されたクライアントはファイルの追加、編集、反映およびサブミットができませんが、ビルドスクリプトでは問題ありません。

読み取り専用のクライアントには、独自の個人用db.haveデータベーステーブルが割り当てられています。このテーブルの場所は、client.readonly.dir構成可能変数を使用して指定します。

読み取り専用クライアントをセットアップするには以下を実行します。

  1. client.readonly.dir構成可能変数を、クライアントのdb.*テーブルが保存されるディレクトリに設定します。

    例えば、myrocという名前の読み取り専用クライアントを作成し、/perforce/1client.readonly.dirを設定したあと、このクライアントを使用してファイルの同期を行うと次のデータベースに書き込みが行われます。

    /perforce/1/server.dbs/client/hashdir/db.myroc

  2. クライアント仕様のTypeフィールドをreadonlyに設定する

グラフディポリポジトリをクライアントに含める

詳細については、「p4 client (グラフ)」を参照してください。

p4 client

P4CLIENTの値または同等の方法によって指定されたワークスペースの仕様を編集または生成します。

p4 client -t gale bruno

デフォルトとしてワークスペースgaleの設定値とオプションを含むフォームを表示して、ワークスペースbrunoの生成または編集を行います。

p4 client -d release1

ワークスペースrelease1を削除します。

p4 client -o build-client | sed "s/Created by/Created by automated build/" | p4 client -i

クライアント仕様の「Description:」フィールドが自動的に更新されます。

この例では、-oオプションと-iオプションを使用して、標準出力から標準入力にリダイレクトしています。

関連コマンド

システムが認識しているすべてのワークスペースのリストを表示する

p4 clients

ディポからワークスペースへファイルを読み込む

p4 sync

ワークスペースでディポに追加する新しいファイルを作業状態にする

p4 add

ワークスペースで編集するファイルを作業状態にする

p4 edit

ワークスペースで削除するファイルを作業状態にする

p4 delete

ワークスペースのファイルに対する変更をディポに書き込む

p4 submit

グラフディポバージョン p4 client (グラフ)