車両EMC暗室に後付け設置可能な車載無線の通信品質評価のための「自動車CATR(コンパクトレンジ)ソリューション」を販売開始
スウェーデンRanLOS社と国内および中国・米国における代理店契約を締結

News Release

※本記事は2020年6月8日に掲載した記事の再掲載となります。情報はもとの掲載日現在の情報です。
最新情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

株式会社東陽テクニカ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:五味 勝)はRanLOS AB(本社:スウェーデン、ヨーテボリ、以下RanLOS社)と国内および中国・米国での代理店契約を締結し、2020年6月1日より、自動車に搭載された無線通信機器の品質を評価するための試験ソリューション「自動車CATR※1ソリューション」の販売を開始いたします。

※1 コンパクト・アンテナ・テスト・レンジ。
遠距離通信での電波の特性を、疑似的に短距離で測定・試験することのできる装置。

試験セットアップイメージ|自動車計測ポータルサイト|東陽テクニカ

試験セットアップイメージ(車両の前に設置されているのが「自動車CATRソリューション」)

背景・製品概要

安全性向上、交通の効率化、インフォテインメントやインターネット接続のため、自動車のワイヤレスデータ通信の必要性が高まり、自動車と通信技術の融合が進んでいます。今後、自動運転/ADAS(Advanced Driver Assistance System)技術の進歩や、より快適性の高いサービスの提供のために、さらに大容量・低遅延で高品質の通信が求められることが予想されます。

しかし、通信業界ではモバイル製品やサービスの開発プロセスにおいて、品質向上や性能の担保のために無線通信の試験をすることが一般的になっている一方、自動車業界では無線通信機能に対する試験方法がまだ確立されていません。車載の無線通信機器は単体での試験ではなく、通信機器を搭載した車両全体を対象にして試験を行う必要があります。また、各自動車メーカーはよりリアルな通信を再現するために、路上など、自動車が実際に利用される環境をシミュレーションしながら試験する実用的な方法を模索しています。

RanLOS社はこれまで通信業界で利用されてきた、正確で再現性の高い試験手法を自動車向けに適用し、「自動車CATRソリューション」を開発しました。電波暗室内に設置し、高速道路上や都市などにおけるリアルな通信をシミュレーションしながら自動車の無線通信性能を試験することができます。コンパクトで設置が容易な設計であり、電磁界の発生に平行波を用いることで、 床や壁からの反射が低減されるため、既存のEMC試験用電波暗室での試験が可能です。また、シャシダイナモが設置されたターンテーブルに自動車を配置すれば、走行・回生モードやADAS機能動作時のOTA(Over-The-Air)試験を同時に実施することができます。

さらに、今後普及すると予想されるV2X通信に対応しているため、自動車に搭載された安全システムや自動運転システムが問題なく機能するかどうかを確認できます。セットアップが容易なため、試験にかかる時間を削減します。

これらの機能により、「自動車CATRソリューション」は自動車に搭載された無線通信機器の通信試験を、よりリアルな環境で実用的に行うための一つの手法を提供すると共に、自動車の無線通信品質向上や自動車開発サイクルの短縮に寄与することができます。

「自動車CATRソリューション」特長

  • 既存EMC試験用電波暗室を活用して車載無線通信機器のOTA試験が可能
  • 自動車の車体サイズに対応したテストゾーン(直径2.5m)で、ほとんどの車載アンテナ位置で試験可能
  • シャシダイナモ付きターンテーブルを組み合わせることで、走行モード・回生モード両方で試験が可能
  • ADAS試験とV2X通信品質評価を組み合わせることが可能
  • 容易な試験周波数変更(リフレクター焦点のアンテナアレーの交換のみで、再アライメント不要)
  • 既存設備を利用することで新規アンテナ試験用暗室の建設不要でコスト低減

製品データ

  • 製品名:「自動車CATRソリューション」
  • 発売日:2020年6月1日

RanLOS社について

RanLOS ABは2015年にスウェーデン・ヨーテボリのチャルマース工科大学のパーシモン・キルダル教授により設立されました。RanLOS社は、車載通信機器の試験に使用するRandom Line of Sight技術を使用したOTA試験手法の特許を出願中です。このソリューションはチャルマース工科大学の研究をベースにしており、スウェーデンのGapwaves社のアンテナを利用しています。キルダル教授はこれまでにも、いくつもの発明を商業化しており、その中でもComhatアンテナは累計100万台以上を販売し、エリクソンのミニリンクに組み込まれ世界中に設置されています。また、通信業界向けOTAテストシステムであるリバブレーションチャンバの主要なサプライヤーであるBluetest社もキルダル教授が設立した企業の一つであり、東陽テクニカはその代理店として2004年よりBluetest社製品の国内での販売を行っています。
RanLOS社 Webサイト:https://ranlos.com/

本資料は2020年5月29日に発表した報道向け資料を改題し、加筆したものです。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社東陽テクニカ EMCマイクロウェーブ計測部
TEL:03-3245-1244 (直通)
E-mail:emc@toyo.co.jp
「自動車CATRソリューション」製品サイト:
https://www.toyo.co.jp/emc/products/detail/VehicleCATR

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製品情報、サービス内容、お問い合わせ先など、予告なく変更する可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

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