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コラム音・振動解析2015/04
動的現象測定用加速度センサのご紹介 1/2 株式会社東陽テクニカ
機械計測センサ部 阿部 俊志
コラム音・振動解析2015/04
動的現象測定用加速度センサのご紹介 1/2 株式会社東陽テクニカ
機械計測センサ部 阿部 俊志
*東陽テクニカルマガジン【第16号】2015.4より掲載
1.はじめに
当社では45年以上にわたり、米国PCB Piezotronics社の動的現象測定用センサの日本代理店として活動してまいりました。圧力センサ、力センサ、マイクロホン等製品種類はいろいろありますが、多くのお客様にお使いいただいているのが、振動・衝撃現象を検出する加速度計です。
デジタル信号処理技術の進歩に伴い、振動騒音解析の分野においても多チャンネル同時収録・リアルタイム処理装置が普及しました。自動車・機械振動等の分野では64~128チャンネル程度の収録装置がごく一般化し、航空宇宙分野の加振試験等においては更に多点の同時測定が行われています。同時に測定から解析のルーチンは自動化・ブラックボックス化が進み、どこかに人的なミスや測定エラーがあっても気づかずに解析結果が出てしまうところに反面の恐ろしさも潜在します。一旦デジタル変換された信号誤差は後処理で取り除くことは事実上不可能なため、入力されるセンサ信号のチェックに十分な注意を払い、誤差要因が少なく価格対性能の優れた適切なセンサを使用することが重要です。
振動・騒音・衝撃解析の分野でその特性と利便性、価格対性能の面から多用されている圧電型振動センサについてご紹介いたします。
2.圧電型振動センサ(加速度計)とは
機械振動計測の分野で圧電型加速度計が多用されるのは以下のような理由からです。

• 広周波数範囲、1Hz以下~10kHz 以上
• 良好なダイナミックレンジ( >160 dB)
• 可動部分がなく堅牢な構造
• 簡単な2線システムで動作、自ら信号を出力
• 動的な現象のみを測定
• 試験体への簡単な取り付け 
• 極小型軽量~極高感度まで種類が豊富
• 耐環境性に優れている

動的な現象を良好なS/N比で測定できます。自動車の加速減速、コーナリング時の横Gのような静的な加速度は検出せず、ある低周波限界があります。静的加速度の検出用途には静電容量式、ピエゾレジスティブ式のようなDC(0Hz)~低周波領域に適した加速度計が必要となりますが、近年、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の進歩により、パッケージ化したチップを計測用センサとして応用しています。
せん断構造 電圧出力型加速度計イメージ図
せん断構造 電圧出力型加速度計イメージ図
3.圧電型加速度計の
原理と構造
 
3-1. 構造的原理と得失
圧電材料は外力により歪まされると歪みに比例した量の電荷を発生します。すなわち圧電材料に既知慣性マス(m)を装着し、加速度による慣性力が圧電材料を歪ませるようにすれば、α=F/mから加速度に比例した電荷出力が得られます。この原理を応用したのが圧電型加速度計です。歪みを生じさせる構造として現在はせん断構造が主流となっています。これは従来、熱変化・ベース歪みにより誤差出力しやすかった圧縮型を改善したもので、対環境性能が大きく改善され非常に安定した信号が得られます。
 
3-2. 2種類の圧電材料の得失
圧電材料としては人工水晶と多結晶セラミクスが多用されています。
水晶は生来非常に安定した圧電効果を有しており、経年変化、熱変化に対する出力(パイロ電気)が少ない対環境性の優れた加速度計が設計できる圧電材料です。また低容量性のため電圧感度が高い反面電荷感度は低いため、後述する電圧出力型センサとして安定性の優れたセンサが供給でき、かつ感度の温度偏差も一般に小さいという特質があります。
一方セラミクスは安定性では水晶に及びませんが、小型で電荷感度の高いセンサを構築するのに適しています。一口にセラミクスといっても様々な種類が活用されておりその用途で使い分けられています。セラミクスは、センサ部品として形状加工された後に高電界処理がなされて圧電効果を得ることができます。一方センサとして振動・衝撃・熱サイクル等の環境にさらすことは圧電効果を減ずる方向に作用するため、水晶に比べると経年感度変化を生じやすい傾向があります。一般に同等形状であればセラミクスの方が微少振動に対する分解能は約一桁高いセンサが期待でき、電荷出力型・電圧出力型双方に広く使われています。感度の対温度偏差は、一般に水晶よりも大きくなります。
総括すると、水晶は汎用性、経時・対環境安定性に優れ、セラミクスは小型、高分解能で様々な形状のセンサに応用ができるといった特長があります。
 
3-3. 出力信号の種類とそのシグナルコンディショニング
前述したように圧電型加速度計は、まず加速度に比例した電荷を出力しますが、その後の処理方法によって、電荷出力型と電圧出力型の二種類に大別されます。
電荷出力型は文字通り発生した電荷をそのまま出力するものです。電荷信号は微弱で圧電材料の高インピーダンス出力のままの信号であるため外乱ノイズの影響を受けやすく、ローノイズケーブルをできるだけ短い距離で使うことが肝要です。また、コネクタ部は高インピーダンスを維持するために汚れなくかつ乾燥状態を維持する必要があります。一般に出力信号は外部チャージアンプに入力され、ここで設定された感度で電荷/電圧変換されます。
一方近年、多チャンネル同時データ収録装置の普及とも相まって、多用されているのが電圧出力型の加速度計です。各メーカで呼称がつけられているものがあり、PCB社の登録商標ICP®はその代表例です。これは加速度計内に電荷/電圧変換のFET回路を封入したもので外部にチャージアンプを必要としません。封入された回路を駆動する外部定電流電源が必要ですが、近年のデータ収録/解析装置はこの定電流電源を内蔵したものがほとんどです。この場合、単に加速度計を装置に接続するだけで測定ができ、非常に簡便かつ低コストのシステム構成ができます。また、装置に定電流電源が内蔵されていなくとも、チャージアンプに比べると外部電源(シグナルコンディショナ)は非常に低コストで、また低インピーダンス電圧出力のためノイズを拾いにくく、高価なローノイズケーブルを必要としません。悪環境下でも長期安定動作を確保するには密封構造のセンサを選ぶことが肝要であり、設備振動モニタ用には電圧を実効値変換、4-20mA 電流変換出力することも可能です。一方、高温限界は内部にFET回路があるために電荷出力型に比べ低くなります。一般に、限界温度以下であれば電圧出力型が非常に使いやすいシステムです。
耐久性では、回路を内蔵していない分電荷出力型が有利ですが、電圧出力型の損傷の多くは回路上のもので出力なしの状態になるのに対し、電荷出力型では徐々に劣化する傾向にあるので注意が必要です。
両者の得失を表にまとめると以下のようになります。
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*東陽テクニカルマガジン【第16号】2015.4より掲載
 
 
プロフィール
13780_ext_42_0.png 阿部 俊志
 
株式会社東陽テクニカ
機械計測センサ部

1986 年東陽テクニカ入社。振動騒音計測部門に
配属以降、同分野に従事。
 
 

 
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