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取材・インタビュー

「第6回ドアサミット」初のオンライン開催!
国内自動車メーカーのドアエンジニアが集結
自動車ドアの未来を考える、ドアに特化したカンファレンス

目次

国内の自動車メーカーが主催

「ドアサミット」は、国内の主要自動車メーカーが主催する、自動車のドアに特化したカンファレンスです。2016年、自動車のドアに関する情報交換の場を求める自動車メーカーの声に応えて東陽テクニカが事務局となりスタートしました。
「日本のドアをよりよくしていこう!」を理念に定例開催されているドアサミットですが、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により中止となりました。第6回となる2021年は、オンライン形式で9月9日に開催され、自動車メーカー、サプライヤーをはじめとする38社から155名の自動車ドア開発に取り組むエンジニアが集まり、現在のドアに関する技術やその未来について活発な意見交換が行われました。
東陽テクニカは事務局として、主催自動車メーカー各社とのプログラム内容調整、開催の準備、当日の進行、終了後のアンケート集計などドアサミットの開催と発展を支援しています。
ドアサミットの継続的な開催を通して、日本の自動車産業により広く貢献することを目指しています。

初のオンライン開催

第5回までのドアサミットは、東陽テクニカのセミナールームに全国から約100名のエンジニアが集結し、自動車メーカー各社のドアパネルの実物展示、テーマ別に分かれてのグループディスカッションなど、リアルイベントならではの取り組みが行われていました。
初のオンライン開催となった第6回ドアサミットですが、当初の検討段階では積極的な発言がしづらくなり盛り上がりに欠けるのではないか、という不安もありました。しかし、これまで築き上げてきた企業の枠組みを超えたエンジニア同士の横のつながりを途絶えさせてしまうのはもったいないとの考えから、オンラインでもできるコンテンツを検討し、ドアサミットの新たな魅力発見のために開催することとなりました。今回初めて企画されたのは、「他社への質問」のプログラムです。ここでは各自動車メーカーから別の自動車メーカーのドアの気になる部分について質問し、その回答をきっかけとして他の参加者も加わり、さまざまな意見交換が行われました。

技術講演

ドアサミットの恒例プログラムのひとつは技術講演です。ドア開発の最前線で活躍するエンジニアがそれぞれ以下のテーマの講演を行い、盛んな質疑応答が行われました。参加者による投票の結果、本年の最優秀技術講演賞に選ばれたのは、本田技研工業株式会社の講演でした。

  • 「開発効率化への挑戦~ソリオのドア開発~」(スズキ株式会社)
  • 「世界車両ベンチマークから発見したドア構造の違いとトレンド」(A2Mac1 Japan株式会社)
  • 「スライドドア オープン/クローズ システム」(本田技研工業株式会社)
  • 「FRPと金属を組み合わせたマルチマテリアルドアモジュールの開発」(帝人株式会社)

リアルタイムアンケート

リアルタイムアンケートも実施されました。
ドアサミット主催の自動車メーカー各社が事前に用意した質問について参加者からの回答をアンケート方式で募り、その場で結果を共有するというものです。
オンライン開催においても参加者同士の情報・意見交換を促進する非常に有効なプログラムとなりました。

ドアサミット幹事 本田技研工業株式会社 藤村氏へのインタビュー

今回、初のオンライン開催となりましたが、結果としてこれまでより多くのエンジニアが参加して活発な意見交換が行われ、多くの参加者にご満足いただける内容となりました。今回のドアサミットの幹事を務めてくださった、本田技研工業株式会社の藤村氏に、オンライン開催を終えた感想や、今後の自動車のドアに関するお話を伺いました。

——:今回のドアサミットは初のオンライン開催となりましたが、いかがでしたか。

藤村氏:これまでのドアサミットは、皆が集まって講演やディスカッションを行うほか、ドアの現物を見ながら自由に話す場でした。今回オンライン開催となり、特にディスカッションでのコミュニケーションに関しては、これまでのような活発な意見交換ができないのではないか、という不安がありました。しかし実際には、心配していた質問の時間も積極的な発言が多くあり、思っていたよりうまくいったと思います。また、移動の必要がなく遠方の方の参加も多くあり、スペースの制約がなかったため、若手や中堅の顔ぶれも多く見られたのは有意義でした。ただ、懇親会が開催できないのは残念でした。毎年、本編で聞けなかったようなことを話せて盛り上がりますよね。

——:今回は第6回目のドアサミットとなりました。改めてドアサミットの魅力は何でしょうか。

藤村氏:ホンダは第3回から参加し、今回で4回目となりました。他社の講演を聞くのは大変参考になります。また、自分たちが普段考えていることに対し、他社も同じように考えていることがわかると、これで良かったという安心感があります。逆に、異なる考え方や判断基準に触れて、多くの気づきを得ることもできます。

——:今回のドアサミットをオンライン化したように、新型コロナウイルス感染症の流行により、世間一般でもリモートワークの推進など、仕事のやり方が変わってきています。御社でも何か変化がありますか。

藤村氏:ホンダでは在宅勤務にかなり力を入れており、緊急事態宣言中の出社率は3割程度です。仕事の面では、コミュニケーションが難しいと感じることもあります。会社で顔を合わせれば一言で終わることが、オンラインではなかなかうまく伝わらないこともあります。また、相手の顔が見えないと、何か困っていないか、すぐにわからないこともあります。やはり、オンラインと実際に会うのでは違いますよね。

——:コミュニケーションが難しいという点は、ドアサミットでも各社から同様の悩みが出ましたね。一方、普段の業務では、何か変化がありますか。また、これからのドア開発にも影響はありますでしょうか。

藤村氏:設計の面では、もともと3Dソフトを使っており、そのまま画面共有ができますので、特に大きな変化はありません。ただ、実車テストをする場合は出社が必要ということになります。また、新型コロナウイルスの影響という点では、ドアそのものは大きく変わらなくとも、リモートワークが進むと、これまでと同じような開発は厳しいと思います。新型コロナのみが理由ではないですが、そもそも早く開発することも求められますし、シミュレーションの活用や、精度を上げることは必要となります。精度を上げるには、実際のデータの蓄積や、物性もより必要となります。

——:今回のドアサミットの中で、自動運転技術の発展とともにドアに求められる機能が変わってくる、という話がありました。自動ドアの開発という話も出ましたが、これまでにはない新しい苦労が出てくるのでしょうか。

藤村氏:自動ドアとなると、人が閉めなくてよくなるため、ドアの閉めやすさに関する感度は落ち、車内の空気圧などは気にしなくてよくなるのでは、と思っています。自動運転が進み、ドアも自動化されるか、というのはディスカッションでも争点となりますが、機能とコストのバランスを取る必要があります。現状、スライドドアは一部が自動になった形で普及しています。全自動ドアにするためには、様々なセンサーが必要となり、個人的には高級車に限られるのかな、という印象です。手をかざすと開け閉めしてくれるとか、近寄るだけでドアが開いてくれると便利ですよね。将来的にどのようなドアがよいだろうか、という議論は続けています。

——:ずばり、良いドアとはどのようなドアでしょうか。ドアを設計する上での優先順位はありますか。また、消費者からドアに対する期待の声などはありますか。

藤村氏:最優先なのは安全性ですね。そのうえで、機能性、商品性、デザイン性、コスト面を高次元でどのようにバランスさせるかは、考えるべき点です。個人的な見解となりますが、ドアは使い勝手が良く、使っていて違和感がないものであるべきだと考えております。ドアサミットではドアの握りやハンドルの質感、閉まるときの音など、技術的な話が中心となりますが、お客様側にはその技術の細かい部分は関係なく、むしろ、そのような技術面に気づかないくらいのドアを作る必要があると思います。究極的には、使ったことを意識しないような、空気みたいに何も感じないドアが良いと思っています。

——:コロナの状況や時代の流れでオンライン化が進む傾向にありますが、実際に顔を合わせていた時のように、オンラインでもざっくばらんに話せる環境が作れると良いと思います。東陽テクニカは今後も、ドアサミットのお手伝いをさせていただきます。

ドアに関する計測システムの紹介

ドアサミットのなかで、東陽テクニカからは、ドアの計測にご活用いただける計測システムを紹介いたしました。

  • AI技術を用いたシミュレーション解析ツール「Monolith AI」
  • ドア閉まり速度計「SpeedPod」
  • ドア閉まりの挙動を計測する次世代ホイール/エンジン挙動計測システム「EZ Motion3」
  • 磁気センサと慣性センサによるモーションキャプチャ スーツ「G5 MocapSuit」
本記事に掲載の計測試験にご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください
 
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