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展示会レポート
 株式会社東陽テクニカ

展示会レポート:人とくるまのテクノロジー展2018 名古屋

目次

2018年7月11日から13日の3日間、ポートメッセなごやにおいて“公益社団法人自動車技術会”主催の「人とくるまのテクノロジー展2018 名古屋」が開催され多くの人で賑わいました。テーマ別にさまざまなソリューションを展示した東陽テクニカブースを、「自動車計測ポータル」編集部が取材してきました。

ポートメッセなごや

ポートメッセなごや

東陽テクニカブース

東陽テクニカブース

自動運転&コネクテッド

1.レーザーで路上の障害物をばっちり検知

自動車のルーフに装着し、LiDAR(Light Detection and Ranging:ライダー。光による検知と測距。)技術を用いて路面の形状や路上の障害物を検知するシステムです。

—— : どんな用途で使用しますか?

自動運転では段差や穴などの路面状態や、路上の落下物などを確実に検知して回避しなくてはなりません。このセンサシステムは2mm以下の精度で路面を測定することができるため、走行の障害となるものを確実に検知し、危険回避に繋げることができます。また、雨や雪などの天候や、夜間の視界不良の場合でも変わらず動作します。
他にもアクティブサスペンション(動的に振動や衝撃を吸収するサスペンション)の開発に使用されています。現在のアクティブサスペンションは受けた衝撃を検出した後に制御するフィードバック方式ですが、先に路面の形状や障害物を検知し、そこから受ける衝撃を計算して予め制御するフィードフォワード方式のアクティブサスペンションであればより快適な乗り心地を実現できます。

未来の車の技術にとって大事な製品なのですね。ありがとうございました。

2.車載電装品を「コンパクトに」「定量的に」評価する

PSB9000シリーズは電力回生機能を持つ双方向直流電源で、インバータやコンバータなど車載電装品の評価に使用します。EV(電気自動車)に搭載される電池は車種によって電圧や容量がさまざまに異なっていますので、電装品の評価には代わりにこのような直流電源を使用するケースが多いです。特にEVのモータはブレーキをかけているときにインバータを通して電池に電流が回生するので、評価試験には双方向電源を使用するのが便利です。PSB9000シリーズは回生した電流を系統に戻すことができるので、エコな試験を行えます。

—— : 製品の売りは何ですか?

コンパクトで高出力なところです。筐体が小さいこと、1,500Vの出力が得られることは競合品と比べて優位な点だと思います。EV先進国であるドイツの業界では非常に有名なメーカーでシェアも高く、日本でも徐々に実績が増えています。

—— : 上に載っている「データロガー」も電源の一部なのですか?

それぞれ単体の製品で、データロガーはimc Meβsysteme社の製品です。これはデータの記録だけでなく、アナログ電圧の制御信号をプログラマブルに出力することができ、PSB9000シリーズと組み合わせることで複雑なシステムの試験を自動で行うことができます。このように、異なるメーカーの製品を組み合わせてソリューションとして提案できるところが当社の強みだと考えています。

ありがとうございました。

3.EVの充電を評価する

「EVチャージアナライザ/シミュレータ」です。EVとEV充電器との間の通信を解析するアナライザ機能と、電源と電子負荷器とを組み合わせることでEVもしくはEV充電器の動作をシミュレートするシミュレータ機能を持っています。

—— : どのような用途で使うのですか?

EVを充電する際にはEVとEV充電器との間の通信が正常に行われないと充電が異常中断するなどのトラブルに繋がります。この通信を可視化することで異常個所を確認します。

—— : 充電器が通信するんですね。

はい。EV急速充電器は直流500V程度の電圧で充電するものが多く、安全確保のためにEVと絶えずお互いの状況を通信し合っています。どのような手順で通信するのかは充電の規格で厳密に決められているのですが、同じ規格でもバージョンによる差異があったり、規格の解釈が異なっていたり、場合によっては規格に準拠していないケースなどもあります。通信がうまくいかない時原因がどこにあるのか、それを知るためにアナライザが必要です。この製品は可搬型のためフィールドでの不具合解析にも対応できるのが利点です。

ありがとうございました。

4.EVはモータ、インバータのノイズ測定も重要なんです

モータとインバータのEMC試験向け負荷モータユニットです。EMC対策が施してあり、装置全体を簡単に電波暗室の中に運び入れることができるのが特長です。

—— : どのような目的で、電波暗室の中でモータやインバータの試験を行うのですか?

モータやインバータが動作すると電磁ノイズが発生します。近年のモータやインバータは高電圧・大電流に対応しており、このノイズ対策を行うためには電波暗室の中でEMC試験を行う必要があります。試験ではモータ負荷と電源が必要ですが、この2つを電波暗室内に持ち込むとそこから発生するノイズで試験を正確に行うことができません。そのためモータ負荷や電源を電波暗室の外に設置しなくてはならず、電波暗室に大掛かりな工事を行う必要が出てきます。しかしBlueBoxに搭載しているモータ負荷と電源にはノイズ対策が施されており、そのままで電波暗室内に持ち込むことができるため、大規模な準備は不要ですぐにEMC試験を行うことができます。

—— : 世界的なEV/HVシフトに伴って、このような試験ニーズが高まるのですね。

はい。当社はEMC(電磁適合性)試験装置を長年にわたり販売してきました。その知見から新たな試験やコンプライアンス適合についてもご提案ができると思います。

ありがとうございました。

安心・安全

5.エンジンやトランスミッションの耐久性試験のコストパフォーマンス向上に

エンジンやトランスミッションなど、回転体の耐久試験に使う測定機です。振動(加速度)や回転速度などを測定し、ギアやベアリングの異常を破損する前に検出できます。従来の試験では明らかな振動による異常が発生しない限り、試験対象物の状態を把握することは困難でした。これだとエンジンやトランスミッションを数百時間単位で動かして目視で確認、破損がなければまた動かして、と非常に多くの時間と労力がかかります。「MIG16 SFE」を使えば壊れ始めの状態を的確に捉えることができ、コストや工数の削減に貢献できます。

—— :時間も人的リソースも大幅に削減することができそうですね。

エンジンやトランスミッションを製造する上で耐久試験は必須です。このような試験を行う際、お客様自身で計測システムを構築していることが多いですが、本製品のように1台で計測から異常診断までを行うことのできる製品はありませんでした。当社が販売を始めたのも2018年からなので、これから普及に貢献していければと思います。

ありがとうございました。

快適性

6.ホイールにかかる力を丸裸に

自動車のホイールに装着して、ホイールにかかる力を測るためのセンサです。6つの力を同時に測定することができるので6分力計と呼ばれています。

—— : 6つとはどのような力ですか?

車両の前後軸(X軸)、左右軸(Y軸)、上下軸(Z軸)の力と、それぞれの軸を中心としたモーメントです。この6つの力を測ることでホイールの挙動を詳細に解析することができます。

—— : どのような用途で使用するのですか?

自動車が走行中に路面から受ける力を測定する時に使用します。その測定データを活用する最も一般的な例が耐久試験ロードシミュレータ装置の制御です。実走行試験で走行中のホイールにかかる力を記録し、そのデータを使って再現することで、よりリアルなロードシミュレーション試験を行うことができます。
別の用途では自動車の振動と騒音の低減化に活用します。自動車に関する騒音は車両のエンジン、トランスミッションなどで生じるもののほか、タイヤからホイール、サスペンションを伝わって車室内に入り込んでくるロードノイズがあります。このホイール6分力計で路面から受ける力を把握することで、ロードノイズの対策に役立てることができると考えています。

—— : データの収集は研究開発の土台ですものね。競合する製品などはあるのでしょうか?

6分力計はいくつかのメーカーで販売されていますが、この製品はオートバイ、小型車からトラックまで、さまざまな車種に対応した製品をラインアップしていることが特長です。また、高精度で耐久性も高く、国際規格である“ISO17025”に準拠した校正が可能で、国内でも高いシェアを持っています。

ありがとうございました。

7.音が視える

特殊な音響センサで拾った音を可視化し、音源の映像に重ねてマッピングする音源探査システムです。自動車室内の雑音や車両部品の異音の発生源を突き止めるのにとても役に立ちます。

—— : 一般的なマイク(マイクロホン)と比べてどのような点が違うのでしょうか?

いわゆる普通のマイクは音の大きさしか測ることができませんが、この音響センサは音の向きも測ることができます。この音響センサを動かすことで、動かした範囲の中でどんな大きさの音がどちらに向かって出ているのかがわかります。それをソフトウェアで映像化し、音響センサを動かした範囲の映像と重ねることで、例えば自動車で異音が発生している時に、どの部分から出た音なのかを突き止めることができます。自動車にはエンジン、トランスミッションなど音を出す部品がたくさんあり、快適性に大きな影響を与えます。この製品はその音を調べるのにとても便利なため、多くの自動車メーカーに採用いただいています。特に周波数の範囲が広い(20Hz~10kHz)のと、位置の分解能が高い(5~6mm)のが特長です。

音の可視化は見た目にもとても面白いです。ありがとうございました。


会期中、東陽テクニカブースにはたくさんのお客様にお立ち寄りいただきました。ありがとうございました。東陽テクニカの自動車に関する多くの製品が集まり、筆者自身初めて見た製品や、初めて何をするものなのかがわかったものもありました(勉強不足です)。展示品は今回ご紹介したもので全てではありません。他にもまだまだ面白そうな製品がありましたので、この続きはぜひ「製品・ソリューション」のページでご覧ください。

 
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