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コラム音・振動解析2015/04
動的現象測定用加速度センサのご紹介 2/2 株式会社東陽テクニカ
機械計測センサ部 阿部 俊志
コラム音・振動解析2015/04
動的現象測定用加速度センサのご紹介 2/2 株式会社東陽テクニカ
機械制御センサ部 阿部 俊志
*東陽テクニカルマガジン 【第16号】2015.4より掲載
4.仕様及び使用上の留意点
以下に、圧電型加速度計を選ぶ上での基準と留意点をまとめます。
4-1. 感度と測定レンジ
電圧出力型においては一般に定格出力電圧は±5V、例えば感度1mV/(m/s2)の加速度計であれば±5,000(m/s2)が定格測定レンジとなります。120dB程度のダイナミックレンジが期待できます。
電荷出力型においては、加速度計感度(pC/(m/s2))×チャージアンプ変換感度(mV/pC)で電圧感度が決定し、チャージアンプ出力電圧限界によって測定レンジが決定します。一般には電荷感度と測定レンジを設定することでこれらの関係が設定されます。高性能のチャージアンプでは測定レンジを切り替えることによってトータル160dB程度のダイナミックレンジをカバーできるものもあります。ローコストのチャージアンプでレンジ切り替えを電圧アンプで代用している場合はこのような広いダイナミックレンジは期待できません。
4-2. 分解能(微小検出限界)
ノイズフロア電圧が分解能を決定します。電圧出力型では内蔵FET回路のノイズが、電荷出力型ではチャージアンプの自己ノイズと接続ケーブルが誘起するノイズが分解能を支配します。PCB社では分解能の目安として実効値及び代表周波数でのPSD値の目安を公表しています。微小振動の測定が必要な場合にはこれらの仕様に留意する必要があります。
4-3. 周波数範囲
一般に周波数限界は、基準周波数での感度に対してある偏差内の感度を維持する周波数範囲として規定しています。規定される偏差は±5%、±10%、±3dB等様々ですが、この偏差範囲の規定はメーカによっても異なるので注意が必要です。
同じ1Hz~10kHzの周波数範囲が規定されていても、その許容偏差が±5%か±3dBかでは全く精度が変わってきます。高周波限界は加速度計の共振によって決定され、共振周波数に近づくにつれてセンサ感度は上昇します。もし共振付近の周波数成分を持つ振動にさらされれば、加速度計は簡単にオーバーロードする可能性があります。
低周波限界は、測定システムの時定数で決定されます。電圧出力型では内蔵FET回路の時定数、電荷出力型ではチャージアンプの時定数、更にはデータ収録機器のカプリング時定数や入力抵抗によっても左右されることがあり低周波測定が必要な場合には注意が必要です。
一般にその構造から、小型加速度計は低感度(高レンジ)・高周波応答、大きな加速度計は高感度(低レンジ)・低周波対応の傾向があります。また、高周波応答性は加速度計の被測定物への取り付け方法によって大きく制限されます。仕様に掲げられた高周波限界はフラットな剛体面に剛結合した場合のものです。実際の取り付け法が、接着剤・ワックスの厚塗り、磁石ベース、ハンドプローブ使用等の場合は高周波限界が低下します。
4-4. 動作温度範囲と温度変化の影響
仕様では動作温度範囲が規定されていますがその範囲内でも温度によって感度偏差があります。温度に対する感度特性や温度係数が仕様表に記載されているので確認が必要です。高温・低温等の環境でも温度が安定していれば一般に感度は安定していますが、熱衝撃や非定常な温度変化に対しては感度をもってしまうものがあります。これは圧縮型の構造に顕著で、せん断型では改善されています。
4-5. 重量影響
軽量の被測定物では、装着する加速度計重量によって動特性が変化してしまうことがあります。軽量の被測定物には軽量の加速度計を使う必要があります。加速度計重量0.1~0.2グラム程度の極軽量のものも製品化されています。重量影響を検証するには、ひとつの加速度計の極近傍にもうひとつの加速度計をつけて両状態でのデータの相違を比較するのも一法です。小型のものでは三軸でありながらセンサ部重量1グラム、6.4mm角のものもあります。
超小型ICP®加速度計一軸 0.2グラム
超小型ICP®加速度計
一軸 0.2グラム
超小型ICP®加速度計三軸 6.4mm角
超小型ICP®加速度計
三軸 6.4mm角
5.最新の圧電型加速度計
多チャンネル同時測定の一般化に伴って、設定の簡素化を促進し人的ミスを排する技術にTEDS (Transducer Electronic Data Sheet)があげられます。これはセンサ内のメモリにセンサ型式、製造番号、校正感度・日時といった管理情報を持たせ、TEDS対応のデータ収録器がこれらの情報をダイレクトに読み込めるものです。もちろん定期校正情報等はユーザがアップデート可能です。この規格はIEEE 1451で規格化され、準拠製品であれば製造者を問わず互換性があります。メモリへのアクセスは従来どおりのセンサケーブルが共用され、TEDS非対応のデータ収録器・シグナルコンディショナでもセンサとしては問題なく動作します。
また、ICP®センサの近傍に小型のシグナルコンディショナ兼A/D変換器を分散配置し、それらを同期してデジタル化された信号を多チャンネル収録するシステムも登場しています。コストが高くトラブルを生じやすいセンサケーブルの短縮、セットアップの簡素化、対ノイズ性の向上に貢献します。他方、センサ内部でA/D変換を行い、ノートPCあるいはタブレットへのUSB接続だけで加速度モニタ・記録可能なセンサも登場しています(DIGIDUCER™)。USBハブの併用による多点同時計測・記録も可能となっており、今後の機械振動モニタへの活用が期待されます。
USBデジタル加速度計DIGIDUCER™
USBデジタル加速度計DIGIDUCER™
6.まとめ
精度の高い測定を行うには信号のセンシング部にももっと着目して注意を払うことが重要です。その選択使用に際してユーザからよく尋ねられる留意点を中心にまとめてみました。皆様の実務において少しでも参考になれば幸いです。
*東陽テクニカルマガジン 【第16号】2015.4より掲載
 
 
 
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