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対談インタビュー
 株式会社東陽テクニカ

あ、危ない!そのときクルマはどう反応?
~衝突防止ミリ波レーダーとADAS評価のためのラボ内シミュレーション~

東陽テクニカ EMCマイクロウェーブ計測部 衛藤 正悟(左)とUniqueSec社CEO Dr. Kasra Haghighi(右)

東陽テクニカ EMCマイクロウェーブ計測部 衛藤 正悟(左)とUniqueSec社CEO Dr. Kasra Haghighi(右)

メーカーCEO来日インタビュー

自動運転、ADAS(先進運転支援システム)用のセンサとして注目されるミリ波レーダー。そのミリ波レーダーの評価はどのように行えばよいのでしょうか。路上でのテストには時間も手間もかかりそうです。課題解決の方法はあるのでしょうか?東陽テクニカが取り扱うターゲットシミュレータのメーカーCEO、Kasra Haghighi氏が来日した際に話を聞きました。

——:日本へ来られるのは初めてですか?印象を教えてください。

2度目の来日です。2年前に初めて来ました。日本は清潔で好感が持てます。また、東京エリアの街並みには境がなく巨大な都市だと思います。食べ物も種類が多くおいしいです。

——:UniqueSec社とはどういう会社なのでしょうか。

2013年に私が設立しました。現在は8名のエンジニアがいて、開発や技術サポートを行っています。米国、スウェーデン、日本を含むさまざまな国で6つの特許を取得しました。最初に工業用レーダーとレーダー開発キットを製造し、またレーダーの測定校正装置を販売しました。こうした技術を利用して、2016年にターゲットシミュレータの24GHzモデルを開発、2018年には77GHzモデルをリリースしました。

——:そのターゲットシミュレータ「ASGARD1」は何をするものか簡単にご説明ください。

ASGARD1」は、ミリ波レーダーの信号に物体からの反射に相当するビート周波数成分を加えることで、レーダーに対して物体の動きをシミュレートして見せる装置です。車両を走行させることなく、ラボ環境で実際と同じような走行シナリオを作ることができます。

例えば、緊急ブレーキや渋滞時の前車追従などの車両の振る舞いをラボ環境でシミュレートできるため、公道やテストコースでの実走行テストの回数を減らすことができ、ADAS技術の開発時間を短縮できます。また、他社のレーダーなど妨害電波の付加を意図的に行ったり、生産ラインでのADAS機能の検査校正に使用したりもできます。

——:日本の自動車メーカー各社が「ASGARD1」に強い関心を示しています。他社製品と比べて優位点は何ですか?

第1に、ほぼゼロの距離から300m以上の遠距離までシームレスに扱えることです。衝突や飛び出しのシナリオを作ることができます。第2に、たくさんのターゲットを扱えることです。近くの車両だけでなく、ガードレールや街路樹などの周辺物体も含めてシナリオを作れます。第3に、ダイナミックレンジが広いことです。大きな反射であるバスの近くから、小さな反射である子供が出て来るような場面を作れます。第4に、来年リリースを予定している次期モデルでは、反射信号の到来角度を電気的に変更できる機能が追加されます。

日本のお客様に製品の紹介をするために来日したHaghighi氏

日本のお客様に製品の紹介をするために来日したHaghighi氏

—— : 日本の自動車メーカー各社が「ASGARD1」に期待していることは何だと考えますか?また、その期待にどう応えていきますか?

今までのターゲットシミュレータでは実現できなかった、複雑なシナリオに対応できるため、HIL(Hardware in the Loop)試験システムに組み込んで使用したいと期待されています。その手始めとして、CarMakerやCarSimといったシミュレーションソフトウェアで作成されたシナリオを再現し、ハードウェアと連携させて評価するためのソフトウェアインターフェースの制作を進めます。

UniqueSec社はまだ小さい会社ですが、優先順位を決め、また東陽テクニカと協力して、ADAS試験に必要な機能の実装を迅速に進めていきたいです。東陽テクニカには、ビジネスパートナーとしてセールスだけでなく、日本市場でのニーズの把握や対応を含め協力を期待しています。

日本は、世界で最も重要な市場と認識しています。自動車メーカー(OEM)及び部品メーカー(Tier1)の数と規模、およびADASへの取り組みにおいてレーダー機能の連携が進んでいる日本市場は、米国やEUの市場よりも重要だと思います。

—— : 今度どのような製品を開発していく予定ですか?

ターゲット信号の到来角度を電気的に与える機能を持つターゲットシミュレータを開発しています。
現在他社製品では機械的にアンテナを動かして到来角度を変化させていますが、この方式では一つのアンテナに対して一つのターゲットしか使えません。MIMO伝搬チャンネル行列の理論を用いて、複数のターゲットを異なる到来角度でシミュレートできるようになります。ADAS機能評価に新たな進化を与える画期的なソリューションですので、ご期待ください。

—— : ありがとうございました。

本記事に掲載の計測試験にご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください
 
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